感染リスクを防ぐ! 新型コロナウイルス対策は「減らす」ことが大事

公開: 更新: テレ東プラス

世界規模で感染拡大し、私たちの生活を脅かしている新型コロナウイルス。情報が錯綜する中、マスク不足、アルコール除菌シートの完売、さらにはトイレットペーパーの買い占めなど、深刻な問題も起きています。

さまざまな専門家がお役立ち情報を提供する「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時26分~放送中)から、"健康を守るお掃除術"を推奨する松本忠男さんに新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス対策となるお掃除術を教えていただきました。

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「ウイルス」と「細菌」の違いは?

まずは、感染症を引き起こす「ウイルス」と「細菌」、この2つの違い、わかりますか?

「『ウイルス』は生物ではなく、『細菌』は生物。生物である細菌は細胞分裂により増殖するため、食中毒やカビは増殖できる環境下ではどんどん増えていきます。一方、生物ではないウイルスは、自ら増殖することはできないため、人体などの生きた細胞の中に侵入することで増殖します。ウイルスは増殖するため感染し広がっていくのです」(松本忠男さん、以下同)

ウイルスの活動期間は種類によって異なり、ノロウイルスは約1カ月、インフルエンザウイルスは1日以内、そして、今、猛威をふるっている新型コロナウイルスは1週間以上なのではないかと推測されています。クルーズ船内で多くの人が感染した原因は、この活動期間中に接触したことにあるといわれているようです。

ウイルスを除去するには?

nanairo_20200308_02.jpg画像素材:PIXTA

ウイルスを除去するには、「洗浄」(水で洗い流し、正しく拭く)、「消毒」(一部のものを消滅させる)、「滅菌」(すべてを消滅させる)の3つの方法があります。3つのうち日常生活の中でできる「洗浄」を実践しましょう。

「まず徹底すべきは『手洗い』。石鹸を使って手を隅々までよく洗い、しっかり水で流します。アルコール消毒の場合は、アルコール液を手につけるだけではなく、しっかりとこすり合わせて、両手に塗り込みましょう」

「除菌」に注意!
「除菌シートが売り切れ!」とニュースになっていますが、実は「除菌」は商用用語。除菌スプレーの散布や、除菌シートで拭いただけでは、除去できなかったウイルスが残ってしまいます。水や洗剤などでしっかりと洗い流したり、正しい方法でしっかり拭き取る「洗浄」が必要です。

ウイルス対策のお掃除術

外から室内に持ち込んでしまったウイルスが壁につき、気流で室内を舞い、床の隅に落ち......と繰り返しているうちに、体内に吸い込んでしまったり、手で触るリスクが上昇します。室内ウイルスを減らすための掃除が重要です。

新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスと比べ、感染力は高いものではないので、正しく掃除をすることで、感染リスクを減らすことができます。

【拭き掃除】
テーブルや床などを拭く場合、乾いた布巾で一方向に拭き上げます。布巾の先頭部分に拭き取ったウイルスが付着しているので、行き来するとウイルスを広げてしまいます。必ず"一方向"で! また、乾拭き前の水拭きもウイルスを拭きとらず広げてしまうためNG。

【壁の掃除】
実は、外から持ち込まれたウイルスは、その多くが壁に付着します。「化繊はたき」を使い、風を起こさぬように静かに一方向に拭きましょう。早い動きはウイルスを撒き散らしてしまうので「ゆっくり」が鉄則!

またウイルスが溜まる場所を減らすため、室内をこまめに片づけましょう。

ウイルスに感染しないためには、まずウイルスを「減らすこと」が大事。新型コロナウイルスは様々な情報が錯綜していますが、健康であれば「手洗い」と「掃除」でウイルスに負けない環境を作りましょう。

※この記事は松本忠男さんによる見解に基づいて作成したものです。

(取材・文/水野春奈)

取材協力:松本忠男さん。健康を守るお掃除士。東京ディズニーランドの開園時の正社員、ダスキンヘルスケアを経て、亀田総合病院のグループ会社に転職。清掃管理者として約32年間、現場のマネジメントや営業に従事。1997年、医療関連サービスのトータルマネジメントを事業目的として、株式会社プラナを設立。著書に「図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい」(扶桑社)。

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松本忠男さんも出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時26分からのOAも要チェックです!