アジフライに魅了されたイタリア人女性!名店が美味しく作る秘密を伝授:世界!ニッポン行きたい人応援団

公開: 更新: テレ東プラス

高級料亭御用達!「野母んあじ」を求めて長崎へ

ニッポンのアジをより深く知りたいと向かったのは、長崎県野母町(のもまち)。長崎県は、アジの漁獲量11年連続日本一。その長崎県が誇るブランドが「野母(のも)んあじ」です。
高級料亭御用達で滅多に食べられない野母んあじを一度でいいから食べてみたい…そんなキャーラさんを、野母町生まれの料理人・峰竜一さんが受け入れてくださいました。漁港近くの峰さんのお店「割烹 大樹の海」では、ちょうど仕込みの真っ最中。生け簀からあげたばかりのアカハタや車海老を洗濯機のモーターを利用した手作り自動干物マシンで豪快に干物にしていました。

翌朝、峰さんの知り合いの漁師さんと野母んあじ漁へ。野母んあじのこだわりは、魚の扱い方。魚を傷つけないよう、一本釣りにします。手で直接触れると手の温度で魚が火傷を負い、表面に跡ができてしまうため、釣った魚をすくうゴム製の柔らかい網を独自に開発し、釣り針をはずす専用の器具まであるのだとか。魚の美しさを保つため、細心の注意を払っているのです。
野母んあじには大きさに規定があり、この日釣った30匹のうち、野母んあじを名乗れるのはわずか2匹。特別に釣りたての野母んあじを峰さんに調理していただきます。

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野母んあじの良さを最も味わえるのは刺身で、お皿の模様が透けるぐらい薄く切るのが、粋な食べ方。頭に近い部分は薄めに、尻尾の方は厚めにしています。キャーラさんは「とても脂が乗っているので、口に入れるとまろやかです」と、新鮮なアジの刺身を堪能。

続いてはアジフライ。衣に使うのは、お店で乾燥させたあおさ海苔とあられ。日本料理のあられ揚げをアレンジしたアジフライは衣がサクサクで、作った峰さんも「うまか!」と思わず声が出てしまうほどの絶品です。

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翌朝、キャーラさんにウェルカムサプライズ! 峰さんが同級生の松崎さんと観光船で連れていってくれたのは、白戸の穴洞窟。最長80メートルの奥行きがあり、海の侵食によってできた自然の産物です。晴れた日には光が差し込み、神秘的な光景に。それはまるで、イタリアにある青の洞窟のよう。青の洞窟に行ったことがないというキャーラさんは、「飛び込みたいぐらい美しいです! すごいです!」と素敵なサプライズに大興奮!

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その日の午後は、峰さんとお友達が歓迎会を開いてくださることに。食卓には、長崎の郷土料理がずらり。一夜干しにした野母んあじをかつお出汁で炊いた炊き込みご飯、アカイカを醤油とイカスミで漬け込んだアカイカの沖漬けなど、野母町の海の幸が並びます。他にも、野母んあじのソテーを甘辛く煮てまんじゅう生地で包んだ野母んあじまんじゅう、チャーメンを野菜や魚にかけた長崎サラダも。皿うどんに使うチャーメンは、コンビニにもある長崎県民の必需品なのだそう。

キャーラさんも、キッチンを借りてお返しの料理を作ります。焼いて小骨をとったアジに茹でたじゃがいもを混ぜ、パスタ生地で包んだラビオリや、薄く伸ばした牛肉で生ハムと大葉、チーズを巻き、白ワインで蒸し焼きにしたイタリアの家庭料理は大好評! 歓迎会は大いに盛り上がりました。

別れの時。感謝の気持ちを込めて手紙を読みます。峰さんへの感謝、アジに関わる人たちへの尊敬……涙ぐむ峰さんを見て、「私も泣いてしまいます」とキャーラさん。峰さんは、真空パックにした干物とお店のTシャツ、手作りのバッグに大漁旗、さらに30年使い続けた包丁をプレゼント! 大感激のキャーラさんは「必ず戻って来ますから」と、イタリア流にハグをして別れを惜しみます。
プレゼントの箱を抱え、名残惜しそうに峰さん夫妻の方を向きながら後ろ歩きをしていたら、転んでしまうハプニングが! 駆け寄る峰さんたちと笑い合う一幕もありました。

