メキシコ系VS黒人系 全米一危険な街で殺し合うギャングのヤバい飯

公開: 更新: テレ東プラス

ヤバい人たちのヤバい飯を通して、ヤバい世界のリアルを見る、話題の深夜番組「ハイパーハードボイルドグルメリポート」。7月15日(月・祝)夜9時からの初のゴールデンタイム放送に先駆け、これまでの内容を振り返る。

今回は、第2回「全米一危険な街で殺し合う極悪ギャング双方のアジトに潜入!」(2017年10月10日放送)をお届け。

L.A.で1番デカくて凶悪なメキシコ系ギャング

番組MCの小籔千豊が「アウトローの"美味しんぼ"ですよね」と称する今回、舞台となるのはロサンゼルス・サウスセントラル地区。殺人事件が週に1件発生する超デンジャラスゾーンで、街の壁には「遊びで撃った」という無数の銃痕が。

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まずは、「L.A.で1番デカくて凶悪なギャング」と言われる、構成員約3000人のメキシコ系ギャング「フロレンシア13」のアジトへ。案内してくれるのは元ギャングのボス・シクストとアルフレッド。

この地では、メキシコ系ギャング「フロレンシア13」と、黒人系ギャング「クリップス」が激しい抗争を繰り広げている。この10年間の抗争における死者は、両ギャング合わせて、およそ200人。2人は、抗争で多くの仲間を失い、ギャングを抜けたという。

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アジトでは、現役ギャングの"タトゥーマン"ことルイスが女性たちにタトゥーを彫っていた。「フロレンシア13」では背中に「F13」と彫り、忠誠心を示すのだ。そして女性たちは、刑務所にいる夫を待つギャングの妻たちだった。

グルメリポート① ギャングのワイルドおやつ

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「これ食ったことあるか?」とルイスが取り出したのは「トゥナ」というサボテンの実。ライムと、たっぷりの唐辛子をかけてかぶりつく。

さらにルイスは、ビールにも唐辛子をたっぷりかけて飲む。ルイスに勧められ唐辛子たっぷりのトゥナ&ビールを試した取材ディレクターは「美味い!」。

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続いて、ルイスに連れられ向かった先は薬局。店内に一歩入った瞬間、強い匂いが。

「今日はアッパー系がいいかな」
「おすすめはチョコレートかな」
店員と会話しながら、商品を試すルイス。

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実は、ここはマリファナ屋。アメリカでは州によっては医薬用大麻が許可されており、リウマチを抱えるルイスは使用免許を持っているという。13歳からマリファナを吸っているというルイスは、早速一服し「最高だ!」。

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ルイスに「イイもの見せてやるよ」と言われ、夜7時に再びアジトを訪れると、そこには銃が。妻の護身用に銃を買ったという男が言う。「銃は撃たないほうがいい。一回撃つと虜になる」。

アメリカには3億丁の銃が存在し、年間約3万人が命を落としている。

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「なぜギャングになったのか?」と問うと、「ギャングっていうのは好んで入るんじゃなく、育った環境でなるんだ」とルイス。この街で生まれ育ち、13歳で初めて刑務所に入ったことで、「そこから俺の人生は変な風になっていった」と振り返る。何度も死にかけ、何度も刑務所に入っているルイスは、「家族には本当に迷惑をかけている」と。ルイスは5児の父親でもあるのだ。

グルメリポート② ギャングの帰れぬ故郷飯

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夕食は、メキシコ系移民が暮らすエリアにある老舗メキシコ料理店「Senor Taco」へ。ルイスが子供の頃から通っているそうで、店を切り盛りするおかみさんは「小さい頃はいい子だったわ」と笑う。

ルイスは、いつも食べるというメキシコ系の大定番「ナチョス」(約700円)をご馳走してくれた。トルティーヤチップスに牛ひき肉&チーズをのせ、アボカドソース、サワークリーム&チリソースをたっぷり。ボリューム満点だ。

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ここにライムをしぼり、さらに追いチリソースをたっぷりかけるのがルイス流。
祖父の前の代からアメリカに移り住み、生まれた時からここで育ったルイスは、メキシコには行ったことがない。「でも、やっぱりメキシコの血が流れているんだよ。だからこれは特別なんだ」と、故郷の飯を頬張る。

ここで「なぜギャングは殺し合うのか?」と質問をぶつけてみると、「やられたらやらなきゃいけない」とルイス。さらに「人を殺したことはあるのか?」と突っ込んだことを聞こうとしたが、ルイスははっきりとは答えなかった。

全米最大級の黒人系ギャング

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次に、対立する黒人ギャングの飯を見に行くことに。
メキシコ系ギャングのエリアからたったの1km、車でわずか5分の距離に黒人系ギャングのエリアがある。ここは黒人の貧困層が暮らす市営団地で、全米で最も危険な場所と言われている。

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構成員約11000人の、全米最大級の黒人系ギャング「グレープ・ストリート・クリップス」。2000年代に日本で流行したカラーギャングの本家と呼べる集団で、紫をチームカラーに掲げている。

