蛭子能収が飛んだ!映画『ローカル路線バスの旅 THE MOVIE』のお蔵入りしそうだったシーン

公開: 更新:

――特に印象に残っている思い出は?

三船:蛭子さんが飛んだことですね。フライング蛭子。スーパーヒーローかと思った。

太川:すごい着地をしていて、あの瞬間「あ……映画終わった」と思いました。お蔵入りすると思った。

蛭子:あのシーン、スローモーションで撮ってもらいたいね。

三船:私にはスローモーションに見えました。この世の終わりかと思っちゃいました(笑)。

太川:本当、すべて大変でした。言葉が通じないから、聞きたい情報を聞き出せない。例えば、「板橋」っていう地名を「いたばし」って日本読みして伝えても、台湾では「いたばし」って呼ばないから伝わらなかった。それと、バス停がややこしい。「向こうだ」って言われて行ったら、高速バス専用だったり。どこで乗っていいかが、まずわからなかった。

三船:台風もすごかったです。普通、台風の中で撮影していて、何かアクシデントがあったら、テレビ的に“おいしい”と思うのに、それどころじゃなかった。暗い道を歩いていたら、上から小さい看板が落ちてきて、私の顔面に当たったんですけど、素のリアクションで「いてっ」って言っただけでした。

太川:当たってたの!?

蛭子:知らなかった。

三船:普通だったら「痛~い!」とか「今看板が当たりました~!」みたいな事をオーバーリアクションで言わなきゃいけないのかもしれないんですけど、素が出ちゃってました。でも、太川さんから「飾っても続かないからね」ってずっと言われていたので、良かったのかも?(笑)

――台湾と日本の共通点はありましたか?

三船:台湾の方に、「日本人と会うとすごく嬉しい」と言われたり、日本人が作った「下淡水渓鉄橋」を見たりしましたね。

太川:見たね。あと、走っている車がほとんど日本車なんです。さらに、日本で散々走っていたバスが、こっちでも使われているんですよ。でも、乗降口が右側だから、左のドアをわざわざ潰して、右にドアが作ってありました。台湾のバスの車内は飲食禁止なのですが、なぜか鳥の持ち込みも禁止で(笑)。そういう発見が面白かったです。

三船:「鳥は何で持ち込み禁止なんですか?」と聞いたのですが、返しが全部中国語だったから、結局理由はわからなかったです(笑)。

――言葉が通じなくて大変だったと思いますが、逆に蛭子さんの自由な発言が通じなくてよかったのでは(笑)?

太川:そうなんですよ! わかる人がいなくてよかったです。なんて言ったんだっけ?

三船:「汚いビル」とかね(笑)。

太川:台湾では、きっと公開は出来ないと思います。

蛭子:そんなことないでしょう。絶対みんな同じふうに思ってるよ。

――三船さんは、もう一度マドンナとして参加したいと思いますか?

三船:思います! 今、ちょっと目が泳ぎましたけど(笑)。でも、本当にそう思います。太川さんと蛭子さんのタッグだからこそ成り立つ、色んな意味で充実した旅でした。忘れられない旅になりましたね。

太川:国内は歩くし、酷だよ~。台湾は歩かなくて済んだ。

三船:歩く気満々だったから、歩けなかった事がちょっと残念。

太川:歩いてごらん。“こんなはずじゃなかったのに~”ってなるから(笑)。

――映画第2弾があるとしたら、行ってみたい場所は?

太川:知り合いが先日ブラジルに行ってきたらしく、「結構バスありましたよ」って教えてくれました(笑)。僕は、どうせだったらヨーロッパに行きたい。蛭子さんは?

蛭子:東南アジアぐらいがいい。シンガポールとかいいんじゃないですか。町中にバスがいっぱいあるよ。

三船:蛭子さん、カジノがあるところがいいんでしょ(笑)。

蛭子:そう。シンガポールにはあるんですよ(笑)。

太川:蛭子さん、前の取材でオーストラリアに行きたいって言ってたじゃん。

蛭子:オーストラリアもいいですね! でも、オーストラリアのバスって行く場所決まってそうだから……。

太川:さっきは「オーストラリア行きたい、オーストラリア行きたい」って熱弁振るってたのに!

蛭子:オーストラリアは、真ん中ら辺が砂漠じゃないですか。だから、バスは海沿いだけを走っちゃう。それって面白いかな?

太川:(反論するのも疲れて)もういいや(笑)。

三船:こういうやり取りが3泊4日続きました(笑)。

太川:まあ、すごいシーンも沢山あるのでね。皆さん劇場で楽しんでいただけたらと思います!

PICK UP