三浦貴大と剛力彩芽が明かすウラの顔「私、いい子じゃないです(笑)」『彼女のウラ世界』インタビュー

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剛力彩芽、三浦貴大
剛力彩芽、三浦貴大

三浦貴大さんが主演、剛力彩芽さんがヒロインを務めるフジテレビTWO×ひかりTV共同制作ドラマ『彼女のウラ世界』が3月22日よりスタート。男女それぞれの目線で2つのストーリーが描かれ、男目線の<TOSHIRO SIDE>はフジテレビTWO(23:00~)、女目線の<AKIKO SIDE>はひかりTV(23:30~)で、5夜連続放送されます。

2020年夏に「東京カレンダー」のWEBサイトで連載がスタートし、クセの強い登場人物が大きな反響を呼んだ人気小説をドラマ化。男は、3年付き合った彼女にプロポーズするが、翌日女は婚約指輪を置いて姿を消してしまいます。女はなぜ男のもとを去ったのか? 男と一緒に過ごしている間、なぜ正体を隠していたのか? 彼女の真実とともに、男の本性が露わになっていきます。

本作で、モラハラ気質のディレクター・西村敏郎を演じる三浦さん、そして、謎に包まれた女性・近藤明子を演じる剛力さんにインタビュー。作品のミステリアスな空気とは相反する、笑いの絶えないおふたりの素顔をお届けします。

剛力彩芽
剛力彩芽

――剛力さんが連続ドラマにレギュラー出演されるのは、約3年ぶりと聞きました。

剛力:クランクイン前は、すごく緊張しました。「連ドラってどうやるんだっけ?」みたいな(笑)。でも入った瞬間に、「ああ、こうだった」って思い出しました。以前、(『フェイス-サイバー犯罪特捜班-』(Amazonプライム・ビデオ/2017年)で共演した三浦さんがいてくれたので、安心して臨めました。

――演じた役柄をどう捉えていますか?

三浦:僕は敏郎の人間性があまり好きではなくて、友達にはなりたくないタイプの男です(笑)。自信がありすぎるというか、「そんなに自己肯定感が強かったら、人生ラクなんだろうな」と思うような方ですね。

剛力:明子は、敏郎から見ると謎が多いんですけど、実際は明るい社長令嬢で、ひとりの人間として悩んでいる部分もある。掴み切れないといえば、掴み切れないキャラクターなんですよね。実は素直なのに、どうして恋人の前では素直になれなかったんだろうって。でも、友達にはいてもいいかなと思います(笑)。

――演じる上で難しかったことや、こんな人物に見せたいと意識したことはありますか?

三浦:敏郎は理解しがたい性格だし、自分にないものをたくさん持っている人なので、難しいところはありましたね。僕は嫌いだけど(笑)、「ちょっと可哀想」と思う人もいてもいいし、「だいたい全部お前のせいだろ」と思う人がいてもいいし。いろいろな見方ができるように、グレーなところでやりたいなとは思っていました。あとは、僕がふだん言わないようなことを敏郎は平気で言うので、「なんだ、この台詞!」と思うようなことをフラットに言うのが難しかったです。

――どんな台詞があったのですか?

三浦:初デートのシーンがあるんですけど、その日に「もしかして俺のこと気に入った?」って言うんですよ。その日ですよ? さすがに、そんなこと言う? って(笑)。

剛力:いやいや、言い慣れている感じでしたよ(笑)。

三浦:いやいや、絶対言わないでしょ、そんなこと(笑)。

剛力:でも、最初に台本を読んだ時は私も「なんだ、この人」と思ったけど、そういう言葉をサラッと言えちゃう感じが、実はまっすぐなのかなって。すごく良い捉え方をすると、愛おしく見えてくる気はしました。

三浦:そうじゃないと、3年も続かないもんね(笑)。

剛力:そうそう(笑)。明子に関しては、敏郎に見せていない部分があるけど、敏郎の前でお芝居をしているわけではないっていうのは、監督と話していました。だから難しかったのは、敏郎といる時と、そうじゃない時のバランスですよね。敏郎といる明子もおとなしいわけではなくて、ナチュラルに過ごす中で本音が言えなくなってしまっただけなので。違いすぎてもよくないし、一緒すぎてもよくない。ただ、衣装やメイクが全然違うので、自然と気持ちを切り替えられた気がします。

三浦貴大
三浦貴大

――自分から遠い役と近い役を演じるのは、どちらが難しいものですか?

三浦:近い方が難しいです。「わかるわ~」って感情移入して、“僕”になっちゃう。やっていて、あまり気持ちがいいものじゃないです(笑)。

剛力:私も近いほうがやりづらいですね。共感しちゃうので、「どうしたら剛力彩芽に見えないか」を意識しないといけないんです。全然違う役だったら、逆に振り切れる。それはそれでおもしろいし、やりがいもありますね。

――撮影に入る前、役作りのために必ずするようなことはありますか?

剛力:私は髪型を決めます。今回は、ずっと伸ばしていたんですよ。もともと、敏郎といる時の明子はおとなしいタイプだろうなと思っていたので、ショートではないかなと。もちろん私の勝手なイメージなので、その後、監督と相談するんですけどね。なんとなく髪型から入るのが好きかもしれないです(笑)。

三浦:僕は何もしないです(笑)。自分が作ったものと、監督のイメージがかけ離れていた時に修正が難しいので、まずは監督の話を聞いて作っていく感じですね。

――今回、撮影の雰囲気はいかがでしたか?

