1000円あれば、べろべろに酔えるほどの価格帯の大衆酒場"せんべろ"で飲む客は、ひとり客も多い。ひとりで酒を飲むこと自体は、今の時代、市民権を得たように思われるが......「店内のメニューを見て時間をつぶす」「お店の人や他の客と話す」など、ひとりでいることを紛らわす方法が推奨されているふしも見受けられる。ひとり酒は、ひとりで純粋に酒とつまみを味わうだけじゃだめなのか!?
江口のりこ主演、ドラマ25「ソロ活女子のススメ」(毎週金曜深夜0時52分放送)。主人公・五月女恵は、ひとりで好きな場所に行き、ひとりで好きなことをして、ひとりの時間を楽しむ......そんな彼女を「ソロ活女子」と呼ぶ! ここで第7話「ソロせんべろで自分の成長を知る」を振り返る。
ソロ活7「ソロせんべろ」
「当たりはずれ覚悟のガチャガチャ」
せんべろのシステムは、極めてソロ活に向いている。だからこそ恵は、敢えて高みを目指して挑戦する。毎回初めての店に行くのだ。
入店直後は油断してはいけない。せんべろ立ち飲み屋あるあるその1「入店直後にドリンクの注文を聞かれる」。まごまごしていると、一瞬ヘンな空気が流れ出ばなをくじかれる感じがする。店員(渋川清彦)に1杯目の注文を聞かれた恵は、即座にハイボールを頼む。
さて次は、つまみを頼もう。店内に貼ってあるメニューを眺める。値段は、いずれも数百円。さすがせんべろの店だ。レバーを使ったつまみが多い。どうやら、この店の推しはレバーのようだ。
「ここはその店の実力と本気度が一口でわかるものでいこう」
恵は、もつ煮込みと白レバーの鉄板焼きを注文。つまみを頼む時は、1品は定番、1品はその店の一推しが鉄則だ。
ここで恵はスマホの電源をオフ。せんべろでは、つかの間のデジタルデトックスを心がける。
「では、下町のハイボールいただきます!」
立ち飲み屋で飲むとハイボールは格別な味がする。定番の煮込みも味が染みている。これは、ガチャガチャ大当たりのよう。白レバーも、さすがイチオシ。チョイスに間違いはなかった。
ここに来ているお客さんたちは、誰かと話をしたいわけじゃない、騒ぎたいわけじゃない、ただ好きな酒を飲んでいる人たち。
「言うなれば、究極のソロ活の姿がここにはあるような気がする」
スマホに触れず、目の前の酒とつまみに集中。できるだけ、何も考えずにボーッとするのが、恵のせんべろの楽しみ方だ。
店員と常連客(柄本時生)の会話が耳に入ってくる。この店に来ていた客が詐欺師で逮捕されたとか、年配の常連客が孤独死したとか、なかなかシビアで哀愁漂う人間模様が垣間見える。
「立ち飲み屋は、とんでもないドラマが行き交う人間交差点じゃないか......」
どんな人間だろうが、"良い酒飲み"という一言で受け入れてしまう。そして、どんな常連だろうと必要以上にはパーソナルスペースには立ち入らない。その距離感が絶妙だ。
常連だろうとサッと飲んでサッと帰る。喜びも悲しみもすべて忘れて、ここにいる。それぞれの人生を背負い、ほんのひととき、酒を楽しむ。「みんな、ここで飲んでる時だけは、ひとりの単なる酒飲みなんだよね。金持ちも貧乏も女も男も老いも若きもないんだよ。酒の前では、みんな平等ってことだよね」。店員の言葉に、恵は深くうなずく。
せんべろの醍醐味は、はしご酒にあり! 2軒目は、ドラム缶をテーブルにした立ち飲み屋「ドラム缶」へ。恵はチューハイと、ここでも煮込みを注文する。
「ソロ活名物、縛り食い」
敢えて1軒目で頼んだメニューと同じものを注文する。それぞれの店の個性が見えるからだ。
恵がひとり酒を堪能していると、若い女性客(北香那)がひとりで入ってくる。1杯目の注文でまごつき、スマホを取り出し写真を撮ろうとしている。どうやら、ひとり酒が初めてのようだ。「ここだったらひとりで飲んでる寂しい女って思われなくてすみますね」という彼女に、恵はかつての自分を重ねる。
「誰も見てないよ。自分が思うほど他人は自分のこと気にしてない。見られていたとして、好きな店で自分の好きなものを飲んで食べることが恥ずかしい?」
どう生きていいかわからなくなった恵の背中を押してくれたのは、「人付き合いが苦手なら、無理に付き合わなくていいんじゃない?」との言葉だった。そんな恵はソロ活初心者の女性客を見て自分が成長していることを知る。果たしてそれはどういうことか? そして恵が"ソロ活"を始めたきっかけとは......!? この続きは見逃し配信で!
今週の"ソロ活"情報!
「最後の楽園 蒲田レバーランド」
JR蒲田駅から徒歩5分。鮮度抜群のレバー料理が揃っている。勇気を出してのれんをくぐり一杯飲めば、そこは人情味あふれる楽園。
「立ち飲み居酒屋 ドラム缶」
京急蒲田駅の商店街にある立ち飲み屋。その名の通りテーブルはドラム缶。酎ハイは150円から、つまみは100円からと、酒飲みの財布に優しいせんべろ店。常連客も多いが、ひとりでふらっと立ち寄っても違和感なく楽しめる。
ドラマ25「ソロ活女子のススメ」(毎週金曜深夜0時52分放送)、5月21日(金)放送の第8話は?
第8話
「ダイジェスト出版」編集部の契約社員・五月女恵(江口のりこ)は、好きな時に好きな場所へ行き、ひとりの時間を楽しむ"ソロ活"に邁進中。『自分自身が絶叫系マシンを好きなのか嫌いなのか』その真相を確かめるべく、恵は有給休暇を取得し遊園地を訪れる。検証するため、絶叫系マシン縛りで次々とアトラクションに挑戦する傍ら、独特の雰囲気を放つ謎の男性客に話しかけられる。男から絶叫マシンの助言を聞いた恵は...。