磯村勇斗、サウナは自分との戦い!イケメン蒸し男ができるまで

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7月19日からスタートするサウナ好きによるサウナ好きのためのドラマ25『サ道』(テレビ東京ほか、毎週金曜24:52~)で、経営コンサルタントをしている若手のサウナー・イケメン蒸し男を演じる磯村勇斗さん。

原作は、全国のサウナー(サウナ好き)にとっての“サウナ伝道漫画”であるタナカカツキの「マンガ サ道」。サウナ大使にも任命されたプロサウナーであるタナカが、自身をモデルとし、実体験をもとにサウナの奥深さや入り方・マナーなどを描いた作品だ。

主人公は、原田泰造さん演じるナカタアツロウ。彼がサウナの道=“サ道”を究めていく過程で出会うのが、磯村さん演じるイケメン蒸し男や三宅弘城さん演じる「偶然、偶然!」が口ぐせの中年サラリーマンのサウナー・偶然さん。

7月には、サウナの本場・フィンランド大使館から3人そろって「フィンランドサウナアンバサダー」に任命。「『サ道』に出会ってサウナにハマった」という磯村さんにドラマの見どころや、磯村流サウナの入り方などを語っていただきました。

――ドラマのオファーがあったときのお気持ちは?

率直に面白いなと思いましたね。撮影に入る前に原作も読んで、サウナのお話をドラマでやるというのは、非常に興味深かったので、ぜひやりたいと思いました。

――具体的にどんな部分を面白いと思われましたか?

全体的にサウナの魅力を伝えてはいるんですけど、3人(ナカタ、偶然さん、イケメン蒸し男)が仲良くなっていく姿や、シュールな会話劇がすごく面白くて。僕自身はイケメン蒸し男ほどサウナに詳しくはなかったんですが、原作を読めばサウナを一通り知れる、いわば“入門書”でもあるし、そこで“ととのう”(※)という言葉も知ったので、サウナの世界に入るきっかけになる作品だと思いました。

――演じるイケメン蒸し男はどんなキャラクターですか?

名前からしてもう面白いですよね(笑)。役柄的にも、ナカタさんや偶然さんに比べると経験は少ないけど、知識は豊富という……。経営コンサルタントをやっているので、説明したがり、話したがりみたいなところがかわいいなと思いましたね。

――第1話では、イケメン蒸し男の紹介時、意外な癖が明かされますよね?

原作にはなかった設定ですが、異様に“ガード”してます。その様子を、原田さんが優し~い顔で見てましたね(笑)。ぜひ、原田さんの表情にも注目してみてください。

――今回、準備されたことは? 裸のシーンも多いので、体を鍛えたりしたんでしょうか?

そうですね。でもマッチョなキャラではないので、ジムに行って人に見せられるくらいの体作りをしました。それと、劇中ではしっかり水風呂に入るシーンもあるんですが、元々は入れなかったので、クランクイン前にサウナに行って、水風呂に入って、“ととのう”というのをしっかりと分かった上で、現場に入りました。

――サウナは元々、よく行っていたんでしょうか?

たまぁに入るくらいだったんですけど、水風呂に入るようになったのは、『サ道』がきっかけです。

――水風呂は、初めての人だと勇気がいりますよね。

確かに慣れていないと、本当に大丈夫かなという不安はありますよね。でも徐々に慣らしていけば、「入りたくてしょうがない」みたいなところまでに、僕自身はなっていますね。

――どれくらいの頻度で行かれてるんですか?

週に3、4日くらいで、仕事終わりに行ったりしています。この前は、原田さん・三宅さんと行ってきました。

――ロケで、都内のサウナは結構回ったんでしょうか?

僕は、上野の「サウナ&カプセルホテル北欧」一か所での撮影がメインだったんですが、原田さんは色々な場所を回られていて、収録の前日から現場に入られてサウナ施設に実際に泊まって、普通に楽しまれていましたね。

――磯村さん流の入り方はありますか?

ベーシックな入り方だと思います。温度によって多少時間は変えるんですが、6~8分くらいサウナ室に入って、水風呂につかって、休憩をちゃんと取る。で、水もちゃんと飲むという、本当に王道なスタイルじゃないかな。

――ととのいますか?

ととのいます! ととのいます!