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あれから3年…。お世話になった峰さんの元に、ビデオレターを届けます。
峰さんからいただいた大漁旗を、いつも目に入るようリビングに飾っているキャーラさん。いただいたTシャツを着ると、お店を思い出すそう。実は帰国後、峰さんの影響で干物作りを始めていました。この日はキスの干物作りに初挑戦。数時間太陽の光を当てて、自然に乾くのを待ちます。イタリアで手に入るアジやタイなど5種類の魚で作り、少しずつコツも掴んできたといいます。「嬉しいな、真似されるって。自分が誇りに思える」と峰さん。

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ニッポンの魚料理にますます情熱を燃やすキャーラさん。コロナによる3回のロックダウンで、最近まで自宅にこもる日々が続いていたそうですが、イタリアでは1回目のワクチン接種率が40%を超え、キャーラさんが暮らすヴィチェンツァでは、4月に外出禁止令が解除されました。
そこで、キャーラさんがヴィチェンツァを案内してくれることに。ヴィチェンツァはルネサンス期の建築物が数多く残る、世界遺産の街。いつか峰さん夫妻が来た時にご馳走したいグルメと、どうしても見せたい名所があるそう。

まずは料理から。サルデ・イン・サオールは、イワシのフライを炒めた玉ねぎなどと酢漬けにした郷土料理で、ニッポンの南蛮漬けの原型ともいわれています。もう一つは、ヴィチェンツァ風バッカラ。バッカラはタラの塩漬けを乾燥させた干物で、それをミルクとチーズで煮込んだ料理です。
続いて、街のシンボル「オリンピコ劇場」へ向かいます。およそ500年前に建てられた世界最古の屋内劇場で、この劇場の見どころは天井! 白戸の穴洞窟のような青色が広がります。「ここに来るたび、長崎の景色を思い出します。一日も早くニッポンに戻って、峰さんたちに会いたいです」とキャーラさん。

と、ここで、遠く離れた峰さんとの絆を、もう一度中継で結びました!

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「元気しとった?」「元気です!」、3年ぶりの再会を喜び合い、別れ際にキャーラさんが転んだ話になると、「お尻はしばらく痛かったです」「そうやろね」と笑い合う一幕も。キャーラさんはアジフライのイベントをする時、必ず野母町や峰さんの話をしているそう。

楽しい雰囲気で話していると、峰さんから「ビックリせんでね? お店たたんじゃった」と思わぬ報告が。「割烹 大樹の海」は、コロナの影響で1年前に閉店してしまいましたが、いつかまた再開する予定だそう。ビデオレターを観て、「感心と同時に、また早く店を再開したい気持ち」と峰さん。閉店を悲しむキャーラさんでしたが、「2人ならきっと、店を再開してくれると信じています」とエールを送りました。

キャーラさんをニッポンにご招待したら、イタリアでアジフライの魅力を伝え、干物が作れるまでに成長していました!

6月21日(月)夜8時からは「世界!ニッポン行きたい人応援団」を放送!

これまで番組には、島国ニッポンで育まれた食文化を愛する外国人の方々が数多く登場。
そこで今回は【ニッポンの味を愛する外国人SP】を放送! 驚きの近況報告も!

▼味噌を愛してやまないアメリカ人女性。約4年前、ニッポンにご招待。天然醸造にこだわった昔ながらの味噌作りを学んだ。

▼うどんを愛してやまないウルグアイ人女性。独学でうどん作りに挑戦するも、「これは食べ物じゃない!」と酷評されてしまった彼女を、約5年前ニッポンにご招待。うどんの本場・香川県で麺の打ち方や出汁の作り方を一から学んだ。そんな彼女からお世話になった皆さんに感謝のビデオレターが届く。帰国後、驚きの進化が! さらに、ウルグアイとニッポンをネットでつなぎ、感動の再会も!

どうぞお楽しみに!

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