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案内役の「クリップス」現役メンバーGDは、「どの瞬間に襲われるかわからない。今撃たれるかもしれない」と、この街の危険を説く。ここでは3日に1度は発砲事件が起きるそうで、道のいたるところに、そこで亡くなった仲間の名前が書かれている。

グルメリポート③ ギャングが作る"ギャングバーガー"

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GDに連れられて行った店は、2016年、黒人の貧困エリアに開業した地域唯一のハンバーガー専門店「Loco L(ロコ・エル)」。店員全員がギャングメンバーだ。

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GDのオススメは「フライドチキンバーガーセット」約900円。とにかくオーガニックにこだわっているそうで、「安い肉じゃなくて体に良い肉を食える」とGD。敵対する同士で殺し合うギャングが、オーガニック!?

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11歳でギャングに入ったというGD は、強盗などを繰り返して人生の大半を刑務所で暮らし、3日前に出所したばかり。

「生まれたときからこの環境で育ってるから"今日死ぬかもしれない"っていうのが普通なんだ。これが最後の食事になるかもしれない」

毎日が最後の晩餐。ギャングたちのオーガニックに対するこだわりは、1食の重みからくるものだったのだ。

黒人だというだけで警察に射殺される!?

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翌日、「クリップス」のボス・スコーピオと対面。
まずは驚くべき話が。前日会ったギャングの下っ端キルビルが、撮影スタッフが帰った後に逮捕されたという。GDは、逮捕の瞬間の映像を見せてくれた。

「逮捕のときが一番ヤバイ。警察は黒人をすぐ殺す」

抵抗しなくても黒人だというだけで射殺されることがあるため、メンバーで警察を囲んで逮捕の瞬間を撮影するのだという。

ここでスコーピオが、夫から暴力を受けた娘のもとに駆けつけることになったため、現役のギャングメンバー・バウワウにバトンタッチ。

グルメリポート④ ギャング安らぐお袋の味

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バウワウと向かった先は、ギャングたちのおばあちゃん的存在の家。突然の訪問にも関わらず「もうできるから食べてって」と気さくなおばあちゃん。居場所のない子どもたちに無償でご飯を食べさせているのだ。バウワウも子どもの頃からここに通っているそうで「ここに来ると落ち着く」と。

抗争で死んだ弟をはじめ、親族もたくさん殺されたというバウワウは、「ギャングになって良いことなんて何もない。もしどこか遠くで全く違う人生が送れるなら、今すぐ行きたいよ」と本音を。

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お待ちかねの今日のメニューは「フライドチキン&ピラフ」。「フライドチキン」は、牛乳で煮込んでから揚げているのでジューシー。付け合わせは、塩茹でしてから炒めたブロッコリー。ピラフにはパスタが入っていて、日本のそば飯のよう。

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「うまい! この味付けが正解」
険しい顔をしていたバウワウも、この時ばかりは表情が緩む。

ギャングはいつから争っているのかと問うと、「誰もわからないくらい昔から。どっちが先に殺したかはわからない」とバウワウ。世代を越えて復讐が連鎖しているのだ。

「ギャングは一度入ると抜けるのが難しいんだ」

多数の逮捕歴のあるバウワウは、33歳のときグラミー賞歌手から400万円を強奪し、6年の刑期を経て半年前に出所した。この事件がきっかけで妻には愛想をつかされ、以来3人の子供たちとは疎遠に。10年前に作ったというパスポートを見せながら、「いつか子供たちと海外に行きたい」と話す。

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現在無職のバウワウ。今は仕事を探しているそうで、「もうすぐ学校が始まるから、服とか文房具が必要になる。それを買ってやれない自分が不甲斐ないよ」と思いを吐露。子どもたちに会いたくなったバウワウは、妻の許可がないまま、別居する家族の家へ向かうことに。突然の父親の訪問に子どもたちは喜んで迎えてくれたが、妻の反応は?

番組MCの小籔も「こんな考えさせられる番組とは思わへんかったわ」と口にしたこの続きは、「ネットもテレ東」で! 今回紹介した#2をはじめ、これまでの放送を期間限定で無料配信中!

ケニアのゴミ山、ボリビアの人食い山のヤバい飯

ギャラクシー賞受賞の異色の"グルメ番組"。「あまりにもヤバすぎる」と一時制作ストップしていた本番組が1年ぶりにゴールデンで復活! 7月15日(月・祝)夜9時放送の「ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート」では、ケニアのゴミ山で肺を病みながら暮らす青年や、南米ボリビアの"人食い山"と呼ばれる鉱山で命をかけて働く炭鉱夫、ブルガリアのドナウ川でのキャビアのためチョウザメを狙う密漁者というディープな人々を徹底取材!

出演は前作に引き続き小籔千豊。ゲストは有吉弘行。さらに番組初の試みとして、ディレクター陣による副音声の生放送を実施。

テレビ東京の公式YouTubeチャンネルにて、番組オリジナル動画を世界配信! 最新作を見る前に、ここでしか見られないオリジナル動画を!
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