――磯村さんの“ととのう”というのは、どんな感覚なのか教えてください。

一つ上の次元に行けるみたいな感じですかね……難しいですね(笑)。全身の力が徐々に抜けていって、溶けていく感覚です。

――原作だと、登場人物の周りにキラキラ星が舞いスパークしている感じですよね?

そうですね、ケミカルな感じですよね(笑)。でも僕自身は、“溶ける”という表現が一番しっくりくるかもしれません。

――ととのうのは、毎回違うタイミングなんでしょうか?

違いますね。ととのわないときもあるし、ととのうときもありますし、それは1セット目にくるときもあれば、3セット目でくるときもあるみたいな、日や体調によっても違ってきます。

――改めてサウナの魅力は?

僕は疲れていたり、悩んだり、考えごとをするときなんかにサウナに入って、それを全て汗として出すという感覚で行っています。自分自身と向き合う時間でもあるし、一回リセットしてくれる場所でもあるので、世界中の人がサウナに入ればいいのにというくらい、平和的な気持ちにさせてくれる場所ですね。

――入ってる最中は、頭の中でぐるぐると考えている感じなんでしょうか? それとも“無”という感じ?

どちらかというと無の方が近いですね。ぼーっとしてる感じです。熱すぎるとそれと戦う気持ちが出てきちゃったりするんですけど、基本的には、ぼーっとしてます。

――サウナの中では、「どちらが長く入っていられるか」のような“男の戦い”はあるんですか?

どうなんですかね……僕の場合は、サウナは自分との戦いで、自分と見つめ合う時間だからなぁ……。でも、戦っている人もいるかもしれません(笑)。

――原田さん、三宅さんとは、撮影の合間にどんな話をするんですか?

もちろん仕事の話もするんですが、お2人ともプロサウナーなので、「どこがオススメのサウナか」という話をしたり、とにかく一緒にいる時間は笑いが絶えず楽しかったですね。

――ドラマの中で、特に注目してほしいポイントは?

普段からサウナに行っている方は、「サウナって楽しめるよね」「これだよね!」とか、逆に意外と知らなかったことに気づける内容になっています。僕、ピュアサウナーとしては、サウナを知らない方に知ってもらって実際に楽しんでいただきたいですし、そのきっかけになる作品だと思うので、幅広い方に見ていただきたいです。

――今期は『サ道』のほかに『TWO WEEKS』(フジテレビ系)、前クールは『きのう何食べた』(テレビ東京系)や『インハンド』(TBS系)など、次から次に話題作に出演されていますが、ご自身の中で変化したことは? また、変わらず大事にされていることは?

キャリアのある方と共演することが多くなったので、精神的には強くなったかなと感じています。良い身体の状態、気持ち、そして緊張とリラックスの丁度良いバランスをもって役に入って、撮影に臨めるようになったのかなと思います。大事にしていることは、一俳優として作品に関わる以上は、役としっかり向き合う時間を大事にしています。一つひとつ真っすぐ戦う、ぶつかっていく姿勢は、ずっと変わってないと思います。大切にしている“芯”みたいなものですね。

――主演ミュージカル『プレイハウス』(8月25日~)も控えていますが、今後挑戦したいことはありますか?

少しずつ役の幅も広がってきているので、まだまだ皆さんが見たことのないような役に挑戦していくのが、今の目標です。

――どんな役をやってみたいですか?

実は、やってみたい役というのをあえて自分で作らないようにしているんです。というのも、自分でこの役をやりたいとなると、結局自分が想像できる範囲内でおさまってしまい、可能性を狭めてしまうと思うんです。もっと成長したい・幅を広げたいとなると、誰かからの「磯村君はこういう役の方が面白いよ」「この役が似合う」といった声をしっかりと受け止めて、僕自身もその方々がそう思った感覚を大切にしたいんです。そういう意味で、色々な役をやってみたいと思っています。

※動画・本文内のワード説明
・ロウリュ
サウナストーブにアロマ水をかけ発生する水蒸気のこと。

・おかわり
ロウリュの際、熱波師がタオルを振り回し客に熱風を送るが、一巡したところで、さらに熱風がほしい場合に「おかわり」と言う。

・ととのう
サウナ、水風呂、休憩をする(繰り返す)うちに、非常にリラックスした状態(サウナトランス)になることを「ととのう」という。ただし、その感覚には個人差がある。

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