日本代表・森保一監督「普段はこんな感じじゃない」福田正博との感動エピソードを披露

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日本代表・森保一監督「普段はこんな感じじゃない」福田正博との感動エピソードを披露

サッカー日本代表の森保一監督が、12月22日にテレビ東京系で放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(毎週土曜24:20~)の1時間スペシャルに出演。知られざる人間性に迫った。

1992年から96年にかけて日本代表で活躍し、現役引退後は指導者となった森保。サンフレッチェ広島の監督に就任すると、6シーズンで3度のJリーグ制覇を成し遂げ、2017年にU-23日本代表監督に就任。今年のロシアワールドカップでは日本代表コーチを兼任し、大会終了後、日本代表監督に就任した。すると南米の強豪ウルグアイを破るなど就任から5試合を4勝1分の無敗で乗り切り、チームをまとめるマネジメント術には選手からも驚きの声が上がっている。

現役時代、所属クラブでは対戦相手として相対し、日本代表では共に戦った番組アナリストの福田正博が「真面目な選手でした」とぎこちなく喋りだすと、周囲からツッコミを受け、「(僕が)2つ上なんですけど、(代表監督に対して)あんまり上からになると僕の印象が悪くなるでしょ(笑)」と弁解。森保も「普段はこんな感じじゃないんです(笑)フランクに付き合ってもらえて、いろんな話をできる仲間であり戦友であり先輩」と笑い、2人の関係性が垣間見えるエピソードが披露された。

1999年、福田が所属する浦和レッズはJ1残留をかけホーム駒場スタジアムで最終節に挑んだ。対戦相手は森保が所属するサンフレッチェ広島。浦和の残留には90分(当時、延長・PK戦で決着を付けていた)での勝利が必要だったが延長に突入。福田のVゴールで試合には勝ったものの、浦和のJ2降格という形でシーズンは幕を閉じた。そのとき森保は、うなだれる福田を抱きしめ、「来年上がってくればいいじゃないか」と耳元で伝えたという。福田は「その時は嬉しくて涙が止まらなかった」と打ち明け、森保も「自分にも良くしてくれた先輩でしたので、悲しんでいる光景が自分にも辛かった」と当時の胸の内を明かした。

そんな森保監督の人物像を探るうちに現れたキーワードが「電話」。2011年、広島の監督に就任した際には全選手に電話をかけ、「一緒に頑張ろう」「良いチームを作ろう」と伝えたという。それを聞いた福田は「選手たちびっくりしていなかった? 監督から電話なんかかかってきたことがない」と質問し、同じく番組アナリストの秋田豊も「距離を置きながらやる監督が多いので、選手に電話をかけることはあまりない」と驚きの表情を見せた。森保監督自身も「普段は個人的なやり取りはせずに、監督と選手としての距離感は保っている」と話した。

さらに番組では、現役選手たちにインタビュー。日本代表の槙野智章は、森保の代表監督就任にあたりロシアワールドカップのメンバーに電話がかかってきたことを告白。「僕だけ特別かなと思っていたら、みんなが“俺も”と言っていました」と笑いながら、「力を貸してくれ。こういうビジョンがある」と伝えられ、「この人のために頑張ろう」と決意したのだとか。また、三竿健斗は、9月に起きた北海道胆振東部地震のために中止になったチリ代表戦の直後、大阪・吹田スタジアムで開催されたコスタリカ代表戦の前のミーティングで、「こういう苦しい中で僕らがサッカーをできていることに感謝して、少しでも勇気づけられるようにプレーで示そう」と言われ、「自分たちのプレーがまわりに大きな影響を与えると感じた」と話した。

そんな森保監督に「監督に必要な能力ベスト5」を質問。第5位には「個性」をあげ、「人の言葉を学んで引用することは大事ですが、コピー&ペーストしただけでは伝わらない。自身のキャラクターを自然に出すことが大切」と提言。続く第4位には「体力・忍耐力」をあげ、「相手の分析をする時に、眠くても映像を観ないといけないですし、次の準備をするためには体力も忍耐力も必要」と話した。第3位には「柔軟性」をあげ、「自分たちが“攻撃的にやる”と言っても、相手が強かったら守備をするという柔軟性を監督も選手も持ちたい」と話した。

そして、2位にあげたのは「洞察力」。「今、見えていることだけではなく、その背景まで見る必要がある」と話し、第1位には「決断力」を選択。「自分の思いだけではなくて、チームにとって一番良いことを決断しなくてはならない。スパッと選択できる人はすごいなと思います」とコメント。すると福田が「自分のことを分析すると“決断力ない”なって感じでしょ?」と聞き、「さすが福田さん。僕のことわかっていますね(笑)」と相槌。また、「個の持っているものを尊重しながらも、チームとしてやるべきコンセプトがあります。チームのことを考えて個性と組織力を。言うのは簡単でやるのは難しいですが、それを持ち合わせて行きたい」と抱負を語っていた。

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