夏美と冬吾は春の思い出の場所を辿り、次第に距離が近づいていく...そこで冬吾が起こした行動とは?「春の呪い」第3話をプレイバック!

公開: 更新: テレ東プラス

・サタドラ「春の呪い」第3話をプレイバック!
・夏美は、最愛の妹の婚約者だった男・冬吾とともに妹との思い出の場所を辿り、知らなかった妹の心に触れる
・次第に距離が近づいていく2人...冬吾は夏美にあるアドバイスをする

最愛の妹を亡くした主人公が妹の婚約者から交際を申し込まれる...複雑な想いが渦巻く奇妙な三角関係を描く、サタドラ「春の呪い」が毎週土曜夜11時25分から放送中!

原作は、2017年の「このマンガがすごい!2017オンナ編2位」に輝いた同名コミック。いけない恋に落ちる立花夏美を髙橋ひかる、夏美が溺愛する妹・春を桜田ひより、春の婚約者で財閥系御曹司の柊冬吾を工藤阿須加が演じている。

最愛の妹を亡くした夏美が恋をしたのは、妹の婚約者である冬吾だった! いけない恋に揺れる姉、妹の婚約者で財閥の御曹司である青年、恐怖の幻影として姿を現す妹、複雑な想いが渦巻く奇妙な三角関係の行方とは...?

harunonoroi_20210611_01.jpg
「テレ東プラス」では、毎週あらすじをプレイバック! 第3話の内容をお届けする。

(私がこの世で誰よりも愛していた妹、春。その春にはもう会えない。もっと春といたかった。もっと春を知りたかった...)

最愛の妹・春(桜田ひより)を亡くした立花夏美(髙橋ひかる)は、自分が知らない春の軌跡を辿るため、春の婚約者である柊冬吾(工藤阿須加)と思い出の場所を辿ることに。だが夏美は、冬吾に「春の代わりに結婚して欲しい」と告げられ、罪悪感と春への思いから川に身を投げようとする。夏美を助けた冬吾は...

「お前が死んだら、俺も死ぬぞ!」

夏美の視界に怖い顔の冬吾が飛び込む。川沿いのベンチに座ると、夏美は「違うんです」と取り繕う。

「じゃあなんなんだ」

「いや...あの、あれは」ごまかすように笑う夏美。

「笑うな! あなたは様子がおかしい時ほどよく笑う」

真顔に戻った夏美は、「死ぬなんて言わないでください」とつぶやく。

「冬吾さんが死んだら、春が悲しみます」

「あなたが死んでも春は悲しまないのか? 死んだ人間が悲しむなんてことはない」

「そんなこと言わないでください! 春はまだいます。私たちを見ています。冬吾さんの心の中にだって、まだ春はいるでしょ? 私といるの、春との面影を感じたいからですよね? そうですよね? そうだと言ってください」

目を逸らす冬吾。

「...春には申し訳ないと思っている。行くぞ」

「なんなんですか、その言い方! 春との結婚をただの契約ごとだったみたいに言わないでください。全部お家のためなんですか? 春の次に私。私と春は、あなたのお家のために生まれてきたんですか? あなたの人生を全うするために私たちが」

「違う!」

「そんなの嫌です! せめて、今でも春を愛してると言ってください...」

懸命に訴える夏美だが、冬吾は何も言わず立ち去ろうとする。

(私がこのまま冬吾さんについて行けば、春のことは忘れられずにいられる。でも、このままだとその思い出も壊してしまうのかもしれない...)

