鈴木京香、瀬戸康史との“歳の差恋愛”を「佇まいで魅了してくれた」

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テレビ東京系列にて4月5日(水)21時より「ドラマ特別企画 大沢在昌サスペンス『冬芽の人』」が放送される。

ハードボイルド小説『新宿鮫』などで知られる直木賞作家・大沢在昌による同名小説を、初めてドラマ化した本作。殺人事件の捜査中に同僚を死なせてしまい、刑事を辞めた主人公・牧しずり(鈴木京香)が、その同僚の息子・仲本岬人(瀬戸康史)と出逢い、過去に隠された衝撃的な真実に迫っていく“至高のエンターテインメント”となっている。

この度、鈴木と瀬戸が取材に応じ、作品の見どころや、演じる役柄、そして物語のもう1つの見どころ「歳の差恋愛」についても自身の意見を踏まえて語ってくれた。

――演じてみていかがでしたか?

鈴木:しずりは、今までやったことのない役柄でした。同じ女性として、支えてあげたくなるような「そんなに自分を責めなくて良いんだよ」と言ってあげたくなるような。彼女をもっと朗らかになる道を目指すように、気持ちを変えていけるように、しずりのことばかりを考えていた撮影期間でした。新しい仕事の取り組み方を彼女から教わったような気がしているので、このドラマに出させていただいて本当にありがたいなと思っております。色んなことを改めて考えさせてもらえる役で、演じていてとても楽しかったです。

瀬戸:僕もずっとしずりさんのことを考えていました。それくらい岬人という役は自分の気持ちに正直で、真っすぐなやつです。僕自身、普段生活している上で周りの目が気になり、「どう見られているんだろう」と考えながら生きているのですが、自分に正直に、嘘なく生きる道もあるんだなと感じました。その方が自分の気持ちも楽になり、相手にちゃんと伝わったりするもんなんだなと、岬人を演じてみて思いました。

――2人は惹かれ合っていく役柄ですが、演じてみて気付いたお互いの魅力は?

鈴木:あまりにも歳が離れていて、そんな岬人に慕われるような女性にできるだろうかと迷いや不安はありました。ですが、実際にご一緒して現場でセリフを交わしてみると、岬人を演じている瀬戸さんがしっかり男らしく気持ちを表現してくれて、しずりと同じような気持ちでいれたので、それがとてもありがたかったです。良いコンビとして、人間同士尊重し合えるしずりと岬人になれたんじゃないかなと思います。

瀬戸:僕がすんなり岬人という役、そして現場に入り込めたのは京香さんのおかげです。初めてご一緒させていただいたのですが、京香さんはしずりさんとは真逆と言っていいほど、プラスのエネルギーに溢れている方だなという印象を持ちました。僕は舞台の仕事とこの撮影が被っていて、体力的にも精神的にもヤバい時があったのですが、京香さんに会ったことで元気をもらえて、すごく不思議な感じでしたね。

――瀬戸さん自身、年上の女性はいかがですか?

瀬戸:僕は年上の女性の方が好きなんです。でも、年齢にかかわらず年下だったとしても、品があったり、どこか落ち着きがある女性に惹かれがちです。

――鈴木さんは、年下男性との恋愛を演じてみていかがでしたか?

鈴木:親子ほど年が離れている男性に「気になる」とか「心配」と思わせなければいけない。しずりは女性としての力みたいなものを放棄してしまった女性なので、それはすごく難しかったです。だけど、そんな男性に対して素直に心を開いていけるまでの過程を演じることは面白かったです。瀬戸さんは、佇まいでしずりを魅了してくれました。

――撮影現場の雰囲気を教えてください。

鈴木:すごく寒かったので、それを必死に励まし合いながら耐えました。沖縄に見立てて、大洗で海のシーンを撮影したのですが、スタッフさんが波に飲まれそうになっているのを見て、「寒い寒い」とも言ってられないなと思いました。スタッフ皆さんの頑張りに感謝です。

瀬戸:京香さんと他愛もない話をさせていただきました。僕の(事務所の)後輩に堀井新太というやつがいるんですけど、堀井と京香さんは仲が良いらしくて、それに僕はずっと嫉妬している(笑)。堀井とはごはんに行っているのに、僕とはまだ行ってくれてない……。

鈴木:行きましょ、行きましょ(笑)! 堀井くんとは舞台で3カ月近くずっと一緒に過ごしたので。

瀬戸:僕はその距離まで縮められてないんですね(笑)

――今回、本格的なアクションシーンを演じた鈴木さん。準備したことなどはありますか?

鈴木:走ったり銃をかまえたりするシーンは、立ち回りの指導の方に見ていただきました。日ごろジムに行っているので、走るのには自信があったのですが、ハイヒールで走るのはやはり大変でしたね。私が昔から憧れている『グロリア』という映画がありまして、その主人公に近い役をいただけたのではと私の中で思っております。銃の撃ち合いになり、それを私が回転して避けて物陰に隠れ、なお撃つとか……『グロリア』以上のアクションじゃないかな(笑)。ガードを付けていたのですが、膝や肘にアザができてしまっていて、慣れてないから、気を付けていても当てたりしているんだなと驚きました。私みたいなぼんやりしたタヌキ顔の女に、こんなハードボイルドな役を与えてくださったことを感謝しています。

――瀬戸さんにはアクションシーンはあったのでしょうか?

瀬戸:アクション的な動きはないですけど、心はものすごく動いています。繊細さとか、ふとした表情が見どころですね。セリフのないところを大事にしました。

――鈴木さんはテレビ東京初主演ですが、テレビ東京らしさを感じた部分はありますか?

鈴木:じっくり腰を据えて良いものを撮ろうという意識が浸透している現場だと思いました。私ほどの年齢だと、なかなかアクションがあるようなドラマには出させていただけないので、本当に良い経験をさせていただきました。

――瀬戸さんは久しぶりのテレビ東京出演。戻ってきた感覚はありますか?

瀬戸:今日、間違って神谷町のテレビ東京に行ってしまったんです(2016年11月に六本木一丁目に移転)。そしたら工事していて、「あれ? ドッキリかな?」と思いました(笑)。あの懐かしいテレビ東京はなくなってしまったんですね……。なので、テレビ東京が新しくなって次へ進むように、もうすぐ僕も30歳なので、役者としてさらに進歩していければ良いなと思っています。

――最後に、見どころを教えてください

鈴木:目に見ている悪ではなくて、遠くから操るという形でなされる悪行というものがこれから増えていくのかもしれないと感じました。2時間のサスペンスドラマとは違う話の流れになっております。

瀬戸:サスペンスっぽくないなと僕は感じました。要素はもちろんあるんですけれど、それとはまた違った要素が入り込んでいくことで、より複雑になっていく。ただの事件ものではない、面白い作品です。

[あらすじ]元刑事の牧しずりは、かつての同僚・前田光介(渡部篤郎)の墓前で彼の息子・岬人に出会う。前田は強盗殺人事件の捜査中に、しずりをかばって負った怪我がもとで亡くなった。以来彼女は罪の意識から周囲の人との関わりを絶ち、心を閉ざしている。そんな中父の死の経緯を知ろうと近づいてきた岬人から、過去の事件に関わる意外な情報がもたらされた。しずりの脳裏にはある疑念が浮かぶ。「あの事件は、実は仕組まれたものだったのではないか……?」自分の中で止まっていた人生の歯車が新たな時を刻み始める。

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