好調「GU」の裏側...安さだけじゃなかった!「ユニクロ」にはない戦略とは?:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)。5月21日(金)の放送では、アパレル業界の今を取材。老舗アパレルと流行のファストファッション、それぞれの戦略から勝ち抜くブランドの条件を探る。

名門アパレル復活なるか? 「三陽商会」が挑む改革プラン

長期化する新型コロナの影響で不振が続くアパレル業界。在宅勤務の広がりで洋服にかける金額が減るなど、日本人のファッションの常識が変わる中、業界では老舗アパレルからファストファッションまで生き残りを賭けた改革が始まっていた。

「マッキントッシュロンドン」など18のブランドを展開する老舗アパレルメーカー「三陽商会」は、1964年以降に販売を始めた高級ブランド「バーバリー」の人気を受け、1990年代まで右肩上がりの成長を続けた。ところが、2015年に「バーバリー」との契約が終了。屋台骨を失った「三陽商会」は、以降5年間、赤字続きのどん底の状態にある。

再生を託されたのは、去年5月に就任した大江伸治社長だ。大江社長は大学を卒業後「三井物産」に入社。商社マンとして繊維部門でキャリアを積むと、業績低迷に悩むスポーツアパレル「ゴールドウイン」に転身し、「ザ・ノース・フェイス」を人気ブランドに育て上げた。

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大胆な改革に乗り出した大江社長は、ブランドの顔となる商品や店作りに急ぐ。
一方、オンラインで購入するお客をターゲットに、試着用のサンプルのみを陳列した店舗を構えるなど、攻めの仕掛けも。

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大江社長の改革案に現場の社員も奮闘する。森雅史さんは入社以来、三陽オリジナルの基幹ブランド「EPOCA」を担当。商品の企画や販売計画、コスト管理に至るまで、全てに携わる。森さんに課せられたミッションは品番の削減で、「EPOCA」全体で4割減らすこと。「商品を厳選、売りきる」という大江社長の方針だ。店舗や繊維メーカーへ足を運び、商品作りに奔走する。

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安さだけじゃない 好調「GU」の意外な戦略

大手アパレルが軒並み苦戦する中、好調なのが「GU」だ。「ユニクロ」の姉妹ブランドとして2006年に誕生した「GU」は、10~30代の若い世代に人気で、コロナ禍にあっても200億円を超える利益を叩き出す。安いだけのイメージから大きく変貌し、今では品質や品揃えまで支持されている。

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「GU」を率いる柚木治社長は、「ユニクロ」で自ら企画した野菜事業を手掛けるも、26億円もの負債を抱えて撤退した過去がある。それでも、グループ総師の柳井正会長がその手腕を認め、「GU」の社長に抜擢。10年で売り上げを5倍にするなど結果を残した。

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柚木社長が成果を出し続けられる秘密とは...??

「GU」の基幹店である銀座店。
ここに「GU」にあって「ユニクロ」にない特徴があるという...スタッフの胸元には「おしゃリスタ」と書かれたバッジが。実は今、「GU」は店舗での丁寧な接客に力を入れている。「おしゃリスタ」は、服選びに悩むお客さんにアドバイスをするスタッフに与えられた証なのだ。そしてもう一つ...接客の合間には、自ら考えたコーディネートをSNSに投稿。多くのフォロワーがつくなど、店舗とネットの二刀流で、服を買うきっかけを増やす取り組みが始まった。

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コロナ禍でも出店を続ける「GU」だが、柚木社長は「今までと違って本当に欲しいもの、本当に必要なものしか買わなくなった」と危機感を募らせる。不振のアパレル業界を牽引することはできるのか。

老舗とファストファッション...それぞれの立場からアパレル業界の今に迫った「ガイアの夜明け」は今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく!

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