この世を去った者たちが最初に訪れるのは、あの世の市役所ならぬシ役所。ここは、自殺、他殺、病死、事故死など様々な理由で亡くなった者たちの行き先を決める手続きをする場所だ。シ役所「総合案内」で働く職員シ村は、次から次へと現れる死者に「お客様は仏様です」と慇懃無礼な態度で対応する。 訪れる死者は「死」を受け入れた者から、現実を理解しないまま現れる者まで様々。果たして彼らはどう生き、どう死んだのか? 壮絶な生前の姿が死者の申請書から次々とあぶり出されていく。罪無き者は、天国へ。罪深き者は、地獄へ。あるいは――。