大変革のJリーグ、北澤豪が語る“明暗”や“差別化”とは?

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勝村政信と皆藤愛子がMCを務めるテレビ東京のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(毎週土曜24:50~)が3月4日に放送。大きな変革を迎え、いよいよ開幕したJリーグについて、元Jリーガーで番組アナリストの北澤豪松原良香三浦淳寛が語り合った。

まず番組では、昨年からのリーグの変更点を紹介。2ステージ制から1ステージ制へ回帰し、大型放映権契約により賞金も大幅アップ。優勝賞金が3億円、J1の均等分配金が3億5000万円、そして新設された強化分配金が優勝クラブに約15億円と、総額22億円もの大金を目指すリーグになった。更に、外国人枠が国籍不問の5人(提携国枠の選手は外国人扱いしない)へと変わり、これまで以上に柔軟なチーム編成が可能になった。

三浦は22億円という金額は大きなインパクトがあると言い「優勝クラブの来年の補強は半端じゃなくなる」と期待を示し、勝村も「設備も整うし関わる人たちも強化できますよね」と応じる。一方で松原の「クラブ間の経営力の差などが必ず出る」という指摘には北澤と三浦も同意。日本人の年棒も上がる可能性があるという意見には「Jリーグを目指す子どもたちにとっても良いこと」と歓迎する。

そして北澤は、4位まで支払われる強化分配金によって格差が出ることについて言及。「勝ち続けることによって毎年22億円のお金を手にし、良い使い方をできればアジアを代表するクラブにもなれる。更に連覇していけばヨーロッパのクラブに匹敵するようなクラブになることも可能」と解説。一方で、5位以下だと“勝つチーム”を作るのが難しくなり、各クラブの色が出てくると予想した。

また、アナリストたちが、それぞれの視点で注目クラブについて分析。まず北澤は、鹿島アントラーズを選択。柴崎岳がスペインに移籍したが、ヴィッセル神戸からペトロ・ジュニオール、パルメイラス(ブラジル)からレアンドロといった攻撃的なタレント、昨年ACLを制した全北現代(韓国)からGKのクォン・スンテ、更にアルビレックス新潟から、中盤で攻守にわたり圧倒的な存在感を示すレオ・シルバを獲得するなど、外国籍選手の超大型補強を実施。柴崎の流出を全く感じさせない戦力を整えた。

北澤は、去年1年間で見るとそこまでのチームではなかったとしつつ、Jリーグチャンピオンシップやクラブワールドカップでは「鹿島は伝統的に攻守のバランスを持っているチームだが、これらの大会では守備の安定感を作り出すのが早かった」と分析。「1ステージでは、対応力のあるディフェンスが鍵を握る」と語り、DFの植田直通と昌子源、GKのクォンは安定感を作り出すと予想。更にボランチについてもレオ・シルバを獲得し、小笠原満男、永木亮太と分厚い選手層を形成したことは大きいと話す。これには三浦と松原も同調し、充実する鹿島の戦力について語った。

松原が上げたのは3年ぶりにJ1昇格を果たしたセレッソ大阪。ユン・ジョンファンを新監督に迎え、清武弘嗣を獲得。山口蛍、柿谷曜一朗ら代表クラスのメンバーがそろう。松原はセレッソ伝統の“育成”に着目し、「これが強化にどう結び付いていくのか注目したい」とコメント。また、清武が戻ってきたことは、代表チームを意識した判断で、それがどのような影響をもたらすかも注目ポイントに上げ、北澤も「スター選手を獲得して、育成もしっかり整えている。両面を持っているのは魅力」と語った。

最後に三浦が選んだのはFC東京。FC東京も大久保をはじめ、永井謙佑、髙萩洋次郎、林彰洋を獲得、太田宏介の復帰などで、戦力を大幅にアップ。太田と林の加入によって最終ラインは確実に安定し、中盤の選手層が増したことで、様々なバリエーションで攻められるようになると分析。更に、FC東京はこれまで最後の貪欲さが欠けていたが、大久保の加入によって、チーム全体に良い意味での貪欲さが行きわたるのではないかと予想した。

そのほか、アナリストたちによる優勝予想も実施。北澤と松原は鹿島を選択。金崎夢生、鈴木優磨の得点力、そして、安定感が増すディフェンスライン、そして、勝ち方を知り、中長期的な視野で補強を続ける“クラブ力”を要因に上げた。そんな中、三浦は浦和レッズをチョイス。昨年優勝してもおかしくなかったと語り「今年は、新潟から加入したラファエル・シルバがマッチすれば行くと思う」と予想する。そんな中、埼玉出身の勝村は「大宮―与野―北浦和」と京浜東北線の路線を書いたパネルを提示。「みんな浦和を予想すると思った」と苦笑いし、「大宮も推さないとダメでしょう」と地元愛を示していた。

そして、今回から各界の先人たちの言葉からテーマに沿った「金言」を提唱する新コーナー「GOAL!!DEN WORD」がスタート。初回はJリーグを改めて考える言葉「この道は世界に繋がっている!」(初代Jリーグチェアマン・川淵三郎)を紹介。勝村は「すべての道はローマに繋がっているという言葉もありますし、そういう意味では、Jリーグが強くなっていくことがワールドカップ優勝に繋がっている」と語るのだった。

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