古舘伊知郎、映画『ヘブンズストーリー』で感じた“ニュースの本質”

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映画監督の瀬々敬久が、3月6日に放送された『トーキングフルーツ』(フジテレビ系、毎週火曜24:25~)にゲスト出演。瀬々の代表作は『64-ロクヨン-』、『アントキノイノチ』などで、特にMCの古舘伊知郎は、芸術選奨文部科学大臣賞など多くの賞を受賞した『ヘブンズストーリー』の大ファンであり、オープニングから瀬々と会えることに喜んでいた。

『ヘブンズストーリー』は、家族を殺された2人の被害者が犯人への復讐を誓う物語。加害者と被害者のその後の人生が描かれている。瀬々は古舘に「本当に感謝している」と言い「『報道ステーション』で何回も言っていただいて」と、ニュース番組にて古舘が同映画の話を何度もしていたことに感謝を伝えた。これに対し、古舘は「“4時間38分の大作ですけど、分割して観ていただいて、でもDVDになっていないからアンコールの上映で観るしかないですね。ではさようなら”とか言っていましたからね」と振り返った。

古舘は、同映画を深夜のCS放送でたまたま観たという。なぜそこまでハマってしまったのかというと「観た時のタイミングやその時の気分、自分が置かれている日常みたいなものがものすごく影響している」と、続けて「ニュース番組を毎日している中で、人が殺されたニュースを伝える……。もちろん、被害者やその家族の方の心情に寄り添うのが当然なんですけどね。一方で、外(海外)のニュースに目を向けると、“シリアでの今日の死者は58人”って伝えている時、毎回むなしいなって思う。(その理由は)数字なんですよね。一人一人に人生があってドラマがあるのに、そこで命がなくなり、残された人への思いを数字で伝える無機質さに対して、“何だろう”と思っていた」と述懐。

さらに「『ヘブンズストーリー』では本当にあった2つの事件がモチーフになっているかもしれない……と思わせる。そこで“映画がニュースの本質を虚実合わせながら提示してくれるんだ”と思ったんです。つまり、私が(ニュースで)教科書を提示しているのならば、『ヘブンズストーリー』は、解説書。ニュースをやっている以上観続けなければならないと思った」と熱く語っていた。

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