キーワードは「メンタルへルス」と「癒し」 『Forbes JAPAN』Web編集長の谷本さんが注目する最新プロダクト

公開: 更新: テレ東プラス

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2021年6月12日、13日にテレビ東京、テレビ東京コミュニケーションズ、プロトスター株式会社が主催のビジネスカンファレンス「Reversible World 2021 ~世界を変える挑戦者たち~ Great Impact Award」が開催されます。テーマは「新しい世界の次のスタンダードが集まる場」。優れた起業家と優れた製品・サービスを一般投票と審査員投票で表彰するアワードを中心に、様々なセッションを行います。

今回は優れた製品・プロダクトを表彰する「Great Product 30」にちなんで、審査員を務めた『Forbes JAPAN』Web編集部 編集長の谷本有香さんに「思い入れのある製品・プロダクト」や「注目しているノミネート作品」についてお話を伺いました。

【谷本有香 プロフィール】
Forbes JAPAN Web編集長。Bloomberg TV、日経CNBCを経てフリーランスに。トニー・ブレア元英首相やスターバックス創業者、スティーブ・ウォズニアック氏をはじめ、 3,000人を超える世界のVIPにインタビュー。 現在は報道番組のコメンテーターや、政府系スタートアップコンテスト、オープンイノベーション大賞の審査員など多岐に活動する。

海外の著名人にも絶賛された日本製プロダクト

――取材やイベント登壇などで、様々なプロダクトに触れてこられたと思うのですが、特に印象に残っているものはありますか?

谷本有香さん(以下、谷本)ユニクロのヒートテックが登場したときは感動しましたね。「一枚着るだけでこんなに暖かくなるなんて」という衝撃が今でも忘れられません。年々機能がアップデートしているので、ずっと愛用しています。

また、贈りものとしても重宝しています。仕事柄、海外の経営者やトップ層に会うことが多いのですが、手土産の中でもっとも反応がいいのはヒートテックなんですよ。

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――目の肥えている方々にも支持されているんですね。

谷本:大統領クラスの方にもすごく喜んでいただけましたね。「本当によかったよ!」とわざわざメッセージをいただくことも。というのも、海外には機能性の高いインナーが少ないのです。都市部以外ではユニクロはまだメジャーではないので、「薄手で暖かいインナー」というのは新鮮に映るようです。

――「手土産としても喜んでもらえるもの」という目線で選定するのは、編集者である谷本さんならではですね。

谷本:それでいうと、「クリスメラ」という日本企業が製造している"ピアスキャッチ"も贈りものとして好評ですね。ピアスを付けたことのある人で一度は「家を出るときにピアスを付けたのに、帰ってくるときにはなくなっていた......」という悲しい経験をしたことがあるのではないでしょうか。「クリスメラ」のピアスキャッチはピアス穴に差し込むと固定されて外れにくくなるというものなので、ピアスを落とす心配がありません。

「ピアスはなくしやすい」というのは世界共通の悩み。海外の要人はイベントの際に奥様を同席させることが多いので、奥様に向けたプレゼントとしてお渡ししています。

forbesjapan_20210605_02.jpg(クリスメラ公式HPより)

――谷本さんも愛用しているのでしょうか。

谷本:もちろん。最初は「ピアスキャッチだけで数千円!?」と驚きましたが、使ってみたらとてもよくて。今でも、ピアスを買ったらすぐに「クリスメラ」に取り換えています。

自分が実際に使っていて、日本の高い技術力でできているプロダクトというのは、人に贈ったり薦めたりしたくなりますし、思い入れも強いですね。

技術者も応援したくなる「ファーメンステーション」のコスメ

――「ヒートテック」や「クリスメラ」は以前から愛用されているとのことでしたが、最近気になっているプロダクトはありますか。

谷本:「FERMENSTATION(ファーメンステーション)」というオーガニックコスメです。食品工場から出る、いわゆる"食品ロス"に発酵技術を駆使することで、高品質なエタノールを作成するというもの。そのエタノールで作られたハンドスプレーや化粧品を販売しています。