罪の意識から、ふと春の存在を感じる。ドキッとして振り向く夏美だが、そこには誰もいない。

帰宅した冬吾は、夏美と初めて出会った時のことを回想する。柊家と立花家の見合いの席で、夏美はひとり暗い表情で目を伏せていた。

(この人、なんでこんなに暗いんだ)

それが夏美の第一印象だった。しかし今では、その暗さの理由が分かる気がする。

春が入院した秋の日のこと。「9月なのに、暑いねー!」と病室に飛び込んできた夏美は、バタバタと服をまくる。しかし冬吾がいることに気がつくと、一瞬にして表情が変わりかしこまった。

「お姉ちゃん、作って来てくれた? お姉ちゃん手作りのお菓子、すっごく美味しいんです」

「ハードルあげないで、春」

harunonoroi_20210611_04.jpg
春に促され、手作りのクッキーを渡す夏美。無表情に見つめる冬吾に気まずさを感じた夏美は、「飲み物買ってくるね」と病室を出て行く。2人きりになり、「食べてください」とクッキーを差し出す春。

「春のために作ってきたものだろ?」

「いいんです。冬吾さんが食べてくれたら、お姉ちゃんもきっと喜びます」

クッキーを一枚取り、口に運ぶ冬吾。

「ほらね、美味しいでしょ? お姉ちゃん、本当に料理が上手なんです。短大も栄養科に通ったし」

「栄養士の資格を持っているのか?」

「ええ、私のために」

「春のため?」

「私、前から体が弱かったから、食べ物で治そうってお姉ちゃんが。全部私を思って決めてくれるんです。バイトも忙しいのに、私が寂しくならないようにって毎日顔を出してくれるし」

この時、冬吾は初めて夏美の過剰なまでの妹愛を知った。

(妹のために進路を決め、恋人も作らず、春に寄り添って生きていくつもりだったのだろうか)

妹の前では明るく振る舞う夏美だが、冬吾と二人になると態度を一変させた。

(徹底して視線を合わせない。可愛い妹を奪われたという、僕への恨みの現れだったのか)

病院の玄関前で、よそよそしい言葉遣いで冬吾を見送る夏美。深々と礼をするが、先ほど買った飲み物を入れた袋に気づき「忘れてた!」と声を上げる。

「飲み物を買ったの忘れてました。どれがいいですか? コーヒーもジュースもあります。そうだ、良かったら全部どうぞ!」

harunonoroi_20210611_05.jpg
そう言って袋ごと差し出す夏美。冬吾は戸惑いながらもそれを受け取り、「また近々」とその場を後にする。ふと足を止めて振り返ると、「お気をつけて!」と大きく手を振る夏美。それを見た冬吾は、クスリと笑う。

(僕は彼女に自分と似たものを感じていた。それは何なのか...)

harunonoroi_20210611_06.jpg

別の日。夏美が働くパン店を訪れた冬吾に、「なんでここに?」と驚く夏美。しかしすぐに、冬吾と約束していたことを思い出す。

「すみません! 忘れたわけじゃないんですけど、つい」

「構わない、忙しそうだな。それより髪がボサボサだぞ」

冬吾は夏美に手を伸ばし、前髪を撫でて整える。その様子を他のスタッフたちが見ていることに気づき、慌てて冬吾を外に押し出す。

harunonoroi_20210611_07.jpg
「本当にこんなところに来たんですか? 春と」

バイトを終え、冬吾に連れてこられたのは、川沿いにある野球グラウンドだった。

「冬吾さん、野球好きなんですか?」

「ここに来たがったのは春の方だ。落ちていたバットを拾って、打席に立っていた」

「春が? 想像できない...。春は運動なんか、体育の授業すら休みがちだったのに」

「春はぎこちないながらもバットを振っていた。何度も何度も、繰り返し構えては振っていた」

harunonoroi_20210611_08.jpg
(私の知らない春を見つけた。春は生きていた...)

