ラードもパン粉もすべて手作り! 「かつ丼」の名店が”企業秘密のタレの配合”を大公開:世界!ニッポン行きたい人応援団

公開: 更新: テレ東プラス

古民家を再利用して、田舎暮らしを体験できる宿を手がけたい!

続いてご紹介するのは、アメリカの自然豊かな街、デンバーに住むヴァレリアさん。初めて出会ったのは、4年前に開催された「ジャパンボウル」。「ジャパンボウル」とは、ニッポン好きの高校生ナンバーワンを決めるクイズ大会で、アメリカ全土から予選を勝ち抜いた38校が競い、上位5位に入れば副賞としてニッポン行きのチケットがもらえるのです。当時17歳の女子高生だった・ヴァレリアさんは、2000キロ離れたテキサスから、トリーさん、ダフニーさんと一緒に参加していました。

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力を合わせてクイズに挑んだものの、惜しくもニッポン行きのチケットは獲得できず。スタッフは後日、ヴァレリアさんたちが通うテキサス州・ウッドランズ高校へ。日本語の授業は選択科目で、約100人の生徒が学んでいました。こちらの高校では、毎年ニッポンの高校との交換プログラムで語学研修のツアーがあるそう。ヴァレリアさんたちにも、再びニッポンに行けるチャンスが訪れていました。

ところが、「私は今年行けなくなったんです。家庭の事情で…」とヴァレリアさん。その理由をお母さんに聞いてみると…「夫がリストラに遭い、会社をクビになりました。私たちは再びアメリカのビザを取得するため家族4人でロシアに戻らないといけません」とのこと。実は、ヴァレリアさん一家はロシア人。4年ほど前、お父さんの仕事の関係でロシアを離れ、アメリカで暮らしていました。「娘には申し訳ないのですが、今は経済的にニッポンに行くことを諦めるしかない。再就職出来たら…必ず連れて行ってあげたいと思います」と涙ながらに話すお母さん。

「残念ですがしかたありません。でも親友が行けるので、それだけで嬉しいです」と涙をこらえて話すヴァレリアさんの部屋を見せてもらうと、ニッポンに関する書籍やアニメグッズ、空手でとった数々のメダルが飾ってありました。

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空手がきっかけで日本文化に興味を持ったというヴァレリアさん。「私はニッポンの古民家にとても興味があります。今は新しいものが何でも手に入る時代ですが、ニッポンでは古民家を壊すのではなく再生利用していると知って“素晴らしい”と感じました」と語ります。ニッポンで古民家を活かした暮らしが見たいそう。そんなヴァレリアさんをニッポンにご招待!

向かったのは、秋田県南部にある羽後町(うごまち)。夢にまで見た古民家暮らしを体験させていただくことに!

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お世話になるのは、築350年、江戸時代初期に建てられた古民家。1973年に国の重要文化財に指定された後も住居として使われ続けています。優しい笑顔で出迎えてくださったのは、第46代目当主・鈴木杢之助(もくのすけ)重廣(しげひろ)さん。

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「46代目なんて、すごい歴史を感じます」と驚くヴァレリアさん。鈴木家のご先祖は、800年以上前、牛若丸の名で知られる源義経に弁慶とともに仕えた鈴木三郎(さぶろう) 重家(しげいえ)。

「どうぞ入ってください」と案内されたのは囲炉裏。もちろん現役で、昔ながらの道具類も大切に使われています。歴史的にも貴重な文化遺産で、今もなお生活が営まれているというから驚きです。お話をしていると、挨拶をしてくれたのが47代目になる鈴木重光くん(当時3歳)。

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鈴木家には、他に長女のひかりちゃん(当時7歳)と次女のあかりちゃん(当時6歳)がいます。ヴァレリアさんは囲炉裏の上にある木の格子が気になったよう。「上から吊るされているのは何ですか?」と尋ねると、「火棚っていいます。熱気で物を乾燥させたり、冬場に食べる食料を薫製にしたりする棚です」と鈴木さん。

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秋田名物・いぶりがっこは、火棚に吊るして燻したのが始まりだそう。さらに、囲炉裏の煤が柱や天井に付くことで虫が寄り付かず、家の耐久性も上がるといいます。火棚の説明を聞いたヴァレリアさんは「一つひとつに意味があるんですね」と感心。すると重光くんがやって来てヴァレリアさんを遊びに誘います。一緒に紙飛行機で遊んで、すっかり仲良しになったよう。

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かつて馬を飼っていたという土間へ行くと、餅つきの準備中でした。ヴァレリアさんに古民家の暮らしを少しでも多く体験してもらいたいと用意してくれたのです。親戚や近所の方も応援に加わり、杵と臼を使った昔ながらの餅つきが始まります。ヴァレリアさんも初挑戦!

