水谷豊&織田裕二、“驚異の頭脳”で事件解決… ふたりの華麗なる推理に注目

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この秋は、実に多くの刑事ドラマが放送されている。『相棒Season15』(テレビ朝日系列、毎週水曜21:00~)をはじめ、『THE LAST COP ラストコップ』(日本テレビ系、毎週土曜21:00~)、『スニッファー嗅覚捜査官』(NHK総合、毎週土曜22:00~)、『科捜研の女』(テレビ朝日系列、毎週木曜20:00〜)、『キャリア〜掟破りの警察署長〜』(フジテレビ系列、毎週日曜21:00~)がゴールデンタイムで、深夜帯には『警視庁 ナシゴレン課』(テレビ朝日系列、毎週月曜 24:15~)、『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』(テレビ東京系列、毎週土曜24:20~)といったラインナップを見てみると、昔ながらの“人情派”刑事ドラマは影を潜め、主人公の強烈な個性を活かした作品が非常に多い。

特に、頭脳明晰なキャラクターが活躍する作品にはヒット作も多い。刑事ドラマでは、『相棒』の杉下右京(水谷豊)、『ST 赤と白の捜査ファイル』(日本テレビ系)の赤城左門(藤原竜也)、『警部補 古畑任三郎』(フジテレビ系列)の古畑任三郎(田村正和)、『ケイゾク』(TBS系列)の柴田純(中谷美紀)ほか。その他、推理モノとしては、『ガリレオ』(フジテレビ系列)の天才物理学者・湯川学(福山雅治)や映画『デスノート』の夜神月(藤原竜也)、L(松山ケンイチ)、アニメ『名探偵コナン』の江戸川コナンなどが挙げられる。

■右京さんより頭脳明晰!?  IQ246の新キャラ登場!

中でも『相棒』は、『名探偵コナン』同様、現在進行形で放送されているロングラン作品。今や“右京さん”は、国民的キャラクターといっても過言ではない。その右京だが、テレビ朝日の松本基弘プロデューサーが「(杉下右京は)シャーロックホームズがモデル」と、インタビューで明言している。東大法学部出身のキャリアで、相当な頭脳の持ち主だということは間違いない。しかし、今クールのドラマで、そんな右京をも超える!? キャラクターがドラマ『IQ246〜華麗なる事件簿〜』(TBS系列、毎週日曜21:00~)から出現した。

その主人公は、織田裕二が演じる、IQ246の天才、かつ名家の当主である法門寺沙羅駆(ほうもんじしゃらく)。幅広い知識と名推理で難事件を解決するのだが、沙羅駆は刑事ではない。“やんごとなき貴族の末裔”で暇を持て余しており、解くに値する謎を求めているという設定の変わり者だ。

織田の代表作ともいえる『踊る大捜査線』で演じた青島俊作のような熱いキャラクターとは違い、“右京さん”同様にスーツをビシッと着こなし、常に冷静沈着。法門寺沙羅駆(ほうもんじしゃらく)という名前も、「ほうもんじ=ホームズ、しゃらく=シャーロック」と、 “シャーロックホームズ”を彷彿とさせる。

そして、事件を解決する頭脳は、さすが「IQ246」といったところ。第1話で沙羅駆本人も「頭がいいなどという範疇におさまりきらん。そんなもの遥かに凌駕してしまっている」と自画自賛しているように、すぐに事件の真相を見抜いてしまう。10月30日放送の第3話では、カリスマ主婦モデル・滝乃川美晴(観月ありさ)の夫が何者かに殺害され、犯人と思われた人物もリビングで死亡しており、二人が争った末の事件だと思われた。しかし、沙羅駆は、犯人らしき男の遺体を見て、「セーターの毛玉の付き具合、指先の油の汚れから、住宅用鉄骨工場で働いていた。しかし、油の酸化具合から一週間前くらいに仕事を失った」と読み取り、犯人が彼の行動を把握。リビングに侵入できたことについては、「夫がセキュリティシステムを入れ忘れたのでは?」などの不自然な美晴の供述と、なぜか一番遠くにあった安物の花瓶が凶器だったことなどを踏まえて、夫の遺産が欲しく、お金に執着する妻が犯人だと確信するが、証拠がない……。

