総額17億円…深刻化するトドの被害に80歳ハンターが立ち上がる

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2月7日(日)23時放送の『情熱大陸』(MBS/TBS系ネット)では、トド猟師として51年になる俵静夫(80歳)に密着する。

北海道は宗谷岬の北西に位置する礼文島。この島では、3千年も前から行われているにも関わらず、一般的に知られていない猟が存在する。狩猟といえば、山奥で鹿や猪、鳥を仕留めることを想像しがちだが、この地で行われている猟は、大きいもので全長340cm、体重1トンを超える“トド”が獲物。野菜や味噌と共に煮込むトド汁や、カレーの具材として食べられるトド肉は、島ではとても重宝されている。

縄文時代から続いているとされるこの猟で、今なお現役の俵は、夏場は“漁”師として魚貝や海藻を採り、11月から3月にはトド“猟”師として生きている。獲物を探して船を操り、追い詰め仕留めるという一連の動作を全て一人でこなす名人芸の持ち主だ。さらに、岩場に停まるトドでなく、水中を逃げるトドを狙う難易度の高い水撃ちを得意としている。

だが近年、大食漢のトドがニシンなどの貴重な魚を食し漁具を破壊するといった漁業被害が深刻化。2015年には約17億円もの損害が出ており(水産庁発表)、駆除が強化されている。そんな状況で唯一頼りにされているのが、“最後のトド猟師”と呼ばれている孤高の老ハンター・俵だ。老体にムチ打ち、傘寿を過ぎても海に出て過酷な猟に挑む俵の信念とは。

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