現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」（毎週金曜夜10時）。
6月25日（金）の放送では、コロナワクチンの真実に迫ると共に、世界50ヵ国に住む100人の日本人に「ワクチンを打ったか？」「打ったならいつ、どこで？」「どこのメーカーのワクチンを打ったか？」などを緊急アンケート。
欧米諸国に比べ、圧倒的な準備不足によるワクチン接種の遅れ...。なぜ日本はこんなことことになってしまったのか。世界各国の状況を色々な角度から調べ、その理由を探る。
ワクチンで日常が戻った...各国から喜びの声が
日本で高齢者に向けたワクチン接種が始まったのが、2021年4月12日。昨日までに1回目の接種をした人は約15%。しかし、その回数は、OECD（経済協力開発機構）加盟38ヵ国中36位。なぜ日本は大きく遅れをとったのか。
ハワイ在住の梅田えみさんは「ワイキキは、以前と変わらないくらいになった」と話す。
街はアメリカ本土からの観光客であふれ、コロナ前に戻ったかのようなにぎわいを見せる。ここまで日常が戻ったのはワクチンの影響が大きいという。
5月18日、梅田さんは薬局の中にある接種会場で2回目のワクチン接種をした。
打ち手は、日本で見送りとなった薬剤師。スーパーや薬局、学校など市民が行きやすい場所にワクチン接種会場が作られている。
梅田さんは「マスクもはずしていいということになり、以前のワイキキと変わらないですね。"元の生活に戻ろう"という意欲を政府が一緒になって盛り上げてくれる」と話す。
イスラエル在住24年のタマル・ツェデックさんは、ユダヤ人の夫と4人の子どもとエルサレムに暮らしている。ワクチンは、今年の1月と2月に済ませたという。
人口923万人のイスラエルは接種スピードが世界一と言われる国。前の首相のネタニヤフ氏がユダヤ系アメリカ人のファイザーCEOに直談判、治験データをファイザーに提供することで優先的にワクチンを購入したという。
イスラエルの保健省の元長官によると、イスラエルがワクチン購入の交渉を始めたのは去年4月頃。日本では「アベノマスク」が全戸配布を開始した時期だ。
日本でも多くの人が打ち、世界でも安全性が一番認められているファイザーのワクチン。実はその開発の裏に、ドイツの医療ベンチャー「ビオンテック」創業者夫婦の存在があった。
番組では、ワクチンの開発者である「ビオンテック」のオズレム・トゥレシ博士に単独インタビュー。ワクチンを作ろうと思ったきっかけやファイザーと組んだ理由などを聞く。
中国では「もうコロナは遠い昔」
アメリカ・アラスカ州では、6月1日から3つの空港で観光客にワクチンの無料接種を始めた。ワクチンを受ける目的でやってくる外国人も少なくないという。
現地の旅行会社「A&Pツアーズ」で働くスキナー純子さんも、日本の旅行会社とのオンラインでの打ち合わせ中に「日本人が20人くらい受けに来ていると聞いてびっくりした」と話す。
テレビ東京上海支局・菅野陽平記者は、5月末に現地で1回目のワクチンを接種した。
中国は、すでに10億回の接種を終える、回数で世界一の国。町中では、予約なしでワクチンを受けられる場所が増えているという。
菅野記者は「中国で暮らしていると、コロナが遠い昔な感じがする。この国は何かをやるときの勢いのつけ方が肝の据わったやり方をしている。町の封鎖もそう。ワクチンを打つときのやり方も、とにかく勢いをつけて加速させていく。そういうところが中国の強さ」と伝えた。
約15万人の死者を出したイギリスでも、ワクチン接種が順調に進んでいる。
テレビ東京ロンドン支局の中村航記者がワクチンを受けたのは教会。ワクチンを打ったのは航空会社に勤めるボランティアの男性。「多くの皆さんにワクチンを打てるのは誇り。政府の政策にとても感謝している」と話す。
去年10月、イギリスは、一般の人でもワクチンを打てるように法改正。1月にはボランティアに対する訓練を始め、接種に遅れが出ないように準備していた。また、接種対象の優先グループを細かく区分するなど緻密な計画も。始まったはいいが、いつ自分の順番がくるかはっきりしない日本とは大きく異なる。
イギリスが他国と圧倒的に違う点は、ワクチン製造企業との契約の仕方だ。政治家でもなく、官僚でもない民間の女性が、ワクチンを買い付けたというのだ。民間の女性が、どのようにして大量のワクチンを買いつけたのか。
番組ではこの他、スペインやオランダ、スイスやフランスなどに住む日本人から街の様子や接種状況を聞く。世界の国々と比較して見えてきた「日本の問題点」とは？ 今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送。お見逃しなく！
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