ジェラードのキック力は股関節にあった!日本人との蹴り方の違い

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勝村政信と皆藤愛子がMCを務めるテレビ東京のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(毎週土曜24:50~)。3月11日の放送は、筑波大学人間総合科学研究科の浅井武教授をゲストに迎え、元Jリーガーで番組アナリストの北澤豪松原良香と共に「キック力の向上」について語り合った。

浅井教授は足の骨格標本を使いながら、キックのパワーに科学的にアプローチ。同じ足の甲で蹴っても、インパクトさせる場所によって反発力が違うのでスピードは変わると述べ、「個人でスイートスポットの感覚があると思うが、理屈から言うと足の付け根近くの硬い場所で蹴る方がいい」と説明。さらに、インステップキックと筋肉の動きの関係を示した図から、足の付け根にある股関節付近の筋肉が最も大きな動きを示していることを提示。そこから膝のスイング、最終的に足関節へと伝わっていくことを説明し、パワーの源となる股関節の使い方の大切さを伝えた。

これには北澤も「中村俊輔くんも股関節の可動域を広げるようにストレッチすると言っていた」と感嘆。元イングランド代表スティーヴン・ジェラードのインサイドキックの強さが話題にあがると、浅井教授は「体幹から大きな力を伝える技術もある」と語り、さらに蹴り方にも言及。「ヨーロッパの人は、インサイドでもインステップやインフロントに近い蹴り方をする。日本人は足を引いた時に広がっているが、彼らはインパクトの時だけ足を開く」と違いを語る。

自身の育成年代時代を振り返った松原は「ボールをここに置いて、足を広げて……と、形から教えて貰ったイメージがある」と語り、浅井教授は「そこばかりにこだわっているとメカニズムが伝わらない。それをしっかりと伝えてあげれば、形は後からついてくる」と提案。北澤も「こういうことを考えながらやりたかったなぁ」と悔しがっていた。

そのほか、浅井教授は「神経系」「呼吸・循環器系」「筋力系」の3つのグラフを提示し、育成に最も効果的な「ゴールデンエイジ」の重要性を提言。また、ビデオゲーム『ウイニングイレブン』を使ったトレーニング「ウイトレ」や、各界の先人たちの言葉からテーマに沿った「金言」を提唱する新コーナー「GOAL!!DEN WORD」では、物理学者アイザック・ニュートンの「今日をなしうることだけに全力を注げ、そうすれば、明日は一段の進歩を見るだろう」という言葉が紹介された。

最後に、この4月で放送7年目を迎える『FOOT×BRAIN』が、4月2日から毎週日曜午前11時に放送時間が変更されると発表。勝村は「この番組を見てからデートに行くんだよ」とメッセージを送っていた。

次回、3月18日の放送では、番組アナリストの都並敏史、松原良香と共に「ストライカーに必要なモノ」をテーマに議論を交わしていく。

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