オファー殺到の女優・飯豊まりえが次に演じてみたい役、そして憧れの「ヒロイン像」とは

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【『居酒屋ふじ』で学んだ「何事にも向き合うこと」主人公と重なる女優業の厳しさや経験】

――映画『祈りの幕が下りる時』(2018年1月公開)には、オーディションで選ばれたということですが、今の女優業において、西尾に多少重なる部分があったのでは?

そうですね。これまでたくさんオーディションに落ちています。私はあんまり引きずらないタイプだから良かったんですけど……でも、ありがたいことに、はるか昔に受けていたオーディションで覚えていてくださって、今お仕事をいただけるということが増えてきています。落ちてしまって辛い時期もあったけど、あの時オーディションを受けておいて良かったです。

『祈りの幕が下りる時』は、すごく早いオーディションで。終わって30分後に「(出演が)決まりました!」って連絡が来て、すぐに台本も届いて、さらに、5日後から撮影が始まるって言われたから、「ドッキリかな?」って思っていました。撮影1日目は、いつ「ドッキリでした」って言われるのかハラハラしていて……本当の映画で良かったです(笑)

――番組プロデューサーさんが、「このドラマでは飯豊さんのアドリブ力が光る」とコメントされていました。ご自身はアドリブに自信はありますか?

私、雰囲気で何でも言ってしまう癖があって。だから、急にアドリブが来てもすぐに返すことが出来るんですよね。面白いことが大好きなので、現場にもよりますが「こうしたら面白くなるんじゃ?」ということを常に考えています。第9話のキャバクラのシーンでは、ポッキーゲームをやったりとか、結構私のアドリブが活きていたのではないかなと思っています。

――以前も同局のドラマ『不便な便利屋』でヒロインを務めていらっしゃいましたね。

『不便な便利屋』の皆さんもアドリブ大放出だったんですよ! 岡田(将生)さんが本当に面白くて。元彼女役である私に言い訳するというシーンがあったのですが、元々用意されていた台本でのセリフはすごく少なかったのに、3分くらいずーっとアドリブで言い訳されて。笑いを堪えるのがすごく大変でした。「私もああいう風にやらなきゃならないんだ!」と思って、アドリブが入れられる部分はすごく頑張った思い出があります。

――そんな様々な現場を経て、演じてみたい役柄などが生まれたのでは?

白いTシャツを着て、ネイビーのパーカーを羽織って、スキニージーンズとコンバースの靴を履いた、バッグパッカーみたいな役をやってみたいです。あくまで私の頭の中にあるストーリーなのですが、訪れた街の方々と仲良くなって、成長していく……ドラクエみたいな(笑)

――ドラマだけでなく、映画などでも多数ヒロイン役を演じている飯豊さん。作品によって違うとは思いますが、飯豊さんの思い描く「ヒロイン」像を教えてください。

私もそうだし、世の女性はみんなそうだと思うのですが、もともと高嶺の花の位置にいるヒロインより、シンデレラのように苦労の末に幸福を手に入れたヒロインが好きだと思うんです。私がこれまで演じさせていただいた『MARS〜ただ、君を愛してる〜』の麻生キラや、『きょうのキラ君』の岡村ニノンなど恋愛作品のヒロインは、みんなそういうシンデレラストーリーを歩んでいて。私はそういうヒロインが好きですね。でも、向いているのはコケティッシュな役らしくて。「原作がないキャラクターを渡したら、コケティッシュな役で仕上がってきそう」と言われたことがあります。

――最後に、最終回に向けての見どころや、視聴者の方へメッセージをお願いします。

最終回を見ると、身近にいる方たちの顔が浮かんできて、その人の大切さに気付けると思います。そして、「居酒屋ふじ」という場所が羨ましくなる。私はこの作品に出演して、何事にも“向き合う”ことが大切だと学びました。頑張り続ければ、少しずつ夢に近づいていけるんだよ、と背中を押してもらえる。私もおやじさんに会いたかったし、勇気となる言葉をもらいたかったな。

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