生田斗真&吉瀬美智子、夫婦役を演じて感じた“理想の家庭”「こんなふうに支えてもらったら…」『書けないッ!?』インタビュー

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生田斗真さんと吉瀬美智子さんが出演するホームコメディドラマ『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』(テレビ朝日系、毎週土曜23:30~※初回23:00~1時間スペシャル)が、1月16日にスタートします。

売れない脚本家兼主夫・吉丸圭佑(生田)のもとに、連続ドラマ脚本執筆のオファーが舞い込むところから物語が展開する本作。テレビ局側から無理難題を押し付けられる圭佑を支えるのは、ベストセラー小説家で一家の大黒柱でもある奈美(吉瀬)。立場は違えど、お互いをリスペクトしあう凸凹夫婦の奮闘と、2人の子供である絵里花(山田杏奈)と空(潤浩)を含めた4人の家族愛を描きます。

今回、2008年放送の『魔王』(TBS系)以来の共演となる2人に、ドラマのことはもちろん、コロナ禍での心情や夫婦観について語っていただきました。

――まずは脚本を読んでの感想をお聞かせください。

生田:(脚本を担当した)福田靖さんの脚本家人生を投影したようなお話なので、いわゆる職業モノというよりは、ある売れない脚本家のもとに、とんでもない仕事が舞い込んできて、家庭がてんてこまいになっていく。それによって、いろんなものが前に進み始めたり、家族の仲が良くなったり悪くなったり……温かく優しい気持ちになるドラマだと思いました。この時間帯としては、とっても見やすくて、楽しいドラマになるんじゃないかなと思います。

吉瀬:“すごく面白い”というのが率直な意見です。ドラマを作っていく中でも、裏の話ってあまり知らなくて、脚本家と小説家の違いも明確に分からなかったんですよ。この本を読んでみると、しっかり説明されているから、こういう仕事に携わりたい人の参考にもなるし、作り手の作品としても面白いなって思います。勉強になることが多かったですね(笑)。

――13年ぶりの共演となりますが、お互いの印象を教えてください。

生田:僕たちは2008年に『魔王』(TBS系)というドラマで共演していて、そのときから“お綺麗なのに気さくなお姉さん”っていう印象を持っていました。久しぶりにお会いして、それが変わっていなかったのが嬉しかったし、現場でもフラットで気取っていなくて、見た目とは裏腹に、かわいらしい部分もあって、そういうのが家族のエネルギーになっている感じがします。

吉瀬:年は違うんですけど、すごく経験が豊富だし、しっかりしているんですよ~。

生田:あははは(笑)。

吉瀬:久しぶりに会ったんですけど「みっちゃん」って呼んでくれるから(笑)。年は私が上だけど、斗真くんの方が上のような感じです。自分が迷惑をかけつつも、いつも「大丈夫」って言ってくれるから、本当に安心できる現場っていうか……(生田さんは作品の)数をこなしていてすごいんですよ!

生田:そんなことないですよ(笑)。

吉瀬:今回本当に斗真くんで良かったと思う。現場が癒されるし、家族も仲いいし、すごく和気あいあいとした現場です。

――台本を読ませていただくと、ト書き(行動や演出の説明や指定)が少なく、会話が魅力の本だと感じました。実際のやりとりはどんなテンポになるのですか?

生田:家族のシーンをたくさん撮ったんですけど、本当にテンポがいいので、一瞬乗り遅れると置いていかれちゃうっていう感じがしました。なので、いい緊張感と和気あいあいとした空気が混在する感じっていうのかな? 子供たちはいつもリラックスしているし、俳優さんとしてすごく優れた2人なので、みんなでひとつの家庭の空気を作っている感覚です。

吉瀬:本当に(生田さんが)おっしゃっているとおりで、乗り遅れるっていうか……乗り遅れちゃったんですけど(笑)。あせっちゃうくらいテンポがよくて。そこが面白さでもあるので、必死についていっています。

――実際に演じてみて、吉丸家の良いなと思ったところはどんなところですか?

生田:意外とその場の空間を取り仕切っているのは子供たちだなって。

吉瀬:そうかもしれないね!

生田:お父さんお母さんの方が子供っぽいっていうか。「お母さんしっかりしてよ!」「お母さんのカレーまずいんだよ!」みたいなことを言われても「そんなのしょうがないじゃん!」っていうような。そういうところが吉丸家のかわいらしいところだと思います(笑)。

吉瀬:励まされたり、応援されたり、子供たちの方がしっかりしているなと思います。

――お2人は新しいドラマにクランクインするとき、どんな気持ちで迎えるのでしょうか? また、いろいろあった2020年ですが、今回のドラマに取り組む上で、どんな心情になったのかお聞かせください。

生田:僕たちの仕事は、会社に同じ時間に通勤して、同じ同僚がいてっていうことじゃなくて、数か月に一回、関わる人が代わるんですよね。本当に毎回クラス替えが起こる感覚というか(笑)。その中で、若い俳優さん、ベテラン俳優さん、大御所監督、新人監督、いろんなパターンの方がいらっしゃるけど、全員新しい気持ちで入ってくるから、毎回新鮮な気持ちでやれる感覚があります。

