霜降り明星粗品MCのクラシック番組始動!楽団にリスペクト「邪魔にならないようにしたい」

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霜降り明星粗品MCのクラシック番組始動!楽団にリスペクト「邪魔にならないようにしたい」

霜降り明星粗品さんがMCを務める『読売日本交響楽団 粗品と絶品クラシック』(日本テレビ系、主に第3水曜26:29~※関東ローカル/※この日は26:35~)が、4月17日よりレギュラー放送開始。民放公式テレビ配信サービス「TVer」では、次回放送まで見逃し配信予定です。

1962年に設立された「読売日本交響楽団」の演奏を“ほぼノーカット”&5.1chサウンドで楽しめる本番組。粗品さんは、演奏者との対談や、ホールでのコンサート鑑賞、ぜひ聴いてほしいクラシックの名曲をプレゼンするなど、様々な側面からクラシックの魅力を紹介します。

今回、コンサートホールで行われた初回収録の合間を縫って、粗品さんがインタビューに応えてくれました。

粗品おすすめのクラシックは?

――幼少期からピアノを習い、クラシック好きとしても知られる粗品さん。クラシック番組のレギュラー化が決まったときは、どんなことを思われましたか?

嬉しいんですが、本当に(楽団の)邪魔にならないようにしたいです。方々で言っていますし、そういうお仕事もさせてもらっていますが、世間一般的に、粗品という人間のイメージがクラシックとはかけ離れているんで「粗品がクラシック? いちゃもんつけて茶化すんちゃうやろな」と思われそうやなと。お笑い芸人が音楽業界に飛び込んでいますし、しかも裏側に密着させてもらっている状況なので、「本当に失礼に当たらないか」は、都度確認していきたいです。

――今後、“番組をこうしていきたい”という展望はございますか?

重ね重ねにはなるんですが、まず邪魔にならないようにしないといけない。とは言いつつ、テレビショーなので、“制作側はこういう画を撮りたいんやろうな”というのは感じるんですよ。ここがめちゃくちゃ難しくて、そこのせめぎ合いですね。その気持ちも分かるんですが、僕が楽団やったら嫌やな、と思うようなことはしたくないんです。僕が気づけることもいっぱいあるので、「それは失礼じゃないですか」と言えるように、僕は楽団側に立って戦いたいと思います。

これは大前提として、そもそもこの番組について(の展望)なんですが、どちらかと言うと若者への訴求ですね。クラシックに触れてこなかった人に、僕が魅力を伝えて、クラシックに触れるきっかけになるような番組にしたいです。あと、ほぼノーカットでコンサート映像を放送する……という意味では攻めていて、玄人にも抜群の番組だと思います。

――この番組を通じて、クラシックに初めて触れる方も多いと思います。そんな方に向けて、粗品さん的に「この曲はおすすめ」と思う楽曲はありますか?

「カノン」じゃないですかね。初心者は、まずメロディがキャッチーじゃないとクラシックが入ってこないと思うんです。僕らが日常で聴いたことのあるクラシック音楽は、1時間の超大作の中の一部だけやったりするんですね。それなのに、いきなり「1時間聴けよ」とは言いたくないんです。パッヘルベルの「カノン」は、始まってからずっと有名なフレーズやし、メロディがいいし、美しいし、カノンというシステム自体も素晴らしい。同じメロディをずらして繰り返している……とか気づいたら、またさらに好きになるんちゃうかなと思いますね。

多忙の中、創作活動に勤しむ理由

――今回、本番前に楽団のリハーサルを見学されていましたが、いかがでしたか?

すごかったですね。リハーサルを見学できたことが、この番組をやって一番良かったなと思ったことですね。客席が関係者しかいなかったですし、 両サイドが空いていたので、膝を揺らすだとか、音楽に合わせて首を動かすだとか、本番では絶対にできない楽しみ方ができたんですよ。生のコンサートで自分勝手に音楽を楽しむ……ということができたのが、めちゃくちゃ嬉しかったですね。

――クラシックの生演奏を楽しむとき、粗品さんはどこに注目されるんですか?

舞台上で言うと、まず演奏者たちの顔をめっちゃ見てしまいますね。ピアノだとか、コントラバスの人たちが“どんな顔して演奏してんねやろ”とか思うし、目線も気になるし、役目が終わったバイオリンが、一瞬体から外すときに音を鳴らさないようにしているところも見ます。あとは、なんと言っても指揮者の動きですね。指揮者が、“今、どんな感情で棒を振ってんねやろ”とか思うんですよ。そういった細かいところを結構うろうろ見て楽しんでいます。

――粗品さんは「指揮者をやってみたい」という思いがある、と聞いたことがあります。

そうなんです。芸人をやっていなかったら指揮者を目指していたくらい好きですね。

――ご自身でも楽曲制作をされる粗品さんの活動や発言からは、いつも音楽に対するリスペクトを感じます。作る側にまわると“音楽の深さ”を感じるものなのですか?

ありがとうございます。感じますね。あと、自分が音楽を作る上で、“ここは茶化されたくないな”という思いもあるし、大変やし、リハーサルの大切さも分かるんですよ。だから、楽団の皆さんの邪魔にならないようにしたいんですよね。

――粗品さんは、テレビ、寄席、YouTubeの他にも、個人の単独ライブを定期的に行っており、“創作”に時間をかけている印象があります。多忙の中、どういった思いで創作と向き合っているのでしょうか? 楽しいのでしょうか、苦しいのでしょうか?

楽しいですね。改めて“なんで芸人をやってんねやろ”って考え直す機会があったんですが、僕、何が嬉しいかなと思ったら、やっぱりチヤホヤされるのが嬉しいんですよね。何でチヤホヤされるのが嬉しいかって、人の番組に出て活躍したときじゃなくて、自分の作ったものが評価されるときが嬉しいと気づいたんです。単独ライブとか、音楽とか、自分の純度が高い作品で、「面白いね」「いい曲だね」と褒めていただくことに喜びを感じるので、あまり苦ではないんですよね。

――最後に、本番組はTVerでも配信されます。映像で見るクラシックの魅力についてお聞かせください。

TVerなので、もちろんテレビ画面でも見られるんですが、“携帯で見られるクラシック”というのもすごく魅力があるなと思うんですよ。(同番組で)約40分の演奏をガッツリ見るのもいいんですが、僕は意外に通勤や通学時間の電車の中とか、街の喧騒にまぎれながら、特にノイズキャンセリングもせず15分だけ楽しんでまたあとで聴く……とかでもいいと思います。それができるのがTVerの良さなんで。

それと、日テレのカメラのスイッチングも見事なんですよ。それはすごく安心して見られます。それこそ楽団にリスペクトのないスタッフはいないので、作品を生で見ているかのような演奏を届けられると思います。

取材・文・写真:浜瀬将樹

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