福島第一原発を襲う巨大津波… 当時の映像と共に池上彰がニュースを解説

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池上彰が、過去のニュースを優しくひもときながら、現代の世の中について考え、池上流で分かりやすく“ニュースの豆知識”を解説する『グッド!モーニング』(テレビ朝日系列、毎週月~金 4:55~)のコーナー「池上彰のニュース知恵袋~」。3月11日の放送では、5年前に発生した東日本大震災についてわかりやすく解説した。

2011年3月11日に起きた東日本大震災。福島第一原子力発電所では、その地震によって発生した津波により1号機から4号機すべてが電源を失い、その一部(3号機、4号機)では水素爆発が発生。結果、深刻な放射能汚染をもたらす事故となった。

あれから5年。現地では、放射性物質に汚染された水=汚染水が増え続けており、抜本的な解決策が見いだせていない状況が続いている。さらに、溶けた燃料が落ちている原子炉建て屋の地下には、1日おそよ400トンともいわれる地下水が流れ込み、高濃度の汚染水となっているが、これを減らすため、1号機から4号機までの建て屋の地下を、長さ1500mの“氷の壁”で囲み、地下水を遮断する計画が進んでおり、今月3日、原子力規制委員会は、“氷の壁”を海側の部分から凍結するという計画を了承。東京電力は、今月中に凍結開始を目指しているが、その効果については専門家の間で意見が分かれている。

この福島第一原発の事故は、原発の安全性に疑問を投げかけるものとなり、国内の原発50基すべての発電が停止。しかし、昨年8月、九州電力の川内原子力発電所の1号機が再稼働し、およそ2年続いた原発稼働0(ゼロ)に終止符が打たれた。この再稼働の背景には、様々な事情がある。その1つは、電力各社が原発の分の電力を火力発電などで補てんしたことにより、天然ガスなど化石燃料の輸入が増加したこと。2014年度の燃料代は、震災の前と比べ3兆4000億円も増え、電気料金は家庭向けで2割、産業向けで3割上がり、景気回復の足かせになっているという声も上がっている。

また、福島第一原発の事故後、新たな安全基準が設けられたが、重大な事故が起きた際の避難計画の整備などを巡っては、未だ賛否が分かれている。

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