「地下鉄が止まってる!飛び込みだって」妹の婚約者を愛した姉が自殺か!?

公開: 更新: テレ東プラス

【3行まとめ】
・サタドラ「春の呪い」第5話をプレイバック!
・春の冬吾への熱い恋心に触れた夏美は、冬吾との別れを決意してカフェで落ち合う
・だが2人は、激しい言い争いの末、思わぬ自殺騒ぎへと発展してしまい...

6月26日(土)夜11時25分からは、サタドラ「春の呪い」最終回を放送! 「テレ東プラス」では、第5話の内容をプレイバックする!

最愛の妹・春(桜田ひより)を亡くした立花夏美(髙橋ひかる)は、自分が知らない春の軌跡を辿るため、春の婚約者である柊冬吾(工藤阿須加)とともに思い出の場所を巡っていた。次第に惹かれ合う2人だが、夏美は春のブログに残された冬吾への激しい恋心に触れ、冬吾との決別を心に誓う。
一方、夏美との逢瀬を快く思わない冬吾の母・聖美(高島礼子)は、新たな婚約者として、はとこの柊真由子(結城モエ)との縁談を進めるのだった。

時は遡り、2020年の秋。いつ治るか分からない病と戦いながら、ひとり病室で葛藤している春。

harunonoroi_20210625_01.jpg
(もし私が死んだら、冬吾さんは別の誰かと付き合い始めるの? もしかして、それはお姉ちゃんなの?)

時おり病室で出くわす2人が、まるで昔から付き合っていた恋人同士のように意思疎通している瞬間がある。春はそんな2人を複雑な思いで見ていた。もし自分が死んでしまったら、冬吾と姉は付き合い始めるのだろうか...。そんな疑念に苛まれる。

(もし2人が付き合いだしても、死んでしまった私にはどうすることもできない。でも、そんなの嫌だ)

ある日、冬吾との初デートで撮った大事なツーショット写真を封筒に入れ、夏美に託した春。

「私に何かあったら、それを入れてほしいの」

「ダメだよ、そんなこと考えちゃ」

「持っておいてほしいの! どうしても」

真剣な表情で夏美に懇願する春。冬吾にはいつまでも生きていてほしいが、自分以外の誰かと付き合う未来は許せなかった。

(もしも私が死んで、その後お姉ちゃんが冬吾さんに近づきでもしたら...私は間違いなく2人を引き裂く。どちらかを連れて行かれるものなら、私は迷わずお姉ちゃんを選ぶ。お姉ちゃんを地獄に道連れにしてでも、私は絶対冬吾さんをお姉ちゃんには渡さない...)

「冬吾さんに心が揺れたことは認める。でも、もう冬吾さんには近づかない。信じて、春。私を恨まないで...」

罪悪感に苛まれる夏美は、春に冬吾との決別を誓うのだった。

とあるカフェにて。美味しそうにフルーツパフェを頬張る真由子の向かいで、冬吾が静かに紅茶を飲んでいる。

「ここ、実は大手の商社がバックにいるの。だから世界中で手に入れた旬の果物が、惜しげもなくふんだんに使われてるっていうわけ! 商社の社長に提案したの、実は私だけどね」

楽しそうに語る真由子だが、冬吾はパフェを見つめながら夏美と喫茶店で会った時のことを思い浮かべていた。生まれた時から人生のレールを敷かれ、その上を歩くよう聖美に言い聞かせられてきた。しかし夏美は、そんな自分に「それでいいんですか? 冬吾さんは」と問いかけてきた。

「冬吾さんにだって選ぶ自由があるんです」

「選ぶ自由? もし僕が柊の家に生まれてなかったら...」

「生まれてなかったら?」

「僕は...」

harunonoroi_20210625_02.jpg
そんな夏美との会話を思い出していると、真由子に「冬吾も食べてみる?」と声をかけられて我に返る。真由子がパフェをすくったスプーンを自分に差し出し、促されるまま口に含み、味わいもなく咀嚼する。

(そうしてみんな大人になる...。そう決まってる)

「美味しいでしょ?」と聞かれるが、力なく「ああ」とだけ答える冬吾。真由子は不満そうに「暗いよ、冬吾。相馬一族のエースがそんな顔してたら景気悪い」と頬を膨らませる。

数日後。冬吾との逢瀬は立花家の両親も良く思っておらず、黙って冬吾との待ち合わせ場所に出かける夏美。玄関でヒールを履いていると、義母の芳江(河井青葉)がじっと見つめていることに気づき、夏美は「なにか?」と尋ねる。芳江は微笑みながら「ううん、気をつけてね」と送り出した。

夏美が訪れたのは、冬吾と真由子がパフェを食べたカフェ。冬吾が到着すると、店内には居心地悪そうに座っている夏美の姿があった。

「こんなところにも来てたんですね、春と」

「春と来たことはない」

「え?」

「春との思い出の場所は、今まで行ったところで全てだ。つまり、僕とあなたが会う理由はなくなった」

固まる夏美。「春との思い出の地を巡りたい」と言ったのは夏美で、それが終わったら、この関係はなくなると思っていた。

(でも、私はいつしかそれを考えないようにしていた...)

