『YOUは何しに』伝説のマーティン&名物ディレクターが語る“旅の醍醐味”

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【旅だけじゃない!回を重ねて大きくなる…マーティン&森Dの“友情”に注目】

――マーティンさんは、番組の影響力はどれぐらい感じていますか?

マーティン:最初はとても驚きました。僕が最初に登場した時、『YOUは何しに日本へ?』は深夜帯に放送されていたのに、東京駅で何人もの人が話しかけてきてくれて。今は地方でも声をかけられるのですが、もう慣れました。

森:慣れたの(笑)⁉

マーティン:今は冷静に対応できます。皆さんが見てくれて、声をかけてくれることによって、僕も笑顔になって、何か良いことをした気持ちになります。最初に話しかけられたのは、放送があった次の日。四国で自転車をこいでいたら、隣にバイクがきて、日本語ですごい叫んでいるんですよ。何か悪いことをしたのかと思って、横にずれたのですが、その人は「テレビ東京! テレビ東京!」って言っていて。そこで自分も思い出して、停まって「ありがとうございます」って言いましたけど、あれはビックリしました(笑)。

――旅もそうですが、マーティンさんと森ディレクターの“友情”も見どころになっていると思います。お互いの印象は、この4年間でどう変化しましたか?

マーティン:ドイツにある僕の家に彼が来て、キャンピングカーに泊まって、さらに休みを一緒に過ごした。小さなところから徐々に友情が深まり、今はもう友達ですね。

森:マーティンに「なぜ密着をOKしてくれたの?」と聞いたら、「疲れていたし、よくわからなかったから」って(笑)。全くの赤の他人が空港で出会い、インタビューをさせてもらって、何日間か一緒に過ごさせてもらう中で、“変なきっかけ”と言ったらあれですけど……番組を通して大切な友人の一人と巡り合えたのは、僕にとってとても大きい出来事になったと思っています。マーティンは大切な友達です。

――別れの際、森Dが泣くというのが恒例となっていますが、それを見てマーティンさんはどんな気持ちに?

マーティン:日本人は感情を表に出さないと聞いていたので、とても驚きました。ドイツ人もそんなに出さないので……。

森:僕が早送りしちゃうシーンですね(笑)。「本当に帰っちゃうんだな、もうちょっと一緒に馬鹿なことしたかったな」って思ったら泣いてしまいました。2度目の密着での別れのシーンでは、マーティンに感謝しかなかったです。番組も上手く軌道に乗って、認知もしてもらえるようになって。よくよく考えれば、マーティンがいろんなことをやってくれて、番組を広めてくれたからだと思うので、「ありがたいな、この人」と思いました。もう泣きません!

マーティン:泣いていいよ。大きい感情は表に出した方がいいよ!

――マーティンさんとはとても良い関係性を築いていらっしゃいますが、外国の方を取材して番組を制作するにあたり、苦労した部分はありますか?

森:連絡が取れなくなっちゃうというパターンが、毎回どこかで起こっています。なので、マーティンを取材する時、僕はめちゃくちゃしつこく「渋谷で集合ね!」って言いました(笑)。

マーティン:日本はネット環境があまり整っていないので、Wi-Fiを探して歩き回ってしまいます。

森:Wi-Fiとかネット環境のインフラが意外と日本はまだまだですしね。待ち合わせに来なかった場合もそのまま放送しちゃっていて、ウケているのかどうかもわからないですが……それがリアルな現場だったりもするので。あと、密着取材をしても何も起きませんでしたっていうパターン。何かが起きる起きないというのは、こちらの制作サイドの都合なのですが、それでお蔵入りしたものは何本もあります。勝手にこちらが苦労しているだけなのですけど(笑)。基本的にディレクターはみんな思っていることなのですが、放送した後に本人に見てもらって、喜んでくれるようなスタンスで作りたい。……本当に楽しんで見てくれているのかな……不安になってきちゃった。

マーティン:楽しく拝見させていただいていていますよ! 自分が見ているのとは違う、誰か違う人から見た自分の旅がとても楽しいです。

――視聴者に愛されるYOUに共通点はありますか?

森:1つは、カメラを気にせず、自然体でいてくださる方。これは非常にポイントです。内面で言うと、日本が好きで、日本に対して良いイメージを持ってくださっている方。そういった方は、僕らも日本人として取材がしやすいですし、放送をすごく喜んで見ていただけるので。日本を愛して下さる方がもっともっと増えれば、僕らももっと取材しやすくなるので、そうなってもらいたらいいなと思います。

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