本田翼「とても覚悟がいる作品だった」亀梨和也主演『東野圭吾 手紙』で初の母親役

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亀梨和也さんを主演に迎えたドラマスペシャル『東野圭吾 手紙』(テレビ東京系)が、12月19日(水)21時から放送される。

本作は、これまで映画化や舞台化されている東野圭吾さんの大ベストセラー小説を原作とし、犯罪加害者の弟となってしまった主人公・竹島直貴(亀梨)が、周囲からの差別や偏見に苦しみながらも、自分の家族をもつまでの軌跡を、兄弟の手紙を通して描いたヒューマンストーリー。

本作で、直貴と仕事先で知り合い、その実直な生き方を応援し、のちに妻となる女性・白石由実子を演じたのが本田翼さんだ。とても重いテーマが内在される原作を読んでいただけに「参加することに覚悟が必要だった」と語る本田さんに、作品への思いを伺った。

――出演のお話をいただく前から、原作を読んでいたとお聞きしましたが、どんな読後感でしたか?

正直、読み終わったあとスッキリする作品ではなかったです。もし自分の周りに犯罪加害者家族がいたら、絶対に偏見なく接することができるのだろうかとか、色々なことを考えました。

――そんな作品に参加すると決まったときのお気持ちは?

ドラマでやるとお聞きし、私が演じる役柄もどんな人物であるかは、把握していたので参加することに、とても覚悟がいる作品だと感じました。

――映画版の『手紙』が公開されてから12年。ネットやSNSの普及など、当時とは違う時代設定が随所にみられました。

SNSで情報が広がってしまう場面など、いまっぽい設定ですよね。でも放送後、SNS上ではいろいろな意見が飛び交いそうですね。「偏見で人を見るな!」と言う人もいれば、それに対して「きれいごと」と言う人もいるだろうし……。さまざまな意見が出ると思いますが、この作品を通じて、皆さんが考えるきっかけになればいいなと思っています。

――由実子という人物は作品のなかで、唯一の救いとなる存在のように感じられますが、どういった気持ちで役柄に臨んだのでしょうか?

(メガホンをとった)深川(栄洋)監督とはディスカッションをしました。台本を読んだ段階で、私はツンツンしている女の子かなと思ったのですが、監督と話しているうちに「つらい経験があったからこそ、人への愛に満ち溢れている女性なんだよな」という解釈になりました。おっしゃるとおり、作品にとって由実子は唯一の太陽のような存在なのかなと思っていたので、希望に満ち溢れた女性像になればいいなという気持ちで演じました。

――深川監督ならではの色が出ていたような気がします。

私は深川組が(Webドラマ『チェイス』以来)2回目なのですが、なかなかカットがかからないとか、監督独特の撮り方がわかっていたので、楽しみながら撮影ができました。

――登場人物それぞれに感情移入できたり、反感をもったりする部分がありますが、ご自身で演じた役柄を除いて、本田さんが一番感情移入できるキャラクターはいますか?

広瀬アリスちゃんが演じた直貴の恋人役の気持ちはわかるなぁと思っていました。彼が犯罪者の弟と知ってしまったときの心の揺れなど「もし自分がその立場だったら」と深く考えちゃいました。彼女の気持ちはとても理解できました。

――劇中では母親役を演じていましたが、母親役は初めてなんですね。

そうなんです。しかも赤ん坊の母親だったら、私自身も新米ママ感が出せたと思うのですが、6歳の子の母親なので「しっかり子育てしてきました感」がどうやったら出せるんだろうということは悩みました。でも皆さんに観ていただきたいのは“家族の絆”だと思ったので、直貴の家族がどうやって生きているのかという部分をしっかり表現しようと心掛けました。

――旦那さん役の亀梨さんとはどんなコミュニケーションをとったのですか?

亀梨さんと直貴は真逆の雰囲気の印象だったので、お芝居に入ると直貴になるんです。役として困ったことは一切なかったです。空き時間には積極的にコミュニケーションをとるなどして、とても良い信頼関係が築けたと思います。

――本田さんにとってこういう作品に参加したことはどんな意味がありましたか?

正解や希望が見えないなか、しっかり物事を考えることができた作品なので、自分にとっては成長の一歩になる取り組みだったと思いました。

(取材・文:磯部正和)

■ドラマスペシャル 「東野圭吾 手紙」(テレビ東京系)
2018年12月19日(水)21時~放送

<出演>
亀梨和也 佐藤隆太 本田翼 
広瀬アリス 中村倫也 高橋努 眞島秀和 西田尚美 
渡辺いっけい 田中哲司 榎木孝明 小日向文世 
<監督>
深川栄洋 
<脚本>
池田奈津子
<Twitter>
@tegami_tx
<Instagram>
@tegamitvtokyo

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