さらに、最初に連絡をしてきたのは聖美の勧めだと思っていたが、冬吾は「母は知らない」と言う。聖美の目的はあくまでも春で、2人の関係を良く思っていない、だが冬吾に直接忠告してこないということは、「この関係が自然消滅するものと思っているからだ」と話す冬吾。

「すでに母の中では次の結婚候補が決まっているようだ」

「冬吾さんはいいんですか? またそれを受け入れるんですか?」

「相馬家の血筋は守り続けなければいけない」

「やめてください。私が聞いてるのは、冬吾さん自身の...」

「そんなものはない」

「そんなはずない! 冬吾さんは、ご自分の意思で私に連絡をくれたんですよね?」

「そうだ」

「なんで私に近づいてきたんですか?」

「僕は...」

「やめて」

「僕はあなたを...」

「やめて! 今でも春を好きだと言って!」

「僕はあなたに、ずっと前から好意を抱いていた」

「...なんで? なんでそんなことを今になって言うんですか? 今まで黙ってきたなら、最後まで黙っていてほしかった...」

「その必要があると思ったからだ」

「...必要?」

「僕たちには春がいる」

「......」

「春の記憶がついて回る。どこに行っても、いつになっても...」

冬吾はスマートフォンを出し、初デートで撮った春とのツーショット写真を見せる。2人の背後を拡大すると、ぼやけた夏美の姿が。

harunonoroi_20210625_03.jpg
「それは...春とあなたの初めてのデート。心配でついて行ったんです。でもそれだけです」

あの日、遠くから2人を見ていた夏美。春の充実した笑顔を見て、「春、幸せなんだよね? 幸せになるんだよね?」と呟き、帰って行ったのだった。

「春がいなくなっても、あなたはまだ春の幻を追いかけている。あなたが春を思う気持ちに、僕は勝てない。僕があなたに好意を抱いていることを伝えなかったのは、春のために全てを捧げて生きてきたあなたが、僕の気持ちに振り向くことはないと諦めていたからだ」

「......」

「春との思い出を巡りたいというあなたの望みを叶え終えたら、それで終わりにしようと決めていた。ただ、僕の気持ちを知ってほしかった。死のうなんて考えないでほしいから...あなたが死ねば、僕も死ぬ」

夏美は「冬吾さんには死んで欲しくないです」と涙を流す。冬吾はその言葉に心が動くが、「妹を想ってのことだろ? 僕を振り回さないでくれ」と突き放すように言う。

「春はもういない。死んだ人間は感情も消える。存在しない春と距離を置いて、あなた自身の目標を持って生きて欲しい」

「......」

そこに、「おまたせ!」と真由子がやってくる。冬吾は夏美のことを大学の後輩だと紹介し、その嘘にショックを受ける夏美。真由子は2人の空気に違和感を覚えつつ、「待ってるね」と外へ出ていった。

「あなたにとって妹の死がどれだけの喪失だったか...それを想うと」

「冬吾さん、早く行かないと。外で待ってますよ、次の婚約者が」

遮るように言う夏美。冬吾は何も言わず真由子の元へ向かう。振り返ると、夏美は虚な目で座っていた。

harunonoroi_20210625_04.jpg
「冬吾にデート先を決めさせたら、つまんないトコ行きそうだから...。これ、押さえといた」

ミュージカルのチケットを見せる真由子。しかし冬吾は、早くも夏美との別れを後悔していた。あれこれデートプランを提案する真由子と、ぼーっとしながら歩く冬吾。

「どうした? 今日の冬吾、とびきり暗い」

「すまない。精一杯楽しもう」

「学習したね、冬吾。そうこなくっちゃ!」

その時、「地下鉄が止まってる! 飛び込みだって」という通行人の声が聞こえ、冬吾はギクリと足を止める。真下にある駅で、若い人が電車に飛び込んだらしい。冬吾の脳裏によぎるのは、橋から川に飛び込もうとした夏美の姿。

harunonoroi_20210625_05.jpg
「早く行こう」と腕を引く真由子の手を振り払い、「急用を思い出した」と走り出す。真由子は「あいつとはやっぱ無理」と溜息をつくのだった。

人でごった返す地下鉄の駅構内へ駆け降りてきた冬吾。

「お前が死んだら、俺も死ぬぞ...!」

春の葬儀で、夏美が「お姉ちゃん、すぐに春のところに行くからね...待っててね」と亡骸に語りかけていたことを思い出す。不安にかられながら地下道を進むと、布を被せられた担架が運ばれてくるところに出くわす。

harunonoroi_20210625_06.jpg
「あの! 知り合いかもしれないんですけど、女性ですか?」

必死に救急隊員に声をかける冬吾。運ばれてきたのは夏美なのか...!?

6月26日(土)夜11時25分からは、サタドラ「春の呪い」第6話(最終回)を放送!

harunonoroi_20210625_07.jpg
柊冬吾(工藤阿須加)が交通事故に遭ったことを知った立花夏美(髙橋ひかる)は、「春! 冬吾さんを連れて行かないで!」と強く願いながら、急ぎ病院へ向かう。そこで冬吾が事故に至った思わぬ経緯を聞き、夏美は冬吾の愛の深さを噛みしめる。

「お姉ちゃんには冬吾さんを渡さない」――そうブログに真意を綴っていた春(桜田ひより)に罪悪感を抱きながらも、"呪われた恋"に飛び込んでしまった夏美。冬吾との幸せな未来は訪れるのか...?

PICK UP