「私がやって来た仕事なんて誰とでも交換できる。所詮”お飾り”に過ぎなかった...」東アナのお悩みにトキコはどう返すのか?:生きるとか死ぬとか父親とか

公開: 更新: テレ東プラス

吉田羊がどんどんジェーン・スーに見えるようになってきた。役者さんってすごいな」「毎回じわっと目頭が熱くなるシーンがあるなぁ。吉田羊さんの横顔も美しい! 次に帰省した時は親に昔の話を聞きたいなと思う」などSNSで話題。ドラマ24「生きるとか死ぬとか父親とか」(毎週金曜深夜0時12分)。原作は、ラジオパーソナリティー・コラムニスト・作詞家と多彩な顔をもち、女性からの圧倒的な支持を集める"独身のカリスマ"ことジェーン・スーが、自身の家族の出来事と思い出を描いたリアルストーリー。主人公のモデルはジェーン・スー自身であり、そんな主人公を吉田羊が演じている。

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主人公・蒲原トキコ(吉田)は20年前に母を亡くし、今では父の蒲原哲也(國村隼)がたった一人の肉親。愛嬌はあるが破天荒な70代の父、独身で勝気な40半ばの娘。ひとたび顔を合わせればギクシャクし一度は絶縁寸前までいった二人だが、今では時々外食しながら話をする関係になっている。そんなある日、トキコは父についてのエッセイを連載することになった。ネタ集めのため父に会うたびいろいろな家族の思い出を聞く。母との出会い、全財産の喪失、そして他の女性の影...。父への愛憎と家族の表裏を描く、普遍にして特別な家族の物語だ。

さらなる今作のみどころは、トキコがパーソナリティを務めるラジオ番組「トッキーとヒトトキ」の人気コーナー"晴れときどきお悩み"。ジェーン・スー自身もラジオ番組でのお悩み相談コーナーが大人気! 今作のラジオシーンのセリフはすべてジェーン・スーによる監修のもと制作している。

今回「テレ東プラス」では、第8話で、バーを舞台に展開されたトキコとTBX・東アナウンサー(田中みな実)のトーク、そして東アナのリアルなお悩みを完全プレイバック! 果たしてトキコはなんと答えるのか?

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恋愛は麻薬...パートナーといる時間こそが本物で、仕事している時間は自分には向いてなかったと錯覚してしまう

「トッキーさん、私のお悩み、聞いてもらえます?」

トキコ「もちろん」

「実は、一年前からお付き合いしている人がいまして...」

トキコ「おー、いいじゃない」

「その人といると心が満たされるんですよね。そんな感覚って今までなかったんで...最近はお互いに結婚を意識するようになって。それで今、すごく揺れてて。自分でどうしようもないくらい」

トキコ「揺れてるって?」

「私、大学時代からずっとアナウンサー目指してやってきて、運良く今の会社にも就職できて、これからもバリバリやってくつもりだったんですけど...。この一年で、アナウンサーとして生きるよりも、一人の主婦として生きる方が自分に合ってるのかなと思うようになって」

トキコ「...アナウンサー辞めるってこと?」

「はい」

トキコ「パートナーがそれを望んでるの?」

「ううん、違います」

トキコ「じゃあ東さん、専業主婦になりたいの?」

「その方が自分に向いてるのかなって...」

トキコ「相手の人のお仕事は? 共働きじゃなくてもやっていけるの?」

「まぁ会社員なので、そこまで高収入ではないですけど。一応、彼の稼ぎだけでやっていけるだろうっていう話にはなっていて...」

トキコ「彼も家庭に入って欲しいのね?」

「『どちらでもいい』と言ってます。ただ、私が女性としての幸せを優先したいなって...」

トキコ「...あのさ、東さん。これまでさんざんラジオで言ってきたことだけど、結婚後の生活については、2人の合意があれば、私はどんなスタイルでもいいと思うの。誰かが搾取されていなければね。ただ、それまで仕事をしてきて、しかもその仕事がその人にしかできないような技術に支えられているものなら、私はその仕事を続けた方がいいと思う。まして東さんは、東さんにしか出来ない仕事をやってきたわけじゃない」

「そんなことないんですよ。私がやって来た仕事なんて、誰とでも交換できるものなんです。これまでプライドを持ってやってきたつもりでしたけど、結局は容姿や若さで選ばれてきたんだってことが最近分かってきました。自分が元いた場所には、後輩たちがどんどん進出してきます。私なんて所詮、男が女に求める役割をこなすだけの"お飾り"に過ぎなかったんです」

トキコ「ちょっと待ってよ、そんなに自分を卑下しないで。一緒にやって来た身として、悲しくなるじゃない」

「でも、そうなんです」

トキコ「私は東さんの仕事ぶりに敬意を持ってるよ。私が突っ走った時には、悪者にならないように、いつも絶妙な返しをしてくれるし。抜群の時間を読むセンスで落ち着いた進行をしてくれるから、安心して任せられるし。相談メールを読むのも抜群に上手いし。スタッフとの打ち合わせも手を抜かないし。疑問に感じた所はきっちりと詰めるし。一緒にラジオの仕事をやってて、学ぶこと多いもん」

「...ありがとうございます」

トキコ「東さん、現状から逃げるための渡りに舟で、結婚しようとしてるだけなんじゃない?

「......」

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トキコ「まあ、目の前に結婚の話が浮上してきたら、浮き足立つのも分かるけどね。でも、恋愛は麻薬だよ。相手が傍にいて、自分のことを全肯定してくれるんだから。これほど、自己肯定力が高まる時はないの。だから、パートナーといる時間こそが本物で、仕事している時間は自分には向いてなかったって錯覚しちゃうんだよ。

東さんの技術と実績があれば、これからもどんどん活躍できるよ。だから、仕事している自分を否定するようなことは絶対に思わないで。東さんが今抱えてる苦しみは、システムの問題であって、あなたの能力とは関係ないんだから」

「...ありがとうございます」

トキコ「うちの元パートナーさんも言ってたよ。家事や炊事だけじゃなくて、書き続けていれば良かったって。たとえ稼ぎにならなくても、そうすれば自分を見失わなくて済んだんじゃないかって」

「書くことがアイデンティティだったんですかね」

帰り道。並んで歩くトキコと東アナ。

「......もし会社から別の部署へ行けって言われたら、フリーになってアナウンサー続けてみようと思います!」

さて、第9話では、トキコにどんなお悩みが寄せられるのか?

6月4日(金)深夜0時12分放送! ドラマ24「生きるとか死ぬとか父親とか」第9話の内容は...。

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トキコ(吉田羊)と父(國村隼)は母のお墓参りに行く。母(富田靖子)との思い出話をしているうちに、トキコは家族の中で起きたある出来事の始まりを思い出す。時は遡り、20代のトキコ(松岡茉優)。C型肝炎で入院する父を毎日のように見舞う若き日のトキコと母だったが、なんと母自身にも癌がみつかってしまう。トキコにとって父と母を同時に介護する壮絶な日々が始まった。ある日、父の病室に見慣れぬ赤い花が飾られており...。

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