母が3千万円とともに蒸発、父は夜逃げに追い込まれ...50年越しで母に会った兄妹が知った父の親心とは?:家、ついて行ってイイですか?(明け方)

公開: 更新: テレ東プラス

4月26日(月)に放送した「家、ついて行ってイイですか?(明け方)」(毎週月曜深夜)では、東京都北区・赤羽の商店街で出会った白岩ゆうこさん(57歳)のお家について行くことになります。

赤羽の商店街で約17年間カラオケ居酒屋を経営していた父親が他界、その後片付けのために亀戸から赤羽に来ていたという白岩ゆうこさん。

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見晴らしの良い2LDKのマンションで愛犬の空海くん(4歳)と暮らしています。「東京都内で1番安かった」というお宅のお値段は2780万円! 建築設備のメーカーで営業職として働くキャリアウーマンの白岩さん。

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リビングにはお父様の遺影が。亡くなったのは取材日(2021年2月21日)の約1カ月前だそう。ここでお兄さんのひでとしさん(60歳)が来訪。父親を亡くして落ち込む妹のために、ちょくちょく様子を見に来てくれるそうで、仲良し兄妹です。兄妹が慕うお父様は「存在感の、すごくある人」だったそうで、70歳で居酒屋経営を始めて以来、お店はつねに「常連さんばっかり」と、ゆうこさん。常連さんのたっての希望で店を続けることにしたそうです。

「順調に生きていたら、こんなに仲良くなっていない。お互いに苦しい時に助け合ってきたからこそ」と、語り始めるひでとしさん。じつは、こちらのご兄妹には壮絶な過去があったのでした。

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茨城県で社員を何百人と抱える会社を経営していた父親と母親と家族4人で暮らしていたある日、突然、母親が蒸発。その時、ゆうこさんは小学2年生、ひでとしさんは小学5年生でした。

「従業員とできちゃって...」と、ひでとしさん。「会社の手形やら小切手などを入れて3000万円くらい持って逃げちゃった」と、ゆうこさんが続けます。その結果、お父様は借金返済のために会社を手放すことになります。

親戚の建設会社を頼って東京へ出て来たものの、借金取りに追われてお父様は夜逃げ同然で各地を転々とすることになったといいます。「東北に逃げていた時は、(父が)数年帰って来なかった。2年間ぐらい」。その間、小学生と中学生の兄妹2人で「建設会社の社宅の飯場」で暮らしていたのだとか。ひでとしさんは「想像を絶するような場所だよね。とにかく毎日腹を減らしていたよな」と振り返ります。

社宅の食堂でご飯だけはもらえるものの、おかずが買えず、バターも高いのでご飯にマーガリンをのせてしょう油をかけて食べていたといいます。再現してくれたバターライスを食べるゆうこさん。「うん、美味しい」。

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その後、親戚の家に身を寄せることに。「ご飯を毎日食べられたし、お風呂も入れたし、お弁当も作ってもらったし」と、つらい過去を笑顔で話す兄妹。

「父親は、『罪を憎んで人を憎まず』って、よく言ってて。産みの母親の話をする時は必ず最後にそう言っていた」と、ゆうこさんが語ると、ひでとしさんも...「子どもの頃は恨むんだけど、大人になると親父にも悪い所があった。きっと、きっとね。夫婦は夫婦にしかわからないことがあるから、そういうふうに考えると憎しみとか恨みはだんだん無くなりますね」。

ここで「じつは去年の5月くらいに別れた母が突然現れたんですよ」と衝撃的なエピソードを明かしてくれました。母親が50年ぶりに兄妹に「助けてほしい」と連絡してきたそうで、その理由が「籍を抜いてほしい」。「一緒に住んでいた男性が亡くなって1人になったので新しい県営住宅に住みたいから離婚届を出してほしい」という内容で、戸籍上1人でないと入居できないため、手続きをお願いされたそうです。

父親が籍を抜いていなかった真意を聞くと、「私と兄が結婚する時に、親が離婚しているといい所の人と結婚できなくなるだろうって...」。結果、83歳にしてお父様は離婚することに。

50年ぶりに再会した印象について、「母って感じは受け取れなかった。近所の知っているおばさんくらいの感覚」と、ひでとしさんが言えば、ゆうこさんも「後のことは細かく聞かなかった」。

「父親は相当悔しがっていた。結局は、父親と産みの母親に振り回された子どもたち」と、ゆうこさんは冷静に説明しつつも...「でもね、やっぱり父親は憎めない。居酒屋やってから人も穏やかになったし、やっぱり優しいよね。いつだって私の体を心配してたし、お店に行っては会社の愚痴とかずっと聞いてもらってた。そこに行けば絶対(親に)会える場所が、子どもの頃はなかったから」と、涙ぐみます。

ひでとしさんも「だから、店を辞めるっていう選択肢はなかったですね」と言いながら、横で涙ぐむ妹に「もう、涙は見せない。涙流すと親父が悲しむから」と優しく声をかけます。

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亡くなる4年前から体調を崩したお父様のためにゆうこさんが病院に付き添ったり、兄妹でお店に顔を出したりするように。「毎日のように親と一緒にいた」と、ひでとしさんも振り返ります。お父様も「俺は子どもに親孝行されて幸せだ」と、周囲に話していたそうです。「親孝行できて幸せだったのは俺たち。それは、親父が亡くなって気づきました。最後に親父に教えてもらいました」(ひでとしさん)。

お父様との思い出を伺うと、「俺が12歳の時に、19歳のお母さんを連れて来た。そしたら、お母さんの親が連れ戻しにきた。いや~参ったよな」と、最後は笑いで締めてくれました。

兄妹仲良くお元気で。お父様の残した居酒屋を守り続けてください!



4月28日(水)夜9時放送の「家、ついて行ってイイですか?」は、ゲストに、高杉真宙・森川葵を迎えて「人生を変えた、運命の出会いSP」をお届けします。

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