――戸田さんの出演シーンでは、渋谷川を挟んで、ずぶ濡れになりながらゲイツと対峙するシーンが印象的でした。
あのシーンの撮影は本当に大変でした。渋谷川がとてもヌメヌメしていたので、正直言って「よりによってなんでそこで?」とも思いました(笑)。でも、水の冷たさが良い作用を起こし、体に緊張感のような負荷を与えることができました。
――ゲイツと吉野が一番絡んでいるシーンでしたね。
はい。渋谷川に降りた後、光の当たる場所にいる吉野と闇の中にいるゲイツが会話をするシーンがあります。私は生田さんの顔が見えないのに、彼の声を聞いただけで、苦しさ、悲しさ、弱さ、そういう葛藤のすべてが感じられたんです。いろいろなものが混ざった声をしていて、あれはグッときましたね。
――作品全体を通して、一番印象的だったのはどのシーンですか?
シンブンシのメンバーが、たわいもない話を楽しげにしているシーンがとても印象的でした。最初は自分が出演している警察のシーンしか見ていなかったので、全体的にスリリングな作品だと思っていました。なので、シンブンシたちの群像劇を見た時は驚きましたし、大きなギャップを感じました。
――シンブンシたちは社会を震撼させる事件をいくつも起こすほど、あることへの思いが強かったわけですが、戸田さん自身が人生をかけられるほど思い入れがあるものって何でしょうか?
家族は絶対的な存在で、守らなければいけない人たちだと思っています。もっと趣味的なものでいうと、スキューバダイビングが大好きです。暖かい時期だったら必ず海に行ってダイビングをします。
――最近ではいつ行かれましたか?
去年の7月、石垣島に行きました。去年はマネージャーさんに「ごめん、今年はまとまった休みが取れない」と言われていたのですが、「エイプリールフールズ」の撮影が終わった翌日から一週間、強行突破してしまいました(笑)。ダイビングは最高に楽しいし、一番リフレッシュできることですね。大好きな時間です。
――では、映画を楽しみにしている方々にメッセージを!
今の社会にはいろいろなことを諦めている若者が多い気がします。彼らに「ここから頑張らなくてはいけないよね、そんな世界を変えようね」というエールを送っている作品なので、ぜひその力強さを感じていただきたいです。これからの社会を作るのは私たち若い世代だと思うので、頑張る勇気や強さが、この作品を通して伝わればいいなと切に願っています。