ぬか漬けを愛するリトアニア人女性に驚き! 秘伝のぬか床レシピも公開:世界!ニッポン行きたい人応援団

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ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(月曜夜8時~)。毎回ニッポンを愛する外国人たちの熱い想いを紹介し、感動を巻き起こしています。

世界から注目されているニッポンの朝食。中でも注目されているのが、納豆や味噌汁、漬け物などの発酵食。腸内環境を整えるだけでなく、免疫力アップやアンチエイジングに効果があるといわれ、ニッポンの長寿の一因とも考えられています。今回は、ニッポンの朝食に欠かせない発酵食を自分で作るほど大好きな外国の方々を紹介する「ニッポンの朝食を愛する外国人スペシャル」をお届けします。

ダシができるまで二晩......手間をかけた「とん汁」の素晴らしさに感動

紹介するのは、スウェーデンで味噌汁専門店を営むクリストファーさん。

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ニッポンの朝食に欠かせない国民食・味噌汁は、約800年前、鎌倉時代にすり鉢が普及し、当時は粒状だった味噌をすり潰してみると水に溶けやすかったことから誕生。江戸時代になると味噌の生産量が拡大し、味噌汁は庶民の味として広まりました。発酵食品で健康に良い味噌汁は、1日3杯飲めば胃がんによる死亡率が低下、糖尿病の予防効果もあるといいます。

6歳の頃に父親が再婚した日本人のお母さんが毎日作ってくれた味噌汁が美味しくて虜になったクリストファーさんは、味噌汁の美味しさをスウェーデンの人たちに知ってもらいたいと、6年前に専門店をオープン。スープ好きのスウェーデンの人たちに合わせ、大きな丼で提供しています。豆腐やネギをはじめ、カリフラワーや餃子など、25種類の具材から6つ選択することができ、なんと、蛇口から味噌汁が! 蛇口の裏は特注の寸胴鍋になっており、味噌を入れてフタを閉めると、自動的にかき混ぜて溶かしてくれるそう。味噌はニッポンから取り寄せたものを使用し、赤味噌と白味噌2種類の味噌汁を用意しています。

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いろいろなタイプの味噌汁を飲み、具材についても学びたいというクリストファーさんを、約4年前、ニッポンにご招待!

最初に向かったのは、島根県松江市にある創業57年、定食と居酒屋「やまいち」。こちらの名物は、お客さんのほぼ全員が締めに注文するしじみの味噌汁。

しじみの漁獲量は島根県が全国1位。その95%以上が、松江市と出雲市にまたがる宍道湖産です。海水と淡水が入り交じる宍道湖の厳しい環境で育つしじみは、内臓が発達して肉厚で、アミノ酸が多く濃厚な味わい。アミノ酸の一種・オルニチンが、肝臓の働きを助け、疲労回復にも役立つため、「お酒の後はしじみ汁がいい」といわれています。

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店主の山根克久さんに作り方を見せていただきます。しじみから濃厚なダシが出るため、使うのはしじみと、松江で作られた合わせ味噌のみ。味噌を溶いてからは、熱に弱いしじみが縮まないよう素早く仕上げ、半生でふわふわの状態に。初めて味わったクリストファーさんは「とにかく美味しいの一言に尽きます」と感動!

続いて向かったのは、静岡県磐田市にある食堂「桝形(ますがた)」。一家三世代で営み、60年以上地元の人々に愛されるこちらの名物は、のとん汁。具材は、豚肉と豆腐、ネギだけですが、「パワーがみなぎるような濃厚さがたまりません」とクリストファーさん。店主の粟倉浩二さんによると、濃厚さの秘密はダシにあるそう。

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翌朝5時。粟倉さんに特別にとん汁の作り方を教えていただきます。まずはダシから。前日の夜6時から水に浸けておいた真昆布の根元に近い部分を弱火で煮込みます。沸騰する前に昆布を取り出し、下ゆでして水洗いした豚骨を投入。軽く沸いたところで鶏ガラを加え、こまめにアクを取りつつ、鰹節、鯖節、ニンニクと鷹の爪を入れて弱火で30分煮込み、一晩置きます。「ここまで手をかけるなんて! 素晴らしすぎます!」とクリストファーさん。

具材の豚バラ肉は前日作った味噌汁で30分煮込みます。こうすることで、味が染み込み、深みが出るのだそう。季節に合わせてブレンドした3種類の味噌を水で溶き、豚バラ肉を煮込んだ後のスープと二晩かけて作ったダシを加え、ようやく味噌汁が完成!

午前10時のオープンとともに、お店は地元のお客さんで賑わい、クリストファーさんもお手伝いすることに。お椀に煮込んだ豚バラ肉とネギを入れ、豆腐が入った味噌汁を注ぎます。

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昼の休憩時間、粟倉さんの母・ふじおばあちゃんが昔ながらの家庭の味噌汁を作ってくださることに。クリストファーさんが初めて削った鰹節でダシをとり、出来上がったのは玉ねぎとじゃがいも、油揚げが入った味噌汁。食堂のおかずも並べられ、「桝形」の皆さんとともにニッポンの家庭の味噌汁をいただきます。働く皆さんの団結ぶりに感心したクリストファーさんが「家族全員仲がいい秘訣は何ですか?」と聞くと、「ケンカすること(笑)」と粟倉さん。この日はクリストファーさんがいたため穏やかでしたが、いつもはもっと賑やかだそう。

別れの時。「ありがとうございます。皆さんとお会いできたことで充実した日本滞在になりました」。「向こうでも立派なとん汁を作ってね」と粟倉さん。初めて訪れたニッポンで、味噌汁の奥深さを学ぶことができました。

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