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子どもたちの元気な「よいしょー!」という掛け声が響きます。お餅がつき上がり、おばあちゃんと一緒に手を濡らしてお餅を切り分けていきますが、切り分けたそばから食べてしまう子どもたち。ヴァレリアさん、重光くんが勧めてくれた黒すりごまのお餅を食べてみると…。

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夜は夏の風物詩である花火を体験し、10時に就寝しました。

翌朝。卵焼き、小松菜のおひたし、定番の塩鮭…家族揃っていただくニッポンの朝ごはんを体験します。

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ヴァレリアさん、初体験の納豆にもチャレンジ。一口食べて…。

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と、思わずこの表情に。ちょっと苦手だったようです。子どもたちが小学校と幼稚園に行くのを見送ると、ヴァレリアさんは鈴木さんの知り合いのお宅へ。昨日、鈴木さん宅で昔の釜を見つけた際「釜で炊いたご飯を食べることは出来ますか?」と聞いていたヴァレリアさん。釜は穴が開いていて使えなかったのですが、鈴木さんは「竈(かまど)で炊いたご飯を食べさせてあげたい」と、釜を貸してくれるお宅を探してくださっていたのです。

早速、貸していただいた移動式の竃を使って準備開始。ふたを洗い、竈の煙を外に出すための煙突を用意していると子どもたちが帰ってきました。お米を水に浸している間、子どもたちと畑に行ってエンドウ豆やカブを収穫。庭に戻ると竈に火が入り、いよいよ釜炊きです。しかし!30分経った頃、奥さんが「焦げ臭い、焦げ臭い!」とやってきました。どうやらちょっと火が強かったようです。鈴木さんが様子を見ようとふたをずらすと、奥さんが「開けちゃダメ! 炊きすぎ、炊きすぎで真っ黒っけっけ」。

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この騒ぎを聞いておばあちゃんも出てきました。「何やってんだべ! お前らついてたんじゃないのか!」。釜炊きはまさかの失敗に…。

翌朝。ヴァレリアさんのために、再び釜炊きに挑戦! 今日は唯一の釜炊き経験者であるおばあちゃんが強力な助っ人にきてくれました。「コツはありますか?」と聞くヴァレリアさんに、「始めチョロチョロ 中パッパ。赤子が泣いてもふた取るな。そんな感じでやれば間違いないと思う」そう教えてくれました。

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40分後。ふたを開けると…今度は上手に炊けています!

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ご飯は、釜ごと囲炉裏へ。炊き立てのご飯に、採れたての野菜を使ったおばあちゃんの手料理をいただきます。昨日収穫したカブとエンドウ豆は味噌汁になりました。

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「昨日の失敗があったからこそ今日は上手く出来たんだと思います。感謝の気持ちでいただきます」とヴァレリアさん。

3日間、古民家ならではの体験をさせていただいた鈴木家の皆さんとの別れの時。

「鈴木さんからのおもてなし、家族のように過ごした時間は一生忘れません。つまらないものですが絵を描きました」と手渡した1枚の絵。鈴木さん一家6人が、囲炉裏を囲んでいます。

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「手前の座布団は滞在中ずっと私が座っていた場所で、また帰ってきたいという願いをこめて空けてあります」とヴァレリアさん。鈴木さんは「飾るべ。今度ここに来る時は『ただいま』と言って…。行ってらっしゃい」と伝え、涙を浮かべながら別れを惜しみました。

あれから4年。ヴァレリアさんから届いたビデオレターを鈴木家のもとへ届けます。3人のお子さんもすっかり大きくなっていました。「こんにちは、ヴァレリアです。鈴木家の皆さん、お元気ですか? 杢之助さん、光子さん、ひかりちゃん、あかりちゃん、重光くん、4年前はお世話になりました」