三浦:(剛力と目を合わせて)こんな感じだよね(笑)。スケジュールがタイトだったので大変は大変だったんですけど、基本的に、俳優はスタッフの方達が作ってくれた現場で芝居するだけなので。周りの苦労に支えられて我々がいるっていうのは、こういう忙しい現場になるとより感じますね。

剛力:感染対策をしないといけないので、スタッフさんひとりの仕事が増えていくんですよね。本当に助けられたなと思います。それに、三浦さんがいつも変わらないでいてくれるので、すごくありがたかったです。

剛力彩芽と三浦貴大が思う俳優としてのお互いの魅力とは?
剛力彩芽と三浦貴大が思う俳優としてのお互いの魅力とは?

――俳優としてのお互いの魅力を聞かせてください。

三浦:やっぱり存在感じゃないですかね。芸歴何年ですか?

剛力:……18年とか?

三浦:僕が芸能界に入る前からテレビに出ていらっしゃって、画面を見ていてもやっぱり目を引くし。それって一番必要なことで、いろいろな俳優がほしいと思っている。それを持っている方なんだなって思います。

剛力:ありがとうございます。あはは、この距離で言われると照れますね(笑)。でも、それを言ったら三浦さんも存在感がすごくて。前の現場で、私も役作りについて聞いたんですよ。そしたら「本当に何も考えてない」って。でも、俳優としては作り込まないとできない役もあるし、監督の意図や台本の意味が読み取れないこともあるわけじゃないですか。訓練してできるものではないので、それをすんなりできるっていうのは、さすがだなぁと思いました。お芝居している時も、普段の時も、フラットでいられるのはすごいなと思います。

三浦貴大
三浦貴大

――ドラマでは彼女の“ウラ世界”が描かれますが、ご自身が思う“自分のウラの顔”を教えてください。

三浦:僕はよく「スポーツが好きそう」って言われるんですけど、すっっっごい嫌いです(笑)。

剛力:ちっちゃい“っ”がいっぱい入ってましたね(笑)。

三浦:苦手とかじゃないの。すっっっごい嫌い(笑)。観るのは大好きなんですけど、やるのは本当に嫌いで。じゃあなんで体育大なんだっていう話なんですけどね。

剛力:完全にそのイメージですもんね(笑)。私はよく、初対面の人に「(知り合いから)いい子って聞いています」って言われるんですけど、いい子じゃないです(笑)。

三浦:えーっと、いい子じゃないっていうのは……?

剛力:「いい子ってなんだ」という話だし、「いい子じゃない」って言うのもあれなんですけど(笑)。でも、一時期「いい子でいなきゃ」と思っていた時期がありました。ちょっとでも変な態度をとっちゃいけないとか、自分で自分にプレッシャーをかけちゃっていた時期があったんです。実際は、怒る時は怒るし、不機嫌な時は不機嫌だし、現場でもイラッとする時はするし(笑)。葛藤がありましたね。

――その葛藤は、どう乗り越えたんですか?

剛力:「いい子」というのは周りが決めることなので、自分は自分らしくいるしかないなと思うようになりました。ある時、スッと抜けた瞬間があったんですよね。「いい子」と言われているからって、いい子でいる必要はないんだって。それでも「いい子」と言ってもらえるなら、素直に「ありがとう」と受け取ればいいんだなと思うようになりました。

三浦:いい子と悪い子の定義って難しいな(笑)。

剛力:そうなんですよ。一時期、髪のインナーカラーを染めて「私は悪い子だ」と言ってたことがあって(笑)。そこからインナーカラーを染め始めたんです、私(笑)。

三浦:やっぱり髪型から入るんだね(笑)。

剛力彩芽
剛力彩芽

――(笑)。今回は男性目線、女性目線で物語が描かれていますが、おふたりが生まれ変わるなら男性、女性のどちらがいいですか?

剛力:私は、剛力家に生まれることができればどっちでもいいです。家族が大好きなので。

三浦:僕は男かなぁ。女性って大変だなと思うんですよ。体のこととか、あとは人間関係?(笑)。

剛力:たしかに、ちょっとめんどうくさいなと思うことはある(笑)。

三浦:あとは化粧? 朝、ヒゲを剃ってコンタクトレンズを入れる10分間ですら、「これがなければ10分寝れるよな」とか思っちゃうから。

剛力:でも、10分でメイクできる人もいるから。速い人は速いよ~(笑)。

三浦:女性は10分でメイクできるようになるまでの努力とかもあるわけですよ。だから尊敬はしているけど、やっぱり男がいいかな。ラクして生きたいです(笑)。

――ありがとうございます(笑)。では、最後にドラマの見どころとメッセージをお願いします。

三浦:見どころって難しいんだよなぁ、全話見てくれないと困るから(笑)。

剛力:たしかに(笑)。でも、敏郎の名言じゃないですか? 迷言かもしれないですけど(笑)。明子の台詞も含め、ドキッとさせられる言葉が毎回あるんじゃないかと思いますね。

三浦:あとは<TOSHIRO SIDE><AKIKO SIDE>、両方見ないと本当に話がわからないと思います。だから、全話ちゃんと見てください。一話が短いので、見やすいと思いますし。

剛力:そうですね。その時間を私たちにもらえたら。

三浦:そうだ、最後にこれだけは言っておかないと。敏郎のことは嫌いになっても、僕のことは嫌いにならないでください!

剛力:あはは、どこかで聞いたことがある(笑)。でも、“三浦貴大がヤバいヤツ”と思われたら困りますからね。そういうことで、よろしくお願いします(笑)。

(取材・撮影:勝浦阿津希)

衣装協力/OSEWAYA、CHERRY BROWN、BELLE、BRAND SELECT
津野真吾(impiger)

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