――長瀬さんとは初共演とのことですが、ご感想は？
吉岡：私にとってはまさにスターで、テレビの中の存在でした。以前別の番組でお会いしたことはありましたが、「現実にいらっしゃるんだ」と思ってしまいました。『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』や『泣くな、はらちゃん』、『クロコーチ』など、長瀬さんが出演されたドラマをたくさん見てきたので、共演できること自体が嬉しかったです。吸収できることは全部吸収して、活かしていきたいです。
――実際にお芝居をした感触はいかがでしたか？
吉岡：とてもキャリアのある方ですし、男らしくてアグレッシブなイメージがあったので、お芝居でも感覚を重視なさるのかと思っていたら、とても細かく積み上げたお芝居をされていました。1カット終わるごとに確認して、シーンの繋がりやご自分の表情を少しずつ調整していて、その姿勢を見ていると「ついていきたい」という安心感を覚えました。なので、同じようなアプローチをしたいなと思って、一緒にモニターを見て、よく話をしました。どんな場面も手を抜かないという長瀬さんの姿勢は、とても勉強になっています。
――サトル役で出演する坂口健太郎さんとも、初対面かつ初共演。同年代ということで、長瀬さんとはまた違う刺激を受けたと思いますが、撮影はいかがですか？
吉岡：ルックスが二枚目なのでイノセントな方なのかなと思ったら、中身はとても面白い方でした。「何でも話してね」とフランクに言ってくださったので、肩肘張らず、お互い素直に話し合えていると思います。女友達と話しているような感覚ですね。
――TBSの「日曜劇場」というと歴史ある大きな枠ですが、現場で「日曜劇場」らしさを感じたことはありますか？
吉岡：あります。池井戸潤さん原作の肉厚な作品などが続く中、『ごめん、愛してる』は「日曜劇場」に新鮮な風が通るようなドラマだと思います。王道の純愛ものなので、プロデューサーの方も「挑戦的なことをしているからみんなで悩みながら作っていこう」とおっしゃっていました。個人的には、ドラマだけど、まるで映画を観ているかのような、心に深く入ってくストーリーは「日曜劇場」らしさだと思うし、ちゃんと名前が残るような、重厚な作品になっていると思います。
――「この夏一番切ないラブストーリー」というキャッチもついていますが、これまで撮影した中で一番切なかったシーンはどこですか？
吉岡：たくさんありますが、やっぱり律の物語なので、彼のシーンはどれも切ないと思います。律を捨てた実母・麗子が、今可愛がっている息子・サトルのために弾いているピアノを、律が何とも言えない表情で外から聞いているシーンは特に切ないですね。律が聞いていることは、二人には絶対に伝わらないのですが、それでも律はずっと聞いているんです。私のシーンだと、やっぱり冒頭の凛華のプロローグでしょうか。ファーストシーンからここまでネタバレするドラマって珍しいなと思うくらい、色々なことを連想させるようなセリフがあります。大好きだった人のことを思い出している、どうあがいても手に入れることができないという描写なので、とても切ないです。
――凛華は自己犠牲をいとわない性格ですが、吉岡さんが、今同じくらいひたむきに外に情熱を向けているものってありますか？
吉岡：もう仕事しかないです。他のことに情熱を注ぐ余裕がないというか……。毎日仕事のことしか考えてないし、帰ってからも、今の作品や次の作品のこと、これからどう仕事をしていきたいか、どういう人と仕事をしたいのかなど、何年も先のことをずっと考えています。もっともっと早く、色々なことができるようになりたいという欲が強いんです。
――色々なことというと、例えば？
そういう意味では、習い事がしたいですね。日舞と英会話とジャズダンスはずっとやりたいと思っています。最近インドアで、運動していなくて縮こまっているので、それを開放するような何かを身に付けたいです。
――では、今後女優として挑戦してみたい役や作品のジャンル、目指す女優像を明かせるなら教えていただけますか？
吉岡：痛みを負っている役を演じてみたいです。自分が傷ついた時、どうしようもないものに触れてしまった時、そういった感情を持っている人と出会った時。身がよじれるような感情って、どんな人にも一生に一度は訪れると思うので、そういう瞬間を描いている作品や、そういう人の心を代弁できるような作品に出会いたいです。そこに興味のある監督さんとも出会いたいですね。それと、朝ドラに出させていただいた時、実在の人物を演じたのですが、激動の日本を描いている作品、今の平和な日本では生まれないような作品も興味が出てきました。あとは、家族を描いた作品も良いですね。母が私にくれたものが大きかったので、私は母に対してとても執着が大きいんです。なので、母と娘の話もやりたいです。
――目標としている女優像はありますか？
とにかく役を選ばない人です。ずっと新鮮味のある人というか、うまくないけど伝わる人。生っぽい役者でいたいと思います。
――では最後に、この夏挑戦したいことや予定していることがあれば教えてください。
吉岡：いくら仕事が好きとはいえ人に会うべきだと思うので、地元の友人にも会いたいです。先日、京都で撮影した時少しだけ会えたのですが、やっぱり友人って良いなと思いました。何のしがらみもなく対等に話せるので楽しかったです。東京でできた友人とも、もっと距離を縮めたいです。今ラジオのお仕事をしているんですが、そのスタッフさんたちと東南アジアの方に海外旅行したいです。ディズニーランドも行きたいし、マリンスポーツもやったことがないのでやってみたいです！
