向井理 家族ができ、心境に変化…40代を迎えて、いま思うこと

公開: 更新: テレ東プラス

金曜夜8時から、テレビ東京開局60周年 ドラマ8「テレビ東京×WOWOW 共同製作連続ドラマ ダブルチート 偽りの警官 Season1」を放送!

大きな社会問題となっているさまざまな詐欺被害をテーマに、警察官でありながら詐欺師でもある異色の主人公・多家良啓介が、法の目をかいくぐり、悪事を重ねる詐欺師たちをだまして裁くクライム・エンターテインメント。

【動画】ドラマ8「ダブルチート 偽りの警官 Season1」予告

テレ東と数多くのヒット作を生み出してきたWOWOWの初共同製作となる今作。
主演に向井理、脚本に𠮷田康弘、監督に河野圭太など、数々の話題作を手掛けてきたクリエイター陣を迎えておくる。

「テレ東プラス」は、主人公の多家良啓介を演じる向井理にインタビュー!

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さまざまな顔を持つ多家良を演じる難しさ


――向井さんが演じる多家良は、警察官という表の顔と、詐欺師を騙す詐欺師Kという裏の顔を持つ主人公です。クランクインした今、どのようなことを感じていますか?

「多家良は、毎回詐欺師を騙していきます。その相手に対して効果的な職業を選んでなりすますので、2つの顔というよりは、複数の顔を持っているというイメージで演じています」

――複数の顔を持つ多家良を、どのように捉えましたか?

「“人間は多面的で社会的な生き物”ということを表しているキャラクターだと思います。イメージとしては、手塚治虫先生の『七色いんこ』を頭に置いています。この漫画がすごく好きで、おじいちゃんから女性まで、どんな役でも演じられる舞台俳優兼泥棒の主人公が、毎回違う役をしっかり演じることに重きを置いた物語なんです。
作品の世界観は違いますが、この漫画のように1話1話違う人を演じ切ることができれば、目指すゴールが見えてくるのかなと。

また、多家良の言葉使いが相手によって変わるところも、このドラマの一つの面白さだと思っています。詐欺師Kの師匠&相棒である矢柴(荒川良々)の前で見せる顔と、詐欺師たちに見せる顔は全然違いますし、詐欺師Kとして演じるキャラクターも、回によって異なります。
多家良というキャラクターが一人の人間に見えるように演じるのはすごく難しいんですけど、それが僕の中でモチベーションになっている気がします」

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――撮影では、どんなことを感じていますか?

「各話ゲストで来てくださる俳優さんは、過去に共演したことある方が多いので、その距離感はいつもの作品と違う感じがします。皆さんが受け止めてくださるので、気楽です(笑)。
一番近い距離にいるのは荒川さんなんですけど、二人でしゃべるシーンを、1日で台本10ページ分撮影したこともありました。それも楽しかったですね。荒川さんとここまでがっつり共演するのは初めてですし、プライベートで酔っぱらっている姿しか見たことがなかったので(笑)、とても新鮮です」
――主演として、現場で心がけていることなどあれば教えてください。

「僕は、ムードメーカーになるタイプじゃないんですよ。みんなのバランスを見ることはあっても、自分から率先して盛り上げて引っ張っていくリーダーとは違うと思います。そんな自信もないですし、自分ができることは、いただいた台本をしっかり理解して、必要な知識を自分なりに勉強して、役として表現することだと考えています。そこから+αとして、人間関係を大事にしていく…。でも、いい作品を作るために、周りの人たちと冗談が言える仲になる、いろいろなことを話し合える仲になることは大事だと思います。

作品によっては、座長然としなければいけない時も、確かにあります。例えば、大人数が関わる舞台の場合、誰かが決めないと物事が進まないので、座長として決断することも。そういう意味では、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』をやらせていただいたことは、とてもいい経験になりました」

――BSテレ東のドラマ「婚活探偵」(2022年)で、向井さんが演じたハードボイルドな探偵・黒崎もとても印象的でした。結婚したくていろいろ頑張る黒崎、でもその努力がどこかズレている…回を重ねる毎に愛おしくなりました。向井さんにとって、どんな作品でしたか?

「僕があの作品でやりたかったのは、一生懸命やっている人の滑稽さで笑ってもらうことでした。こちらから笑いを取りに行く姿勢が一つでもあると、その一生懸命さが偽物になってしまう気がしたんです。監督とは『コメディーとして演じるのではなく、とにかく一生懸命やる』そんなことをよく話していたと思います。コメディーだけど、あえてコミカルに演じない…という思いが一番強かったですね」

――40代に入りましたが、年齢を重ねて変わってきたところはありますか?

「年齢というよりは、家族ができて変化したような気がします。仕事を選ぶ時も、家族のことが頭の片隅にありますし、休みの取り方もまったく変わりました。当たり前ですけど、親としてしっかりしないといけない。今までふらふらしていたわけではないけど、意識を変えないといけないなと。
意識という意味では、ファッションや言葉遣いにも言えることで、年相応でありたい。少なくとも実年齢以下に思われる言動はできないなと思っています。42歳って、自分が子どもだった頃を振り返ると、相当な大人でしたからね(笑)。自分もそうありたいなと思います」

(撮影/uufoy 取材・文/伊沢晶子)


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【向井理 プロフィール】
1982年2月7日生まれ。神奈川県出身。2006年、ドラマ「白夜行」で俳優デビュー。
2009年、「傍聴マニア09 裁判長!ここは懲役4年でどうすか」でドラマ初主演を務め、2010年に出演したNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が話題に。
NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国」、映画「僕たちは世界を変えることができない。」、ドラマ「S-最後の警官」、ドラマ「神の舌を持つ男」、ドラマ「パリピ孔明」など、多数出演。
パルコ・プロデュース 2024「ウーマン・イン・ブラック~黒い服の女~」(共演:勝村政信 2024年6月9日(日) ~ 2024年6月30日(日)。会場:PARCO劇場)に出演する。

【STORY】

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多家良啓介(向井理)は交番に勤務する親切な警察官。ある日、一本の通報が入り現場へ駆けつける。経営コンサルタント鹿野博之(勝村政信)が開催する融資相談会に現れた男が「騙された」と暴れていた。
その頃、警視庁捜査二課では特別捜査官採用で配属された宮部ひかり(内田理央)が、課長・岩合拓真(伊藤淳史)に着任の挨拶をしていた。簿記1級の資格を持つ元銀行員という異色の経歴で「詐欺被害を少しでも減らしたい」と熱く語るが…。
ひかりは早速、トラブルを起こした須永(小林隆)の元へ主任の山本寛太(結木滉星)と共に事情を聞きに行く。コロナの煽りで経営難に陥り、融資の相談を鹿野にすると、ある条件を満たせば5000万円の融資を受けられると言われていた。
結果、鹿野に1500万円を騙し取られた上に、「全国中小企業金融公庫」から融資返還の督促状が届く事態に。その現実に憤るひかりだが、警察から捜査されることになったのは須永だった――。
そんな中、多家良は近所でクリーニング店を営む矢柴等(荒川良々)の元を訪れ…。

【配信情報】
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【スタッフクレジット】
ヘアメイク:晋一朗(IKEDAYA TOKYO)
スタイリスト:外山由香里

 

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