デザイン性の高さや品質そのものの良さも魅力なのですが、独自の発酵・蒸留技術は研究者に絶賛されています。「この技術を広めたい!」と、自ら農家に紹介する技術者もいるようです。

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――研究者も認めるプロダクトというのは消費者目線でも安心できますね。

谷本:製造している会社はベンチャー企業ということもあり、広告に予算を割くのが難しい。その中で、技術者のような目利きの人たちによる口コミや応援で商品の魅力が広がっているのは素敵ですよね。「自身がマーケターとなって売り込みたい」と周囲に思ってもらえるプロダクトに今後注目が集まるのではと思っています。

キーワードは「癒し」 AIペット型ロボットがメンタルヘルスに与えるもの


――谷本さんは、常に新しい製品の情報に囲まれていらっしゃると思いますが、その中でも特に「これからトレンドになりそう」と思うものは?

谷本:AIペット型ロボットですね。ずっと注目していて、いつかムーブメントを起こしたいといろいろなところに掛け合っています。

きっかけは2021年1月に開催されたデジタル見本市「CES2021」。そこで開催された「Best of Innovation Award」(ベスト・オブ・イノベーション)に、Vanguard Industries 株式会社の手掛ける「MOFLIN(モフリン)」が選ばれました。

今までCESでは機能性や合理性を重視したものが選ばれる傾向にありました。「モフリン」も高齢者の認知症予防や子どもの知育という実用的な面がありつつ、「癒しが生活を豊かにしてくれる」という趣味的な面でも評価されたのだと思います。

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――なぜ、「癒し」が求められるようになったのでしょうか。

谷本:新型コロナウイルスの感染拡大により、世界規模でメンタルヘルスが大きな課題になりました。その結果、「役に立つか否か」だけではなく、「いかに心を癒せるか」にフォーカスがあたる時代になっているのではないでしょうか。私も膝の上にAIペット型ロボットを置いて仕事をしていますが、本当にかわいくて幸せな気持ちになります。

「IT×アート」「革命的なプロダクト」に注目

――「Reversible World 2021 ~世界を変える挑戦者たち~ Great Impact Award」のノミネート作品で注目しているものはありますか。

谷本:メディアアートを手掛けるライゾマティクスによる個展「ライゾマティクス_マルティプレックス」が気になりますね。今後、ITとアートの融合はどんどん価値が高まると思っています。

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そう思った理由のひとつは、経営者の方々に「今後のビジョンや理想的な未来を考えるときにアート思考を取り入れている」というお話を伺う機会が増えたこと。アート思考は自分の中にあるロジックやソリューションといった固定観念にとらわれず、思考や感情などから新しいアイデアや発想を生み出すというもの。つまり想像力が求められる時代の中で、さまざまな作品に触れ、素養を養う力が求められているのです。

また、社会の課題を解決する革命的なプロダクトとして、電動シェアサイクル「LUUP」や生理用防水ショーツ「Nagi」にも注目しています。「LUUP」を手掛ける株式会社Luupで代表を務める岡井大輝さんはとても行動力があり、次世代の公共交通インフラをつくるべく率先して規制緩和に取り組んでいます。「Nagi」は妊娠中の方やシニア向けにも使えるので、生理に留まらない女性が抱える課題全般に立ち向かえる製品だと思います。

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電動シェアサイクル「LUUP」

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生理用防水ショーツ「Nagi」

これからの時代を担うプロダクトが多くノミネートされているので、私自身、「Reversible World 2021 ~世界を変える挑戦者たち~ Great Impact Award」の当日を迎えるのが今から楽しみです。

■イベント概要
【タイトル】Reversible World 2021 世界を変える挑戦者たち -Great Impact Award-
【開催日時】2021年6月12日(土)・13日(日)
【公式サイト】
【会場】オンライン配信 詳しくは公式サイトをご覧ください
【主催】株式会社テレビ東京 株式会社テレビ東京コミュニケーションズ プロトスター株式会社
【参加費用】 無料

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