「地下鉄サリン事件」実際にサリンを吸った恐怖体験と、今も苦しめられる後遺症:じっくり聞いタロウ

公開: 更新: テレ東プラス

売れっ子から懐かしのスターまで、芸能人が驚きの近況を報告する番組「じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告」(毎週木曜深夜0時放送)。5月6日(木)の放送では、地下鉄サリン事件に巻き込まれた被害者が、実際にサリンを吸った恐怖体験、今も苦しめられる恐ろしい後遺症を語る。

「地下鉄サリン事件」とは、1995年3月20日、オウム真理教の幹部らが猛毒の神経ガス「サリン」を都内の地下鉄・日比谷線、丸ノ内線、千代田線の車内で散布し、死者14名、負傷者6000名以上を出した戦後最大にして最悪の無差別テロ事件。元電通社員のさかはらあつしさんは、サリンが撒かれた日比谷線の車両に乗車していた。

jikkuri_20210508_02.jpg
さかはらさんは、当時電通本社があった築地駅に向かうため、日比谷線六本木駅で電車を待ち、午前8時過ぎに1両目先頭から3つ目のドアから乗車。すぐ左の座席下に新聞紙とビニール袋があったが猛毒ガスを包んだものとはわからず、車両後方へ。立ったまま新聞を読み始めると、次第に目の調子が悪くなり新聞の文字が読めなくなってきたという。車内にはフルーティーなシンナーの匂いがしたそうで"ペンキ屋がシンナー忘れたのかな"程度にしか思わず2回吸ってしまった。さかはらさんは「3回吸っていたらアウトだったかもしれない」と振り返る。

違和感を覚えたさかはらさんが2両目に場所を移すと、後ろから「失神している人がいる!」という声が。神谷町駅に到着した時に、グタッとした人が車外に運ばれているのを見ていると「築地駅で爆発事故発生」というアナウンスが。それを聞いたさかはらさんは神谷町駅で下車してタクシーで会社に向かう。この時、まさか自分がサリンを吸っていたとは知る由もなく、会社に到着した後、プレゼンを前にさっぱりしようと会社でシャワーを浴びると体にある異変が表れたという。

脂汗が出て、段々視野が暗くなってきた。さらに、外に出ると太陽がサングラスをかけたときのように見えたという。不調を感じた彼は会社近くの聖路加国際病院へ駆け込む。すると、病院は、次々と患者が運び込まれ「野戦病院みたいになっていた」と、さかはらさん。

診療を受けていたさかはらさんは、医師から衝撃のひと言を耳にする。ある人が「2次感染の可能性あるんでしょうか?」と聞くと、医師は「分からない」と答えた。この言葉に「これはアカン」と、何かとんでもないことが起きていると感じたという。後からわかったことだが、サリンにはPAMという解毒剤があるが、患者全員に行き渡る量がなく、ベッドも足らなかった。さかはらさんは状況を理解できないまま、長イスに座って普通の点滴を打っていただけだったそう。

その後、さかはらさんは、病院でのアナウンスからサリンを吸ったと知る。さかはらさんの場合は、シャワーを浴びたことで皮膚からサリンを吸収せずにすみ、サリンの撒かれた車両にいたにも関わらず重症に至らなかったのではないかと考えられる。

jikkuri_20210508_03.jpg
点滴治療を終えた後、さかはらさんは入院せずにそのまま帰宅したそうだが、26年経った今でも後遺症に苦しめられている。「キツイですよ。感情のコントロールも難しいし、目も疲れやすいし、体も疲れやすい。(体も)痺れますよ」とさかはらさん。現在も突然くる疲労や痺れに悩まされているという。

この他、「埼玉愛犬家連続殺人事件」の犯人と直接接触し殺されかけた男が、身の毛もよだつ話の一部始終を大暴露!

PICK UP