古畑星夏という女優をご存知だろうか。古畑は、現在ティーンNo.1雑誌「Seventeen」の専属モデルでありながら、長谷川京子が主演するドラマ『ふれなばおちん』（BSプレミアム、毎週火曜23:15）での演技が評判を呼んでおり、今最も注目すべき若手女優の一人に名を連ねている。

この頃、世間では「女優としてデビューし、女優として活動している女優」に注目が集まっている傾向があり、彼女たちは「演じる」ことが主に評価されている。朝ドラ『とと姉ちゃん』（NHK）で主演を務める高畑充希や、2年連続で日本アカデミー賞・最優秀助演女優賞を受賞し、ドラマ『重版出来!』（TBS系）で連続ドラマ初主演を果たした黒木華などは、その筆頭に挙げられるだろう。

その一方で、モデル出身の女優「モデル女優」も負けていない。もはやトップ女優の仲間入りを果たしたといっても過言ではない広瀬すずは、現「Seventeen」モデル。朝ドラ『あさが来た』（NHK）の主演や、新ドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』（カンテレ・フジテレビ系）の主演を務める波瑠は、過去「Seventeen」や「non-no」の専属モデルの経験がある。

「モデル女優」は、その洗練されたビジュアルはもちろんのこと、様々な媒体、服装、シチュエーション、ポージングで撮影をしてきた経験がある。その経験は、レンズを通して被写体としての自身を「魅せる」能力を養うことに役立っている。さらに、服や小物、メイクなどを引き立たせることを職業としているため、自分本位にならず、常に周囲の人や物に気を配るという意識が潜在的に身に付いているといえるだろう。元「ニコラ」専属モデル、現「Seventeen」専属モデルとして全国の女子から"憧れ"を集める古畑も、そんな「モデル女優」に他ならない。

古畑は、現在出演している『ふれなばおちん』（BSプレミアム）は、アラフォー主婦の甘く切ない恋をリアルに描く純愛ドラマで、日常生活の中で潤いやときめきを忘れた主婦・上条夏（長谷川）が、夫の部下の若い男・佐伯龍（成田凌）と不倫関係に陥る物語。その中で古畑は、上条夏の恋敵で、恋愛に対して肉食系のOL・若林みどり役を演じている。

19日に放送された第4話では、古畑演じる若林みどりが、成田演じる佐伯龍を強引に押し倒し、首元に唇を這わせる場面があった。シリアスな展開の中、セリフと行動のテンポだけでなく、複雑な感情を表現することも求められる難しいシーンを古畑は見事に演じきった。若干20歳ながらも、試行錯誤しながら臨んだという体当たりの「魅せる」演技で醸し出したその妖艶さに、目を奪われた視聴者は少なくないのではないだろうか。

さらに、古畑は現在放送中の『時をかける少女』（日本テレビ系）にも、主演の黒島結菜の友人・おじょう役として出演しており、等身大の演技で主演を引き立てる絶妙な存在感を放ち、しっかりと脇を固めている。

過去に出演したドラマ『きょうは会社休みます。』（日本テレビ系）や映画『近キョリ恋愛』などでは、ヒロインの恋敵役や、恋が実らない片想い役が多かった古畑。今後、また違った一面が見えるキャラクターを演じた時、一体どのような演技を我々にみせてくれるのか、期待が高まる。