ハイカライケメンの街、神戸の秘密のあんこメニュー「あん食」がこんなに地味でいいのか

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2月22日放送の「秘密のケンミンSHOW」は「秘密のあんこ祭り」。山形県庄内地方の「いとこ煮」、熊本県の「いきなり団子」とともに、神戸市民が愛するという「あん食」が紹介された。

「あん食」とは「あんこ入り食パン」のこと。そう聞くと、ちょっとどうなんだろう?とひるんでしまう。だってあんこでしょ?食パンでしょ?何か特別なおいしさがあるように思えない。そこいら中に「あんパン」が売られているのに、パンが食パンになることがどういう発明なのかと思ってしまう。なんだか地味だ。

それに神戸といえばつい先週紹介したイケメンタウンだ。あのさりげなくシックなおしゃれ服を着こなすメンズが「あんこ入り食パン」を頬張るというのか。なんだか幻滅しちゃうんじゃないか。

番組に登場したのはまさしく食パンの中にあんこが練り込まれた物体。黒いあんこが渦巻き状に入った状態で焼かれた食パンだ。なんというか、食パンにあんこを塗ればほぼ同じ味になるんじゃなかろうか。

どうやら食パンだけにトーストしてバターをつけて食べるのが定番らしい。と言われるとちょっとおいしそうに思えてくる。「パン=洋」+「あんこ=和」+「バター=洋」という洋和洋の組み合わせも神戸らしく思えてきた。そう、洋のいいところをとりこんで和と合わせる。あのイケメンたちとおなじ組成でできているのだ。

街を歩く神戸市民に聞いても「地味」とか「神戸っぽくもない」と決して褒めないが、でも好きだと言う。華やかでもないがどこかハイカラな感じもないでもないのが、神戸なのかもしれない。売ってるお店も「トミーズ」という名前でカタカナだけど地味、漫才コンビの顔しか思い浮かばない、そこがまたいいのかもしれない。

トミーズ社長・菊池浩史さんによるとあん食は、先代社長、お父様が27年前に作ったもので、食パンにあんこをつけて食べていたお客さんから、「あんこをつけるのがめんどくさいから最初からあんこを入れて作ってくれ」と言われたのと、別のお客さんから「子どもがパンの耳を残さず食べてくれる食パン作ってくれ」と言われて、両方のニーズを満たすべく生まれたものだという。なんだかあんまり大した由来じゃないのがいかにもあん食らしい。

とあまりやる気なく書いているようだが、ひとつ言えるのは、このあん食はおいしい!実はつい先日、神戸に行った友人が買って来てくれたのだ。なんとなく食べてみたら、おいしい!絶妙な味わいだった。

おいしい。話はそれだけだが、機会があったら食べてみたらいいと思う。あんパンとはやっぱり違うのだ。私も次回は、トーストしてバターをつけて食べてみたい。

【文:境 治】

提供:読みテレ

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