そこで、沙羅駆は執事の賢正(ディーン・フジオカ)と一芝居打ち、美晴を誘導して真実を引き出し、事件を解決に導いた。その見事な戦術に、視聴者からも「私まで騙されてしまった」「凶器や盗聴器などについて質問を浴びせながら、犯人の逃げ道を塞いでいくところにIQの高さを感じた」との声が上がっていた。

執事の賢正とのコンビも、「ディーン・フジオカさんの執事がハマり役。織田さんとの絡みが最高!」「織田&ディーンがホームズ&ワトソンみたい!」と高評価だ。さらに、沙羅駆の話し方にもクセがあるため、「声と話し方が特徴的。古畑さんのようにみんなが真似するかも」「最初は、話し方に違和感があったけど、好きになってきた!」「ヤバイ、沙羅駆のキャラ中毒性ある」と、この部分に惹かれる視聴者も続出している。

■右京さんの“キレ味”は今クールも健在!

一方、『相棒』の右京のキレ味も健在だ。優れた記憶力と、「些細なこと気になってしまう、僕の悪い癖」と自己分析している通り、小さな糸口から事件を解決する洞察力。11月2日の第3話では、地域住民の悩み相談に乗る「青空らくだの会」の経営者・平井(風間杜夫)と出会う。彼の肩書きは、あくまでも表向きの顔。その実態は、妻と共謀し、美人局で金をせしめる詐欺師だった。この日も会社員風の男を騙し、金を下ろさせるためATMについていった。その途中、ひったくりの現場に遭遇し、平井が退治する展開に。この間に美人局の相手に逃げられてしまい、自分も素性が知られると困るため、その場から立ち去った。しかし、その様子が動画で撮影されており、SNS上では、ひったくり犯を捕まえたヒーローとして話題となっていた。後日、ひったくりの被害者から「助けてくれた方に御礼がしたい」と相談された右京。

そのヒーローらしき人物・平井に辿りついた右京は、なにやら警戒する彼の姿を見て、最初は警察官だとは名乗らずに話を聞く。すると、不意に出た彼の方言から、角田課長(山西惇)が話していた“山形県の方言”の話を思い出し、平井も“山形出身”であることを推測。平井は「自分は神戸生まれの横浜育ち」と言っていたため、右京の“些細なこと”に対するアンテナが敏感に反応する。

詐欺師であるだけに、警察は関わりたくない平井は、ヒーローは自分ではないことを主張。このエピソードで展開した右京と平井の駆け引きが絶妙で、「風間杜夫さんとの騙し合い面白かった。やっぱり右京さんが1枚上手」、不意にでた一言から山形出身だと気が付いたことについても、「よく気が付くよな」「右京さんに見抜けないことなんてこの世にないのでは? といつも思う」と反響があった。

現在の『相棒』では、右京と、反町隆演じる“4代目相棒”こと冠城亘のコンビも評価が高く、「今までの相棒のなかで1番好きです」「Season14からの続投、すごく嬉しかった!」「これまでになかった相棒のタイプ。右京さんとの息もぴったりだと思う」と右京&亘への好意的な意見が多い。

難事件を天才的な頭脳と名推理で解決する法門寺沙羅駆と杉下右京。どちらが頭脳明晰かを決めることはできないが、ともに心強いパートナーにも恵まれ、今後も難事件を華麗に解決してくれるに違いない。また、「紅茶好きで、チェスが得意な右京さん」に対し、「特許2018点、本も3000冊出版している沙羅駆」など、両者の個性的なプロフィールも非常に魅力的。事件解決のてん末だけでなく劇中に登場する彼らのプライベートなストーリーにも注目したいドラマである。

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