コロナでもこだわりを「アラスカ」「ロイヤルホスト」の次をも見据えた戦略:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)。6月11日(金)の放送では、長引くコロナの影響から少しでも脱しようとする飲食店の今を取材。

老舗洋食店がキッチンカーで営業「出ていってアピールするしかない」

営業時間短縮の要請で悲鳴をあげる飲食業界。苦境にあえぐのは、多くの著名人に愛された老舗洋食店も例外ではない。作家の谷崎潤一郎や菊池寛、女優の水谷八重子らが足繫く通った西洋料理の老舗「アラスカ」は、減少した売り上げを少しでも増やそうとキッチンカーでの営業を始めた。

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利用したのは、「ハウス食品グループ」が新たに始めたキッチンカーのレンタル事業。必要な人には仕込み場所も貸し出すサービスで、横断幕とパネル2枚が無償で提供される。
「アラスカ」は「ハウス」のキッチンカーを借り、東京・信濃町の住宅街に店を出した。メニューは、ビーフカレーをはじめ、ハンバーグやオムライスなど洋食の定番9品。
お客さんは「あのアラスカがやっているのかとびっくりした」「(アラスカのカレーが)1000円で食べられるのはすごい」と驚きの声をあげる。

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「アラスカ」は1928年に大阪で創業、現在は3代目の望月かおる社長が陣頭指揮をとる。「情報番組でハウスのキッチンカー事業を知り、これや! 出ていってアピールするしかないと思った」と、望月社長は語る。

キッチンカーを担当するのは、シニアマネジャーの佐藤佳典さん。出店から1ヵ月もすると、アラスカのこだわりの味がキッチンカーを停める近隣住民の間で話題になっていたが、佐藤さんの表情はさえない。理由は、その売り上げ。弁当の売値は、レストランの半額以下のため、ちょっと売れた程度では儲けが出ないと佐藤さんはいう。

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キッチンカー事業を続けるには、看板メニューがいる──。店に戻った佐藤さんは、総料理長らと新たな商品の開発に取りかかる。そこで浮上したのが、「アラスカ伝統のメニュー」。伝統のメニューとは、一体?

「ちょっと温度差はある」専門店の味を大量生産する難しさ

ロイヤルホールディングスはコロナで客足が激減し、全国473店舗のうち今年中に90店舗を閉める予定だ。
その打開策の一つとして進めているのが、ドリアやハンバーグなど、すでに49品を売り出している冷凍食品ブランド「ロイヤルデリ」の強化だ。

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統括料理長の西田光洋さんは、「ロイヤルの看板である肉で勝負がしたい」と、新たなメニュー作りに取り組んでいた。西田シェフが選んだのは、焼き肉でおなじみの牛ハラミ肉。比較的安価なことに加え、冷凍してもうま味が残ると考えたのだ。

西田シェフは、調理したハラミのステーキを食べて「うまい」とひとこと。しかし、これが冷凍しても美味しいとは限らない。商品化するには、冷凍しても美味しいものにしなくてはならない。

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2週間後、社内で試食会が行われたが、「肉が固かった」「パサつきを感じたが、ソースのうまさでカバー」など、厳しい評価が浴びせられた。普段は饒舌な西田シェフも、このときばかりは無口に。しかし、開発現場に戻り、すぐさま改良に取りかかる。

まずは肉を蒸し焼き機へ。焼いたときに出ていってしまう水分を水蒸気で補う作戦だ。
もう一つは、油で揚げるやり方。揚げることで油の膜をつくり、冷凍しても中に水分が保たれるというのだ。
蒸し焼きにした肉とフライにした肉、食べ比べをして選んだのは...? 「ロイヤルデリ」の冷凍ステーキは、家庭の食卓を変えられるのか。

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これまでと違う環境下でも、「こだわり」をなくし、作ることはできない。今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送。どうぞお見逃しなく!

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