ポケモンカードが500万円!コロナ禍でレトロおもちゃの資産価値が急上昇

公開: 更新: テレ東プラス

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2016年に20万円で発売された純金のポケモンカード。現在の販売価格は500万円ほど。

コロナ禍では意外なモノが売れて、資産価値にも変化が起きていますが「おもちゃ」にも影響が及んでいます。そのターゲットは「大人」です。懐かしのおもちゃ市場を取材しました。

埼玉・八潮市にある「イワコー」。ここで作られていたのは、今から40年ほど前に大流行した「スーパーカー消しゴム」です。ある人から注文を受けて、既に5万個を製造したといいます。

スーパーカー消しゴムを発注したのは、ソフトウェア開発の会社を経営する赤間保さん。

「車を買い始めたきっかけがこの消しゴム」という赤間さんが、懐かしいスーパーカー消しゴムを試しに作って売り出したところ、全国から注文が殺到しました。「超精密 スーパーカー消しゴム」の値段は4個入りで3520円。赤間さんによれば「かなりブームが来てるぐらい売れています」とのことです。

今、なぜ懐かしいおもちゃが売れているのでしょうか。

先月開かれた鉄道模型や精巧なプラモデルが揃う「静岡ホビーショー」をのぞいてみると、
プラモデル大手「タミヤ」のブースでは、30年以上前のモデルをデフォルメしたラジオコントロールカーが注目を集めていました。

1980年代に一大ブームを巻き起こしたラジオコントロールカー。当時は少年たちの憧れの的で、ブースを訪れた来場客の一人は「友達が持っていて、すごくかっこよくて欲しかったんですけれど、2万円を超えていたから諦めました。こうやって過去のものが復刻して出てくると、心躍ります」と話します。

ラジオコントロールカーの予想を超える売れ行きに、タミヤの広報は「テレワークの普及によって自宅で過ごす時間が増えた。昔作ったことがあるけれど、しばらくやってなかった人が『久しぶりに作ってみよう』とか『初めてだけどやってみよう』という人が増えているように思います」と話します。

8000億円台を続ける国内の玩具市場ですが、コロナ禍の巣ごもり需要で、20年度はさらなる伸びを予測。一方、世界トップである中国の玩具の輸出額は前年比で7.5%増の約3兆7000億円と、世界中で玩具が売れているのです。

今、おもちゃメーカーが狙うのはテレワークで時間に余裕ができた大人たちです。

出版社のデアゴスティーニ・ジャパンは今月、1980年代に大ヒットした海外ドラマ「ナイトライダー」で主人公の相棒として登場する電子頭脳を搭載した車「ナイト2000」を、8分の1スケールで忠実に再現し発売しました。完成まではおよそ2年、総額20万円ほどかかりますが、創刊号の売れ行きは好調だといいます。

「当時小・中学生だった40代の人から『ついにこれが出たか』と熱い声をいただいており、人気が爆発するんじゃないかと思っています」(デアゴスティーニ・ジャパンの担当者)

コロナによる世界的な金余りで中古玩具の価値が上昇

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「駿河屋」を運営するエーツーの本社を訪れると、買取を待つ中古玩具の入ったダンボールが山積みになっていた。

一方、中古のおもちゃ市場にも異変が起きていました。

全国に62店舗を展開する「駿河屋」。新宿マルイアネックス店長の渡邉裕介さんが見せてくれたマジンガーZのおもちゃの価格はなんと25万円。今、高額な中古のおもちゃが売れに売れているといいます。

「いわゆるフィギュアも含めたおもちゃ全般は非常に需要が高まっています。実際に売り上げも前年比で全体で20%上がっています」(渡邉さん)

中古のおもちゃ市場で、一体何が起きているのでしょう。駿河屋を運営するエーツーの本社を取材すると、買取査定待ちの中古のおもちゃが入ったダンボールが山積みになっていました。今、鑑定の依頼が急増しているのです。

たとえば景品として限定99個作られたビックリマンのフィギュアは、24万〜25万円の販売価格になっています。

エーツー商品部の宿島拓弥部長によれば「お金の流れとして株やこういった商品にも需要が流れてきて、資産価値として見直されて、販売が伸びています」とコロナ禍で美術品のように中古玩具の資産価値も上がっているというのです。

本来「かえんポケモン」とあるべきところが「かいりきポケモン」と誤植があるポケモンカードはプレミア価格がつき、買取価格はなんと110万円にもなります。さらに5年前に20万円で発売された純金製のポケモンカードは、販売価格が約500万円ほどにもなります。

コロナによる世界的な金余りで、中古玩具の資産価値もさらに高まっていくかもしれません。

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