ワンコインで味わえる家庭料理と生ホッピー! 懐かしくて温かい街の居酒屋さん

公開: 更新: テレ東プラス

ライターA子、三十ウン歳。仕事もプライベートも、なんとなく中途半端で、最近行き詰まり気味。お酒を飲んで気分転換をしたいけれど、実は、ひとりでお酒を飲みに行ったことがないのです。ここはひとつ、ひとり酒にチャレンジして新しい世界を開拓したい!

「ぷしゅー」でおなじみOLワカコが"ひとり酒"を楽しむ人気ドラマシリーズ最新作「ワカコ酒 Season4」が、BSテレ東にて毎週月曜深夜0時から放送中。ヒロイン・ワカコの飲みっぷり、食べっぷりは、癒し効果バツグン!

「テレ東プラス」では、ワカコの訪れた店を実際にリポートする「12人のワカコ」を連載中。今回は、ドラマ第3夜でワカコが"厚切りハムカツ"の厚さに驚いた「宝泉」へ。初めてのひとり酒、ドキドキしますね......。

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お花見の名所・飛鳥山公園が近いJR京浜東北・根岸線、東京メトロ南北線の王子駅。飛鳥山公園とは反対側の北口から歩いて約5分。庶民的な飲食店街を抜けると、こじんまりとした店構えに「宝泉」の看板が。

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勇気を出して引き戸を開ける。壁いっぱいに張りめぐらされた手書きのメニュー。コの字になった2カ所のカウンターに、合わせて40席ほどの座席。店に入った途端、なんだか懐かしさに包まれる。

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迎えてくれた大将は、濱嘉孝さん。40年前に父親が脱サラし、母親と二人で苦労して築いた店を、2代目として引き継いだ大将。飲食店でアルバイトをしながら、料理のレシピを学んだとか。「お店を引き継ぐつもりもなかったんですけど、結局行き着いちゃったって感じです。もう25~6年になりますかね」と笑う濱さん。長年の家族経営で、お店がアットホームな雰囲気なのも納得。

特徴的な左右2つのカウンターは「開店当時、炉端焼きが流行っていたらしくて、親父がこの形にしたみたいです。カウンター2つにそれぞれ1人ずつ、あとは厨房に1人いれば、3人で回せるんですよ。お勘定もやりやすいですし。あと、お皿の種類で料理の値段が分かるようになってます」とのこと。少人数で切り盛りできる工夫から生まれたものが、今ではこのお店の味わいを深めている。

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まずは、ワカコもその厚さに驚いた"厚切りハムカツ"をいただくことに。開店当初からの人気メニューで、試行錯誤の末にたどり着いたハムを生パン粉で揚げた一品。

これ、ハムカツ!?

1cmを超える厚さで食べ応え十分、それでいてサクッと食べやすい。

ハムカツと言えばソースを付けるものだが、これは何も付けないで食べるのがオススメとのこと。食べてみると確かに、厚みがあるからこそ、ハムの味で十分おいしい。

ちなみに、こだわりの厚みは「開店当時にいた板前さんから続いている厚みです。肉が高い頃の代替品にしていたんですね。店で切っているので、厚みはまちまちだったりするのですが(笑)」。

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お酒は、大将オススメの"生ホッピー"を注文。

生ホッピーとは、生ビールのように樽サーバーから注ぐホッピーのことで、きめ細やかな泡が味わえる。今は飲める店が少ないそうで、「宝泉」ではちょっと濃いめで提供している。

「最初、(分量が)わからずに作っていたのが他の店より濃かったみたいで。常連さんにもそれで飲んでいただくようになって、今更変えられなくなっちゃって(笑)」とのこと。この生ホッピー目当てのお客さんも多い。

では生ホッピー、いただきます......あら? 濃いはずなのに、グイッといけちゃう。ハムカツをガブリとかじって、さらに生ホッピーを一口。お酒が体に染み渡る感覚って、こんなに気持ちいいんだなぁ。

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そして、この"やわりめ"という耳慣れない名前のおつまみが、また絶品。おなじみ"あたりめ"にひと手間加えたオリジナルメニューだ。

「年配のお客様も増えて、あたりめは固いので、お湯に浸けて柔らかくしていたのが始まりなんですけど。どうせならということで、味を漬け込んで柔らかくしてからあぶったものなんです」と濱さん。お客さんの「やわらかくした"あたりめ"なら、"やわりめ"だね」の言葉からオリジナルで命名したのだとか。

