「職人不足で家が建てられない...」CAが家電量販店へ出向、副業で大工仕事もできるように?変わる日本の働き方

公開: 更新: テレ東プラス

大企業に日本の悩みを解決してもらおう! 「巨大企業の日本改革3.0 『生きづらいです2021』~大きな会社と大きな会社とテレ東と~」(毎週月曜深夜0時30分)を放送中!

MCは加藤浩次。「池の水ぜんぶ抜く大作戦」「モヤモヤさまぁ~ず2」などを手がけ、クリエイティブビジネス制作チーム・部長としての顔を持つ伊藤隆行チーフプロデューサー(テレビ東京)とともに、さまざまな企業の新規事業担当者と向き合う。

大企業の新規事業部門だけが集結した世界初のインキュベーションセンター「ARCH」(東京・虎ノ門ヒルズ)。加藤は「ARCH」に集う様々な企業の新規事業を直撃し、他企業とのコラボを後押ししてきた。

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5月10日の放送で直撃したのは、「YKK AP株式会社」事業開発統括部の東さん。次々と新規事業を立ち上げる東さんが頭を抱えているのが、建築現場での深刻な職人不足。高齢の職人と若手の外国人が2人組で頑張っている現場が多く、「師匠がいなくなったら、この先どうなるんだろう」と懸念しているという。

家の建築は職人が縦割りで分業化しており、一つの工程の職人が欠けただけで家が建たなくなるそう。「家が建たないとうちの窓やドアが売れなくなる。そこのテコ入れをしていきたい」と話す東さん。新規事業として、職人の教育施設を作ることを考えていた。

人材不足をどう解消すれば良いのか? 業種を超えたアイデアを集めるため、東さんは「ARCH」内のホワイトボードに「みなさんの業界でも、人材不足で困っていませんか?」と書いてみたところ、数日後、膨大な書き込みが! そこで、「ARCH」の企業約20社による緊急会議を開くことに。

「大工仕事をやりたいけど場がない」という人は、沢山いるはず

まずは職人の高齢化問題について、積水化学工業株式会社の前田さんは「雨どいをつける職人さんも高齢化し、屋根に登ることが危険だったりします。大工さんに家を建ててもらっても、雨仕舞いをする職人さんがいない」と嘆く。"雨仕舞い"とは家の中に雨水が入らないようにする施工のこと。家の建築現場は想像以上に細分化されているようだ。

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その他、あらゆる業界の専門職が抱える問題として、「株式会社クリーク・アンド・リバー」の松永さんは「仕事に対するワクワク感や夢に繋がるテーマがないと、単純作業や肉体労働に人が集まりにくい」と指摘。これに対し加藤は、「農業の場合、"◯◯さんが作ったトマト"と表記することで美味しそうに見える。農家の方も、名前が出た瞬間『ちゃんとしたものを作らなきゃ』と思う。農業は教えてもらいながら出来る仕事が多いけど、大工さんは現場で教えてもらってすぐできる仕事はありますか?」と質問を。

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建築現場に、DIYの延長で出来る仕事はあるのだろうか。「DIYでも素晴らしい人っていますよね。大工仕事をやりたいけど場がない人や、例えばタイル張りも、教えれば優れた人は沢山いるはず。大工さんに限らず、職人仕事をやりたい人を集める場を作りたい」と東さん。男女問わず、土日だけ参加という形も出来なくはないと考える。

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職人不足は、業種問わず日本のモノづくりに共通する問題。そこで、「日鉄ソリューションズ株式会社」の鑓水さんは、メガネのように顔に装着することで拡張現実(AR)体験を実現する"ARメガネ"のアイデアを提案。新人がARメガネをつけて作業し、司令室から熟練職人がアドバイス。これが実現すれば、熟練職人が同時に複数の現場を見ることも可能になる。

「指導されながら施工をしている様子を、施主が見たらどう思うか」という問題解決が必要だが、「逆に考えたら、知ったかぶりでやられるより、ちゃんと教えられてミスなくやってくれる方が良い。みんながそう考える世の中になれば良いということですよね」と加藤。

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伊藤Pは「日本は『この仕事しかやらない』という文化が根強いが、これからは『副業』がキーワードになる。副業として職人の技術を身につければ、自分の幅が広がる。そういう発想の人が増え、やりたい人が仕事をする社会になっていくのではないか」と語る。最近では、コロナ禍により飛行機の本数が減り、CAが家電量販店に出向している例も。「株式会社BlueLab」の杉村さんは「本業が出来ないからといって可哀想なわけではなく、いろんなスキルを身につけられるという見方も。プラスに捉えられるようになれば非常に良い」と発言。副業をマイナスと捉えない考え方に加藤も同意し、「すげぇいい番組になってませんか? すごいことが行われそう!」と興奮していた。

この後は「ずっとデスクワークばかりしてきて、定年した後自分は何ができるんだろう問題」にも迫る。


次回は、5月24日(月)深夜0時30分放送! どうぞお楽しみに!

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