北大路欣也、泉谷しげる、志賀廣太郎『三匹のおっさん2』にかける意気込みを語る

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――皆さんが子どもの頃、注意したり叱ったりする恐い“おっさん”はいましたか?

志賀:あんまり覚えていないけど、いましたよね? 木に登っていたら、「木がかわいそうだろ!」って怒られたことがありました。

泉谷:俺なんか、いきなり殴られたよ。歩いてるだけで!

志賀:それはないと思うよ(笑)。

泉谷:でも、自分の子どもも他人の子どもも叱る大人がいたってことは、ある意味良かったと思うんですよね。

北大路:僕もいたずらっこだったので、叱られっぱなしでした。追いかけっこしてよその家の庭に入っちゃったり、入っちゃいけない場所に入ってソフトボールしたり。僕は京都の北大路に住んでいたんですけど、冬は雪が積もるんです。学校に行くとき、普通の道を歩くと結構時間がかかってしまうんですが、斜めに突っ切ると時間の短縮になるんです。それで、雪の中、斜めに突っ切って行ったら……ズボッとはまったことがあって。子ども同士じゃ抜けなくて、大人の人たちに「このクソガキがー!」って怒られながら抜いてもらった思い出があります。

泉谷:肥だめにはまったんだね。

志賀:文字通り“クソ”ガキだったんだね(笑)

北大路:学校終わると、玄関にカバン置いてそのまま遊びに行っていました。で、真っ暗になるまで土と水と犬とドロッドロになって遊んでから家に帰って。僕らの子どもの頃は戦後まもなくだったので、お互い協力し合って地域を守ろうとしていました。近所のおじさんとかは、それなりの責任があったんじゃないのかな。このドラマは、その頃感じていた土の匂いがするんだよね。そのわりには、ノリさんは機械ですごいことやるんだけど(笑)。そのアンバランスさが面白いと思います。

――祐希(大野拓朗)や、早苗(三根梓)が大学生になりましたが、2人の成長は感じられますか?

泉谷:どんどん成長していますよね。だから、僕たちがダウンするの隠さなくて良いかもしれない。若者達が成長していくのを僕らも感じて、見ている方も感じられると思います。

北大路:5話では、祐希が僕たち3人を諭すシーンがあるんです。「“若いもんは~”って言っているけど、自分たちはどうなの?」ってね。

泉谷:以外と実生活でもさ、若いやつに諭されることあるじゃん。よくわからないでこっちがやっちゃったから、「じいちゃんそれ違うよ」って。それを自分たちがどう捉えられるかにかかっているんじゃないかな。

――中田喜子さんや藤田弓子さんなど、奥さん役の2人との関係性は?

北大路:僕は尻にしかれています。でも、それでちょうどバランスが取れているんですよね。僕は中田さんと、若いころから共演させていただいていますので、お芝居をやっているという雰囲気ではなくて、普段のような感じで冗談を言い合ってやらせていただいています。だから、時々役名と本名を間違えて呼んでいたりして(笑)。

泉谷:立花家は、やりたいことを勝手にやっている、ガス抜きができている夫婦だよね。ケンカができるっていうのは、ガス抜きができているってわけで。今の人ってすぐに部屋に籠もっちゃって、ガス抜きできていないと思うから。みんな良い具合にガス抜きしてよ~。ケンカしないっていうのは良くないよ!

――最後に、意気込みをお願いします。

志賀:ロケ現場でも声をかけてくださる方が多くて、それが支えになっています。本当に寒い中での撮影なんですが、我々は休んだりできるんですけど、スタッフの方々はその寒い中ずっと作業をしているので、頭が上がりません。

泉谷:こんなに厳しい現場で撮影しているのに、全然待遇が改善されない。とにかく頑張るしかないんですけど。皆さんが喜んでくれたらそれでいいですよ! 何でもやりますよ! 歯が欠けても!(笑)

北大路:どんな仕事でもそうだと思いますが、空気が画面に映りますから。一人でも輪を乱すと、悪い空気が映ってしまうんですよね。色々なことを、キヨや、ノリ、シゲ、孫など、みんなに教えられながら現場に立っています。

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