Jリーグアドバイザー・ホリエモンのコスパが良すぎると絶賛

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ホリエモンの愛称で親しまれるJリーグアドバイザーの堀江貴文が、12月1日にテレビ東京系で放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(毎週土曜24:20~)にゲスト出演。サッカー界が直面する課題や、Jリーグの人気獲得ための具体的施策を提言した。

2015年にJリーグアドバイザーに就任し、様々な提言を行ってきた堀江。「月3万円で雇われているだけ」と笑いながら、「Jリーグで観に行くクラブを勝手に決めて、ただ外野から意見を言う責任のないもの」と職務を説明。本人はこう言うものの、各地のクラブを視察して助言するだけでなく、フォロワー数320万人を誇る自身のツイッターで活動を報告するなど、実質的に広告塔としても活躍している。

そんな堀江がスポーツ観戦をする中で気にかかっているポイントがあるという。それを「結界」と表現し、普段からスタジアムに足を運んでいる人には理解しづらいものだと指摘。例えば、“トイレが少なくて行列するらしい”というのは女性にとって大きな要素で、そういった大小様々な要因が重なり、知らない人にとってはとても大きなハードルになっていると分析した。

そして、人気獲得の鍵となるのが、年間2~3回の来場客の常連化。飲食店では初めて来店した客が再び来店する確率は10.6%しかないのに対し、2回来店した客が3回目に来店する確率は32.3%と一気に3倍に跳ね上がり、回数が増える毎に来店率は上がっていくのだとか。これは常連化曲線と呼ばれており、常連化が進むと客単価が増え、利益率も上がっていくのだが、Jリーグクラブはここへのアプローチが不十分だという。「極論、ソーシャルゲームの課金と一緒」と述べ、「彼らは課金をさせるための仕掛けがスゴイ。1回目に来てくれた客には2回目の無料チケットを渡せば良い。3回目に来てくれたら友達連れてきたらキャッシュバックしますみたいなことがソーシャルゲームの世界では当たり前だけど、それを戦略的にやれているクラブがない」と話した。

そして、まったく足りていないのがVIP対応。地元の有力者やVIPが訪れ、ホスピタリティールームで食事などが振る舞われるサービスがあるのだが、世界標準で見ると行き届いておらず、「自治体が作るから公民館みたいになっている」とバッサリ。「ヨーロッパでは、地元の有力者の社交場になっている。彼らがサッカーに興味なかったとしても、有力者が集まる場所は、自然と人が集まるようになる。スポンサー、VIPシートなど実は一番儲かるところで、収益の下支えになる」と話した。

そして、「人気が出ると絶対に強くなる」と言って、プロ野球・広島カープの成功例を解説。広島カープは、かつて弱かったが近年はリーグ3連覇を成し遂げており、その大きな要因がマツダスタジアムにあると分析。堀江も観戦に訪れた際、「天気が良くて内野席で飲んでいたら、酔っ払ったカープ女子が絡んでくるんですよ。広島は街の中にスタジアムがあって雰囲気が良くて、そこにいることに価値がある」と話した。

一方で、人が集まるようになると、多くのスタジアムでアクセス面の問題が顕在化すると指摘。例えば11月16日に大分で開催されたキリンチャレンジカップ。試合前に大渋滞が起こり、選手バスも足止めされる事態になり、観客の入場も大きく遅れた。堀江は、「地方のチームは駐車場が無料なのも問題がある」と述べ、V・ファーレン長崎が導入している自宅の庭先などの空きスペースを駐車場としてシェアするITサービスakippa(あきっぱ)を紹介。試合のある日だけスタジアム周辺の駐車場をすべて有料にすることで公共交通機関と分散され、混雑緩和に役立っているという。堀江は「V・ファーレン長崎の髙田明社長みたいな人は、すごく柔軟な商売人なので、肝がわかっている。みんなチームの強化をすれば人気がでると思っているけど逆ですよ。強化より先に、人気を得るための環境つくりをしなければならない」と持論を展開した。

一方で堀江は、人気とは別の角度で「サッカーは長期的に見るとヤバイ」と警笛を鳴らした。その原因は日本の人口減少にあると言い、「中学、高校でサッカーや野球みたいな人数が必要な競技が部活としてできなくなりつつある。一方テニスや卓球、バドミントンに競技者が流れていることも影響して、その分野で活躍する選手が増えている。少子化はボディブローのように日本社会に影響を与えている」と解説。「ここから10年経つと日本人だけでは支えられなくなる。サッカーは特にグローバルスポーツなので野球より有利ですが、Jリーグがアジアナンバーワンのリーグであり続けるためには、とにかくアジアを取り込まなくてはならない」と提言。そのためには、外国人枠の撤廃は必要だと述べ、実際、2019シーズンからは、Jリーグの外国籍枠は原則3人から5人に拡大。さらにJリーグ提携国(タイ・ベトナム・ミャンマー・カンボジア・シンガポール・インドネシア・マレーシア・カタール)は外国籍枠として扱われなくなる。

最後に堀江は、栃木にある阿部梨園が、300件を超える経営改革やノウハウを公開しているWebサイト「阿部梨園の知恵袋」が便利だと言い、「僕も“Jリーグの知恵袋”みたいなサイトを作ると良いかもしれないですね」と語ると、様々な角度からのアドバイスに対して勝村は「これだけの情報を提供していただいて3万円ですよ。どれだけコスパがいいの!?」と絶賛していた。

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