名前の通り、やわらかくて、噛み締めると味が口の中に広がる! これまた、お酒がすすんじゃうヤツだ~。生ホッピーもう1杯!  ただし、このお店の生ホッピーは濃い目のため酔い過ぎないよう「3杯まで」と大将。

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関東風の"おでん"は、がんも、大根、ちくわ、ゴボウ巻き、コンニャクの5品セットで450円。玉子、ちくわぶはそれぞれ100円、牛すじは160円の追加で食べられる。味付けは出汁と醤油で、具にはしっかり味が染みている(花見時期までのメニュー)。

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豊富なメニューは、500円以内のものばかり。お財布にもやさしいから、ついつい、いろいろ頼みたくなる。できる限り、価格を抑えてくれているのが、うれしい。

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おつまみだけでなく、お腹を満たしてくれるメニューも豊富。ポテトサラダ、コロッケ、こちら週代わりのオススメメニューのグラタンも手作り。

「料理は、なるべく手作りで自分が納得できるもので、基本的に、ご飯のおかずになるものにしています。こだわりはそれぐらいで、本当に普通の、町の居酒屋なんですよ。仕事帰りに、気軽に寄っていただければ」と濱さん。

ちなみに、メニューの数は「全部で何品あるのか、考えたこともないです(笑)」と。

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サラリーマンが夕食がてら立ち寄る場合が多く、女性客も増えているとのこと。最近は、ワカコのように女性のひとり酒や、何人かでの女子会なども多いそう。

店内にはキープされたボトルがずらりと並び、常連さんも多いことがうかがえる。きっと、地元の皆さんのオアシスになっているんだろうな。

呑んべえなら通いたくなること間違いナシのお店を営みながら、なんと濱さんは下戸! 先代も同じく下戸だったそうで「自分も一緒に飲んじゃったりすることもないから、逆にいいみたいですよ(笑)。ただ、お酒の味が分からないので、常連さんに飲んでもらって『どう?』って聞いてみたりします」と濱さん。

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お店は、大将、お母さん、3代目を継ぐ予定の甥っ子さん、女性店員さんの4人で切り盛り。みなさん、気さくで温かい。
アムロ(安室奈美恵)ちゃんの大ファンの女性店員さんと、ついついおしゃべりが弾んじゃう。もう一杯飲みたくなってきた~!

アムロちゃんファンの店員さんオススメのお酒"バイスサワー"を頼んじゃう!

しその香りのするピンク色のかわいいお酒"バイスサワー"は、さっぱりしていて女性に人気。"バイス"とは梅酢のことだそうで、よくある"梅サワー""梅干サワー"とは全く違う味わい。「幻の飲み物」と呼ぶ人もいるレアなお酒なので、ここで飲めるのはうれしい!

すっかりくつろいでいると、濱さんのお母さんが「この席(入口付近の席)は寒いでしょ?」と、ひざ掛けを貸してくださいました。細やかな心遣いがうれしい! 長年、店を切り盛りしてきた、その包容力をひしひしと感じさせてくれる女将さんだ。

そうこうするうちに、常連さんが次々と来店する。「しょっちゅう来てるのよ。一時は毎日のようにね(笑)」と、おひとりさまの女性客。懐かしくて、温かくて、居心地良いからこそ、なんだろうなぁ。


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ぷしゅ~! 日頃、そんなにお酒を飲まない私が、いつの間にやら3杯も......。ゆっくりと家庭的な料理を味わいながら、お店の人とおしゃべりも楽しめる。ひとり酒ってこんなに楽しいものなんだぁ~。ちょっとクセになりそう。

ライターA子、三十ウン歳。私にとっての女ひとり酒の醍醐味は「未知の自分との出会いにときめく」!

【取材協力】
宝泉
住所:東京都北区王子1-19-10
営業時間:平日17:00~23:00
土曜日17:00~22:00
定休日:日・祝日

商店街で自由気ままに飲み歩き

次回1月28日(月)の放送は...?

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昼休み、雑誌の商店街特集を熟読するワカコ(武田梨奈)。次の休みに早速、自由気ままな飲み歩き。向かったのは中野の川島商店街。ぶらぶらしながら最初に入ったのはカメラが飾ってあるお店。とりあえず、冷やしトマトとサワーでひんやり。続いて鶏わさと芋焼酎を...。和菓子屋さんでお土産をゲットしたワカコはレトロなバルへ。ハイボールとごま塩キャベツをオーダー。夕暮れ時にはハイボールが似つかわしい。〆のもう一品は...?

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