夏美はバッターボックスに立つと、バットを構えて打つふりをする。その様子を見つめる冬吾。

焼きそばの屋台を見つけた夏美は、「冬吾さん、お腹空きませんか?」と尋ねる。

「どこかで食事するか?」

「いや、私の舌はソースになっています!」

harunonoroi_20210611_09.jpg
焼きそばを2つ買い、ベンチに腰掛ける。「やっぱり焼きそばはソースですよね〜」と頬張る夏美だが、冬吾は紅生姜をつまみ上げ、不思議そうに見ている。

「これをかけるのか? 初めて見る。これを食べるのも」

「嘘でしょ? ソース焼きそば初めてなんですか? お祭りとかで食べたことないんですか?」

「祭りには行ったことがない。家から禁止されていた」

「これは生姜です。分かります? 紅生姜。一緒に食べると最高ですよ。私は好きです」

意を決したように焼きそばを口に運び、「初めての味だ」と美味しそうに箸を進める冬吾。しかし、二人で楽しそうに焼きそばを味わっている様子を、何者かがカメラで捉えていた。

「春とはこんなことしたことがないな。いつも決まったところばかりだった。もっと色んなところに連れて行ってやれば良かった。僕は気が利かない恋人だった」

「そんなことありません。あなたとの約束がある時、春はとても楽しそうでした。春のことを全部知ってると思ってたけど、私には見せない春がいたんですね。野球場に来たがったり...」

「あなたに近付きたかったんだと思う」

「私に近づく?」

春は冬吾に、夏美が近所の子ども相手に野球をしたことを楽しそうに話していたという。しかしその姿は、どこか寂しそうでもあった。

harunonoroi_20210611_10.jpg
「春は嫉妬していたのかもしれないな」

「嫉妬?」

「あなたが野球をしている間、春はあなたを子どもたちに取られていた。それが悔しくて寂しかったんだと思う」

「それで...」

「思い出を取り返そうとしていたのかもしれないな」

春と野球をすることを想像し、微笑む夏美。

「春との会話で、あなたが出てくることは多かった。春にとってもあなたがたった一人の家族だったんだろう」

「私と春、いつか一緒に暮らそうってずっと夢見ていたんです」

「一緒に暮らす春はもういない」

ぴしゃりと言う冬吾に、夏美の顔から笑みが消える。

「死んだ人間は夢も消える」

「消えてない。春はまだいます。なんでそう冷たく割り切れるんですか?」

「そうしなければ時間が止まったままだからだ。あなたは春のために恋人も作らず、毎日バイトの合間を縫って春に付き添った。だけど、その春はもういないんだ」

言葉を失う夏美の頬に、涙が溢れて落ちる。

「これからどうするつもりだ? もう死のうなんて考えるなよ。もしあなたが死んだら、僕も死ぬ。3人ともこの世から消えて、だからといってどうってことはない。みんないずれ、いつか死ぬ。だけど妹にしか目を向けなかった人生で、それでいいのか? それで終わって、本当にいいのか? お店で働くあなたは、春のことを思い出さないよう忙しくしているように思えた」

「...私のバイト先、春から聞いたんですか?」

冬吾は財布から、パン店のロゴが入ったプリペイドカードを取り出す。

「春がこれをくれた。あなたが表彰されて貰ったって、嬉しそうだった」

思わず微笑む夏美。

「春と一緒に暮らす家の資金が欲しかったから頑張って...」

「その家は、必要なくなった。このまま一人で生きていけるか?」

「私に柊家に入れってことですか?」

「そうじゃない。あなたには今の家族がいるだろう」

「......」

「今の家、居づらいのか?」

夏美が黙って頷くと、冬吾は「それなら家から出ればいい。何も無理して家族と住む必要はないんじゃないか?」とアドバイスする。

同じ頃、立花家の電話が鳴り、義母の芳江(河合青葉)が出るが、電話をかけてきた相手は意外な人物だった...。

6月12日(土)夜11時25分からは、サタドラ「春の呪い」第4話を放送!

harunonoroi_20210611_11.jpg
柊冬吾(工藤阿須加)からの好意を感じ、キスを受け入れそうなった立花夏美(髙橋ひかる)は、そんな自分を戒める。「春(桜田ひより)から冬吾さんを奪ってはいけない」と。夜、帰宅すると、両親から「聖美(高島礼子)から冬吾とはもう会わないで欲しいと忠告を受けた」と聞かされる。そもそも2人の交際は聖美の希望ではなかったのか・・・? 動揺する夏美は、偶然、春がSNSに残したメッセージに気づく!

PICK UP