10kg減に成功した漢方医がリバウンドしない簡単ダイエット法を伝授!体重が勝手に落ちる秘密は主食にあり

公開: 更新: テレ東プラス

主治医が見つかる診療所」(木曜夜7時58分から)は、医師や病院の選び方のコツ、無理なくできる健康法など、医療に関するさまざまな疑問に答える、知的エンターテイメントバラエティ。番組では2006年にレギュラー放送開始以来、テーマに沿った最新情報を第一線で活躍する医師たちがわかりやすく解説しています。

さて、今回WEBオリジナル企画「主治医の小部屋」に寄せられたのは、「リバウンドしないダイエット」に関する質問です。自身も10kgのダイエットに成功した経験があるという同番組レギュラー・石原新菜医師にそのコツを教えていただきました。

動物性脂肪(肉)を避け、1日1食、和食を心がけています

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Q:50代女性です。石原先生は、過去に10kgのダイエットに成功したことがあると知りました。先生のInstagramに朝は「にんじんりんごジュース」のみ、食事は1日1食と書いてありましたが、その1食は好きなものを好きなだけ食べていらっしゃるのでしょうか? 参考にしたいので、ダイエットを始めたきっかけ、美しく痩せる秘訣、リバウンドしないコツを教えてください。

―― 先生は1日1食ということですが、これは夕食に好きなものを食べているのですか?

「好きなものを好きなだけということではなく、食事はルーティンを決めています。仕事で外食したり、友人と会ったりするときはもちろん皆さんと同じものを食べるのですが、家にいるときは毎日、納豆と魚、野菜多めのお味噌汁に玄米を少量という組み合わせです。肉はタンパク質が豊富な食品ですが、魚にも大豆にもタンパク質は多く含まれているので、家では動物性脂肪(肉)はできるだけ摂らないようにしています。

これは、同じタンパク質でも、魚と肉では付随して摂るものが違ってくるからなんですね。脂の質がまったく異なり、魚の脂(不飽和脂肪酸を多く含む)は血液がサラサラに、肉の脂(飽和脂肪酸を多く含む)は血液がドロドロになります。夕食の献立としては、おもにお刺身や焼き魚、魚介類を炒めたものなどを食べています」。

―― にんじんりんごジュースは朝起きてすぐに飲むのですか?

「朝食の代わりに飲みます。にんじん2本とりんご1個をジューサーにかけて作り、ビタミンやミネラルを一気に摂っています。

なぜこれを始めたのかというと、じつは大学生のときに体重が今より10kgも多かったんですね。全然運動もしなかったし、お風呂で湯船にもつからない、水やコーヒー、ビールをガブガブ飲むという生活だったのですが、生理痛・生理不順、肩こり、めまい、便秘、多汗症、ニキビなど体の不調がひどかったのです。

生理痛や便秘は誰にでもあることだからと、そのときはあまり深く気にしていなかったのですが、研修医時代に寝られない生活が続いたとき、完全に生理が止まりました。このままでは絶対に病気になると思い、生活を改めたのがきっかけです。

それから15年間ずっと同じ生活スタイルで、腹巻きは24時間365日、できるときに運動する、必ず毎日湯船につかる、朝はにんじんりんごジュース、昼間は生姜紅茶を飲んで、主食は玄米に。

すると勝手に体重が落ちて、ひどかった体の不調もなくなりました。ああ、生理痛がないというのはこういう状態なのか、何もない健康な状態ってあるんだな......と自覚しましたね。

私の場合、病気まではいかなくても未病(健康と病気の間の状態)の段階だったのでしょう。この未病に気づかないで同じ生活をしていたら病気に向かっていってしまうのだと実感しました」。

血糖値の急上昇を抑えるにはオートミールや米ぬかがおすすめ

doctor_20210602_02.jpg画像素材:PIXTA

―― 先生はダイエットが目的で食生活を見直されたのではないのですね。

「そうです。あくまでも体調を自分なりに体調を整えようと思ったところから出発しています。運動したくない日も、好きなものを食べたいと思うときもあるでしょうが、ダイエットが目的でもそうでなくても続かないという人は、ルーティンにしまうのがよいと思います。

自分の続けやすい運動を朝あるいは夜にやる、お風呂に入る、食べ物も家では和食中心にして友人との食事のときに好きなものを食べるなど、メリハリをつけつつルーティン化すると継続しやすくなります。すべてをきっちりやるのではなく、たとえば旅行先でついつい食べ過ぎてしまったら帰宅後に2、3日調整すればよいのです。

痩せたいからといって無理なダイエットをすると筋肉量が減って代謝が下がってしまいます。そうなると食べていないのに痩せなくなります。食事量をやや少なめにしつつ、バランスよく食べて運動をする、というのがベストな方法だと思いますよ」。

―― ダイエットには食事に気をつけるだけでなく、筋肉をつけることが重要なのでしょうか。

「とても大事なことです。体温の4割をつくっているのは筋肉で、体温が1℃下がると代謝も13%くらい下がってしまいます。冷え性が男性に少なく女性に多いのも、筋肉量の差が関係しているからなんですね。痩せるためには熱をつくってくれる筋肉が必要なのです。

また、年齢とともに基礎代謝も落ちてきますから、食べるのを控えるのではなく、運動して筋肉量を増やすことで痩せやすい体づくりをすることが大切です。ウォーキング約20〜30分をベースに、駅では階段を使う、家でスクワットをする(30回程度)くらいは頑張ってみてはどうでしょうか」。

―― 先生の著書や監修された本ではダイエットに米ぬかやオートミールを使っていますね。

「米ぬかもオートミールも考え方は一緒です。運動しないで3食しっかり食べていれば、体重も増えてくるし、糖尿病にもなるし......ということで、どうしても糖質が悪者になってしまいますよね。

糖質制限をする際、バランスよく腹八分目くらいに抑えて食べられる人は玄米食でよいのですが、現代人には玄米自体が体質に合わないという人も結構います。そこで、パウダー状にした米ぬかをいろいろな食品にかけて、お米はオートミールに置き換えてダイエットするというものです。

お米の白米以外の部分(米ぬかなど)にはビタミンやミネラル、オートミールには食物繊維とビタミン、ミネラルが豊富に含まれ、どちらも血糖値が上がりにくいという特徴があります。血糖値が急激に上がることでインスリンがたくさん分泌されて細胞の中に糖を取り込み、脂肪が蓄積されるのですから、血糖値の急上昇を抑えることはダイエットに欠かせないということも覚えておくといいですよ」。

―― 石原先生、ありがとうございました!

【参考資料(石原新菜先生・関連書)】
石原新菜・著『腸スッキリ! 米ぬか毒だしダイエット』(アスコム)
これぞう・著、石原新菜・監修『オートミール米化ダイエットレシピ おいしく食べて、健康的にやせる!』(学研プラス)

【石原新菜(いしはらにいな)医師プロフィール】
イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ講師、本内科学会会員、本東洋医学会会員、本温泉気候物理医学会会員。1980年長崎県生まれ。2006年3月帝京大学医学部卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實医師のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。著書に『病気にならない蒸し生姜健康法』をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』、『冷えをとれば9割治る』"など。2児の母でもある。

※この記事は石原新菜医師の見解に基づいて作成したものです。

今回お話を伺った石原先生も出演する主治医が見つかる診療所(6月3日木曜夜7時58分)は【芸能人"お悩み解決"人間ドックSP】!

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