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ビデオレターが始まるやいなや「いやあ、顔見れてよかったなあ」と、早くも涙ぐむ鈴木さん。

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「ニッポンの家族の写真です。毎日無事を祈っています。二人の妹たちは元気かなと、よく思い出していますよ」と宝物ヴァレリアさん。いつでも目に入るよう、リビングの暖炉の上に飾ってあるそう。鈴木家での古民家暮らしは今でもよく思い返していて、「数百年も続いている古民家に行くと聞いて、始めはとても緊張しました。でも、重光くんたちが部屋で跳び周っても家族が笑っていたので、気が楽になったのを覚えています」と振り返ります。

帰国後は、月に数回日本食を作っているそうで、「おばあちゃんが教えてくれた竈のご飯の炊き方は覚えています。“始めチョロチョロ 中パッパ 赤子泣いてもふた取るな”」と話してくれました。高校卒業後は、世界大学ランキングに名を連ねるテキサス州の名門大学に進学。大学では、古民家やニッポンの知識をさらに深めたいと日本語学科を専攻し、卒業した今も毎日日本語の勉強をしているそう。

「羽後町の皆さんは、自然と共に暮らす素朴で心が温かい方ばかりでした。鈴木さんたちに出逢って、都会にはない田舎暮らしの魅力を改めて知りました」。ニッポンの田舎暮らしに憧れ、帰国後も自然が多い国立公園などを巡るうち、ある想いが生まれたといいます。「出来れば古民家を再利用して田舎暮らしを体験できる宿を手がけてみたいです」と話すヴァレリアさん。「自然が好きなら秋田でもいいんじゃないの? こっちで古民家再生してもいいんじゃない? 待ってるから」と笑顔で話す鈴木さん。

そしてここで、21歳になったヴァレリアさんから、ニッポンのお父さんである鈴木さんに報告が!
ポーンとソファに飛び込んできたのは、ボーイフレンドのライアンさん。

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奥さんが「21歳だったら結婚?」というと、「それはわかんないべ! ライアンさんは何をやっているの? 彼氏か〜なんか父さんのような感じがするな」とちょっと複雑な表情の鈴木さん。

最後に、鈴木家のみなさんに日本語で書いた手紙を読みます。「鈴木さんご一家に会えたことは私の喜びです。また会えることを心から信じています。その日が来るまで、皆さんどうかお元気で…」これを聞いて、鈴木さんはまたもや涙…。

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「またいつでも来れるように待っているつもりだし、結婚して子どもが生まれてからも、たぶんこの家はずっとあるから…」と鈴木さん。実は鈴木家にも、ヴァレリアさんとの出会いで変化が起きていました。古民家の魅力をもっと知ってもらいたいとの想いから、重要文化財である自宅で古民家民泊を開始したのです。2年間で50組以上の外国人が訪れたそう。

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この後、ヴァレリアさんと鈴木家をリモートで繋ぎ、最後に鈴木さんは「ここは変わってないから、いつでも帰ってきて」と温かいメッセージを贈りました。

ヴァレリアさんをニッポンにご招待したら大学で日本語を専攻し、“古民家を再利用した宿を開く”という夢に向かい、歩み始めていました!

10月12日(月)よる8時放送! 月曜プレミア8「世界!ニッポン行きたい人応援団」は…。

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▼せんべいの作り方を学びたいイタリア人女性
約2年半前、ニッポンにご招待。その際、創業113年の小宮のせんべいで伝統的な草加せんべいの作り方を学んだ。また創業65年の上舘せんべいで、小麦粉から作る南部せんべいの極意も。そんな彼女からビデオレターが届く。ニッポンの職人が感心する工夫とは? そして、せんべいにまつわる「新曲」を発表!?

▼弓道を愛すポーランド人女性
約4年前、ニッポンにご招待。その際、全国トップレベルの強豪校・甲南大学 体育会弓道部の練習に参加した。そして職人歴50年の弓師に、国の伝統工芸品に指定されている都城大弓の製作工程を見学させていただいた。そんな彼女からビデオレターが。驚きの練習方法を実践し、さらなる進化を遂げていた…!

どうぞお楽しみに!

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