2020年、僕自身も舞台がなくなったり、映画がなくなったり、いろんなことがあったんですけど、改めて、僕たちがやっている仕事って、いの一番に切られてしまう“不要不急の存在なんだな”と思いました。でも長い間、人間の歴史と同じ分だけ、文化やエンターテインメントが人々を癒してきたと感じたし、そういう意味で、いろんな媒体がある中で「テレビ」ってリーチが長くて、すごく大きな媒体だと思ったし、日本の隅々まで届くメディアだと感じました。

まったく意識していないというのはウソになりますけど、ふとテレビをつけると、かわいらしい家族たちが、ワーキャーやっていて、“明日も仕事を頑張ろう”とか、“宿題やらなきゃいけないけど頑張るか!”とか思ってくれたらいいなって思います。

吉瀬:他のキャストの方とあまりご一緒したことがなかったので、斗真くんと久しぶりに会えることは嬉しかったですし、そこが安心材料だったなって思います。脚本を見ても、演じたことのない分野だったこともあり、不安も大きかったですけど、この作品に入れるのはありがたいと思いました。

普通にしていたらひと家族のお話なんだけど、一人ひとりが個々に悩んで、いろいろ自分自身と戦って……。斗真くん(圭佑)なんて特にそうなんですけど、心の葛藤が面白くて、自分にも反映できるというか、“私もそういうことあるよな”ってクスクス笑えるんです。ほっこり出来る部分が多いし、突拍子もない妄想が出てくることもありますけど、それを見て、嫌なことをちょっと忘れて、ドラマの世界に見入ってくれたら、すごく幸せだなって思うし、みなさんに笑いを届けられたらいいなって気持ちがすごくあります。

――今年は特に、家族や大切な人と向き合う時間が増え、考えさせられることも多かったと思います。今回演じる夫婦のやりとりや感情から「こうすれば相手は喜ぶんだ」と気づかされた部分を教えてください。

生田:吉瀬さんが演じる奈美ってキャラクターは、自分ではバリバリ仕事をしていて、売れっ子の小説家なんですけど、その一方で、旦那である僕をきちんとサポートするっていう(役どころ)。辛い時は横にちょこんと座って「大変だけどさ、頑張ろうよ!」って寄り添ってくれる理想的な奥さんだなって思いますね。こんなふうに支えてもらったら嬉しいだろうし、悩んでいることも忘れて「もう一回頑張ってみるわ!」って言えるのかなって思いました。

吉瀬:私も(家庭を持ちながら)仕事をしているので、圭佑さんみたいな主人がいたら素敵だなって思いました!

――(笑)。

吉瀬:あまりいないじゃないですか? なので本当に安心して仕事ができるし、それぞれ役割分担があって、吉丸家はそれができている。自分もそういう家庭に憧れるというか……。ウチもそういうのがないわけじゃないんですよ?(笑)。

生田:福田さんのご家庭がそうなのかなって思いました。奥様に支えていただいたりするんだろうなって。だからフィクションであり、ノンフィクションでありっていうか(笑)。その中間をいっているような感覚はあります。

(取材・文:浜瀬将樹)

吉丸奈美(吉瀬美智子)
吉丸奈美(吉瀬美智子)

<第1話あらすじ>
売れない脚本家の吉丸圭佑(生田)は、「香坂りり子」というペンネームで活躍中のベストセラー作家の妻・奈美(吉瀬)、娘の絵里花(山田)、息子の空(潤浩)と家族4人で平穏な日々を送っている。そう、圭佑は奈美の執筆をサポートするため、家事全般、子供たちの世話を一手に担う脚本家兼主夫なのだ。

細々と執筆を続けながらも、どこかで「自分には大きな仕事なんてくるはずない…」と思い込んでいる圭佑に、ある日1本の電話が……。その電話の相手は、東西テレビのプロデューサー・東海林光夫(北村有起哉)。なんと、圭佑にゴールデンタイム枠で放送する連続ドラマのメインライターを依頼したいというのだ!

翌日、さっそく東西テレビに向かった圭佑は、東海林、監督・角隆史(小池徹平)、アシスタントプロデューサー・松尾めぐみ(長井短)から、もともとメインライターに決まっていた有名脚本家がケガで降板することになったため、急きょ自分に白羽の矢が立ったことを聞かされる。さらに、ストーリーはおろか、企画内容、タイトルすら何も決まっていない状況にも関わらず、主演俳優だけは、すでにトップスターの八神隼人(岡田将生)に決定していると聞き、あ然とする圭佑。そんな圭佑に、東海林は「時間がないから明日までに刑事ドラマでストーリー案を考えてきて!」と、いきなりのむちゃブリ。

八神隼人(岡田将生)
八神隼人(岡田将生)

突然の大抜てきに大喜びする奈美を横目に、大変なことになってしまったと頭を抱える圭佑――。奈美にお尻を叩かれ、なんとか階段下の執筆スペースに向かうが……何も思い浮かばないッ!

圭佑は、忙しくなることで愛する家族や娘・奈美のサポートができなくなるのではないか、と心配する義父母・篠田重幸(小野武彦)と芳恵(梅沢昌代)、そして絵里花目当てに毎日のようにやって来る空の家庭教師・仙川俊也(Sexy Zone・菊池風磨)らに見守られながら悪戦苦闘! しかも、どんどん追い詰められていく圭佑の前に、謎めいたスキンヘッドの男(浜野謙太)まで現れて……!?

のんびりと穏やかに暮らしていた圭佑の生活が一変、ドタバタの毎日が幕を開ける――!

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