池上彰、羽生結弦の世界歴代最高得点に「あれは見事!」

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ジャーナリストの池上彰が、2015年のニュースを総括。12月29日(火)の18時30分から特番『2015年 池上彰が選んだ重大ニュース総ざらい年末特大SP』(テレビ朝日系列)を放送し、テロに泣き、羽生結弦に感動した一年を5時間ぶち抜きで放送する。

この番組では「そういえばそんなニュースもあった」というトピックを集めた、“あったあったニュース”もVTRを交えて紹介。池上は「この一年がどんな年だったのかを整理するきっかけになればと思います。ただし、こちらが提供するのは材料で、みなさんが同じ総括をする必要はまったくありません。ちょうどこの時デートしていたとか、逆にフラれたとか(笑)、見ている人によってそれぞれの総括をしていただければいいなと思います」と、みどころをアピール。その言葉通り、ドローン、白紙撤回、類似疑惑、データ改ざん、放送法、「イスラム国」など、今年を象徴するキーワード満載で放送される。

今年は例年に増し、テレビ出演、講演、講義、取材、執筆活動など、多岐にわたって大活躍したの池上。忙しさのあまり「自分を見失うんじゃないかとの思いに駆られた」と言い、「目の前の仕事をやる。ひたすらそればかり考えていたら、一年が終わっていたという感じです」と、やや自省気味に振り返る。そんな池上が、年末特大スペシャルの収録直後に取材に応じ、今年起こったさまざまな出来事の中から、「喜怒哀楽」をテーマに4つのニュースを選定。独自の視点から今年のニュースを振り返った。

・「喜」

羽生結弦選手の世界歴代最高得点でしょう。あれは見事! 朝から速報で、これまでの記録がさらに更新されたと伝えられたでしょ。そうなると、やっぱり観たくなりますよね。普通、スポーツは生のドキドキ感を楽しむもの。今回は事前に羽生君が優勝すると分かっていて、そのドキドキ感はないのに、それでも面白かった。あの興奮は、歴史を題材にしたミステリーに似ていると思いました。たとえば、シャルル・ドゴールの暗殺計画を描いたスリラー小説があるんですが、ドゴールは殺されていないわけだから計画は必ず失敗すると分かっている。それでも、読んでいてハラハラドキドキするんですね。羽生君のスケートにはそんなドラマがありましたね。

・「怒」

「イスラム国」によって後藤健二さんが殺されたこと。身代金を払わなければ殺害するという予告が出ていたにもかかわらず、何もすることができなかった。しばらく無力感にさいなまれ、立ち上がれませんでした。「イスラム国」はその後も残虐なことをやり続けている。何とかしなければいけないと思います。

・「哀」

少年少女が被害者になる事件が相次いだこと。特に寝屋川で中学生の男女が夜中までずっと街を歩いていて、結局殺されてしまったのは哀しい事件でした。子どもが被害に遭う事件そのものは、数が減っているんですね。しかしながら、根絶できないのは、社会が無関心になっていたり、声を掛けたら逆に怪しく思われたりしてしまう状況があるから。どうすれば社会全体で子どもたちの犠牲を減らすことができるのか、改めて考えなければいけないきっかけを与えてくれた事件でした。

・「楽」

個人的には、黒田(博樹投手)が(広島東洋カープに)戻ってきてくれたこと(笑)。男気を見せてくれました!

「イスラム国」や少年少女の事件ついては、今回の特番でも解説。「イスラム国」については北アイルランド紛争やアメリカ同時多発テロとの比較、少年少女の事件については、少年少女が加害者になる事件、被害者になる事件に分け、それらの犯罪と密接な関係にある教育に言及しながら、大局観的にニュースを総括する。

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