池松壮亮「表と裏の顔が違う人が大好き」『デスノートLNW』竜崎の魅力とは

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【池松少年も感じていた「デスノート」の一大ムーブメントを語る】

――三つ巴の争奪戦が繰り広げられる本作ですが、メインキャスト3人の中で、池松さんはどのような立ち位置だと感じましたか?

時代の流れもあると思うのですが、三つ巴の構図になったこともすごく納得できます。それは10年前よりタレント力だ、役者力だっていうのがきっと落ちついていると思います。テレビを付ければ主演を一人で担ぐっていう流れはもうなくなってきています。なので、みんなが常に群像で何をするかっていう時代になってきたような気がするんですね。3人になった時も「なるほど」と思いましたし、だからこそやれることがきっとあるんじゃないかと。きっと他の2人もそれぞれの役を全うするでしょうし、僕も純粋に竜崎という役を全うしつつも、多少バランスなどは考えましたね。

――竜崎と三島が2人でいる時と、そこに紫苑を含めた3人でいる時のキャラクターの見え方や、人間性の伝わり方が本作の見どころの一つになっていたと思いますが……

僕らは現場でやるべきことはやりますけど、そこが作品に使われようが使われまいが、撮影が終わったら正直僕には関係なくなります。それは、どう料理(編集)していただいても構いませんという風に思っているんですけど、想像以上に後半の芝居が展開していくものになっていました。そこにちゃんと監督と俳優陣のパワーのどちらも乗っていたし、前作からさらにパワーアップした重み、一人ひとりの重みだったり、命の重みだったり、映画の重みだったりというのがプラスされていた気がしています。現場を離れてみて、一人の観客になってみて、純粋にいいなと思いました。

――前作の公開が10年前ですが、その頃の池松さんは何をされていましたか?

当時は、まだ福岡にいて田舎者でした(笑)。でも、日本中にムーブメントが起きていることは田舎者の僕でも感じましたし、「デスノート」という言葉は誰からも聞く、みんなの共通言語になっているということは、池松少年も感じていましたね。

――ムーブメントを感じた印象的な出来事はありますか?

先日、オリジナルドラマの撮影で香港に行ったんですね。香港の知らないおばちゃんもデスノートのことを知っていて、酔っぱらって「今デスノート撮ってるんだ」って言ったら、「デスノートか!」みたいになって、すげえなって思いました。改めて、「デスノート」という言葉一つで分かり合えるのって、「ゴジラ」以来あったのかなと思って、すごくぞくぞくしました。

――ありがとうございます。最後に、作品の見どころや視聴者へのメッセージをお願いします!

すごく良い意味で、もう引き返せないところまで来ています。撮影前に公式サイトで「(事務所の先輩の)松山ケンイチさんの作り出した歴史に残るLという凄いキャラクターを継承しつつ、やるからにははるかに凌駕するつもりで頑張ります。駄目だったらネットで叩いて下さい」とコメントした時もそうでしたけど、やると決めたからには越える意志と、竜崎としての意志を表示しないといけないなと思ってくそ生意気なことを書いてしまいました。しかし、今でも気持ちは変わらないですし、それは出来上がった作品を見た今もなおさら思いますし、それぐらいのことをやらせてもらったと思っています。身内びいきではないですけど、本当に10年間でいろんなことが進化していて、映画としてのレベルがかなり上がっていると感じました。あまり自分の作品を「面白い、面白い」と言いたくないのですけど、とにかく自信はあるので、僕も含め作ってきた人たちと、このまま胸を張って初日を迎えられたらと思っています。

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