職員室に大行列! 東大合格76人! 超進学校へと変貌を遂げた「西大和学園」のキセキ

公開: 更新: テレ東プラス

歴史や校風、卒業生のネットワークまで、名門校の知られざる姿を通してその秘密に迫る「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週月曜夜10時)。MCに登坂淳一角谷暁子(テレビ東京アナウンサー)、解説におおたとしまさを迎え、「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回紹介する名門校は、創立から35年で東大合格常連校となった奈良県「西大和学園 中学校・高等学校」。今年の東大合格者は76人! わずか35年で超進学校へと変貌を遂げた急成長の秘密に迫る。

meimonko_20210509_01.jpg
西大和学園は、奈良駅から車で30分。1986年、当時の奈良県議会議員・田野瀬良太郎氏が西大和学園高校を設立し、2年後に中学校を開校。男女共学で、現在の生徒数は中高合わせて1834人。岡田清弘学園長は、生徒について「可愛くて可愛くてしかたがない。元気な姿を見ていると涙が出てくる。宝ですね」と熱く語る。

meimonko_20210509_02.jpg
そんな学園長が「これだけは撮影してほしい」というのが、今年の東大合格者の名前。ずらりと並ぶ圧巻の掲示に「何度見ても惚れ惚れする」と語る学園長だが、この輝かしい実績の裏には壮絶なドラマがあった。

meimonko_20210509_03.jpg
開校当時、勉強も部活動も上を目指す文武両道の私学を目指して船出したものの、保護者からは「学校の方針が見えない。はっきりして欲しい」という不満の声が。学園の生みの親であり、現会長を務める田野瀬さんは「当時は高校生が急増していたが、いずれ減ってくるとニーズは大学進学に。それを満たす高校にしないと生き延びていけない。そこで腹を決めました」と語り、進学校路線へ舵を切った当時を振り返る。しかし、その決断に思わぬ壁が。

meimonko_20210509_04.jpg
現場教師ほぼ全員が進学校化に猛反対。「いまさら進学校にできるはずがない」という反発や、体育教官室に籠城する教師も。しかし田野瀬さんは、部活動の時間を大幅に短縮し、授業時間を拡大するなどの改革を実施した。

meimonko_20210509_05.jpg
教職員が一枚岩になるまで10年もの歳月を要したが、その成果は1997年「東大合格者12人」という数字で表れる。その後も快進撃は続き、特にここ数年は驚異的な右肩上がり。いったいどうやって急成長させたのか。

meimonko_20210509_06.jpg
グローバルな視点が身につく海外留学や研修プログラムの充実。生徒主体で行う体育祭は、なんと京セラドームで開催。中学2年生で富士山に登り、自分の極限に挑戦、助け合う心を育成する。さらに、体育と音楽の授業は日本語禁止。英語圏の教師を招いて行う授業は、机を離れて英語に親しめる名物授業となっている。

meimonko_20210509_07.jpg
西大和学園は、文部科学省から「先進的な理数教育を実施する高等学校」として「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)」の指定を受けている。大学の研究室の実習に参加できるほか、好きなテーマを1年かけて掘り下げ、取り組んだ研究テーマがきっかけで将来進む道を決める生徒もいるとのこと。進学校を目指した大改革から35年。西大和学園は、全国屈指の進学実績を誇り、魅力あるカリキュラムを備えた名門校となった。

meimonko_20210509_08.jpg
新学期が始まって5日後の学園をのぞいてみると、早朝の自習室で沢山の生徒が勉強中。試験前は朝から席の争奪戦が起こり、自習室が開くのを待つ生徒の列ができるという。さらに放課後は、職員室に大行列が。授業で分からなかったところや受験対策を教えてもらうため、続々と生徒がやって来る。

meimonko_20210509_09.jpg
学園の敷地内には男子寮「青雲寮」があり、現在は中1〜高3まで229人が暮らす。寮内には、吹き抜けになった開放的なホールや大きなお風呂、個別の机と棚が備えられた学習室などがあり、学園の躍進を支えている。入寮したばかりの中学1年生に話を聞くと、「この学校は本当に素敵。リーダーを育成すると学校案内に書いてあった。これからの時代、リーダーが必要だと思って入学した」「第一志望は別の学校だったけど、そこには寮がなかった。いろんな体験ができそうだったので、西大和に来た」と話してくれた。

2016年、東京大学では推薦入試制度がスタート。その1年後、西大和学園でも新たな制度「21世紀型特色入試」を導入した。グループディスカッションや面接などで積極性や協調性を評価し、総合的に合否を決定している。

最後に田野瀬会長は「東大・京大の合格者数では全国2位になりました。開成が1番で2番が西大和、3番が灘になりました。ただ東大の数では、まだ20人くらい灘と乖離があります。できたら今後は東大・京大の合格者数で開成を凌ぎ、日本一になる。それを目指しているので、今は決して満足していない」と熱く語った。

番組では他にも、スタジオゲスト・竹内由恵さんの青春時代、生徒が配信するYouTube動画、OBの声、高校生にして企業とリモート会議を行う生徒、父親と離れて暮らす女子生徒の様子など、名門校の魅力をたっぷりとお届けする。

5月10日(月)夜10時放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)は、空の安全を守る卵たちが通う名門校「日本航空高等学校」の魅力に迫る。

広さは何と東京ドームおよそ5個分の敷地。さらには、南北に走る長さ850メートルの滑走路は羽田空港と同じ角度で作られていた。生徒数は730人。そのほとんどが、学校内にある寮で暮らしている。取材班は、将来航空整備士を目指す男子生徒に密着。この学校ではある物を使って授業を行っていた。それは本物の飛行機!

この日はフライトコントロールチェック、操縦系統が作動するか確認していた。さらに、キャビンアテンドを目指す女子生徒にも密着。気になる寮にも潜入すると、Wi-Fi完備で銭湯みたいなお風呂まで。生徒たちは、本物の機体に触れながらプロフェッショナルを目指していた。

どうぞお楽しみに!

PICK UP