ジャパンカップ(GI)で初出走する馬をひと目観たい! アイルランドからやってきたYOUの正体と結果は?:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを、空港で勝手に出迎えアポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~)。今回のテーマは「怒涛の密着5連発 気持ちいい!!チョー気持ちいい!!日本で金メダルとったるぞSP」。大一番に挑む"金メダル級のYOUたち"を大放出する95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

(放送日 2016年3月28日)

you_20210426_01.jpg(取材日 2015年11月27日)

成田国際空港で声をかけたのは、「ジャパンカップ(JC)」(JRA)を観るためにアイルランドから来日したケイトさん(61歳・取材当時)。「ジャパンカップ」とは日本を代表する競馬のGIレースで、その1着賞金は国内最高額の3億円! それもそのはず、世界各地から強豪馬が招待され1位を決めるという国内最高峰の国際レースなのだ。

じつは、今回ケイトさんは趣味の観戦ではなく、育てた馬が出場する...というからビックリ。つまり彼女は、母馬の世話をして赤ちゃんを産ませ、馬主に売られるまで牧場で育てる"ブリーダー"なのだ。

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「とても可愛らしくて優しい子だったわ。名前はトリップトゥパリス。私がつけた名前なの」と言って、当日は1枠2番で出場する予定表を見せてくれた。

「家族で小さな牧場を経営して30年なんだけど、初めて国際レースに招待されるような馬を育てたの」、と教えてくれた後は、行かなきゃと言って足早に去っていった。

...とはいえ、気になったので調べてみると、トリップトゥパリスは今季すでに4勝していて、急成長中の4歳馬だと判明。2015年の英国王室主催のGIレース「ゴールドカップ」で優勝しており、なんとエリザベス女王にも表彰された実力派のスゴいGI馬だったのだ! 新聞の情報によれば、コンディションはこれ以上ないほど絶好調らしい。もしや優勝するかも!?

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それならば、アポはないがケイトさんに会って取材できないかと、ジャパンカップ当日(2015年11月29日)に東京(府中)競馬場へ勝手に来ちゃった!

JRAの方によると、牧場主の方の場合、通常はチケットを買ってファンエリア(客席)で観るものらしい。この日の想定入場者数を聞くと、なんと10万人!! はたして約10万人の中からケイトさんが見つかるか...。確証はないが、レース開始の午後3時40分までになんとしても探し出し、そのまま密着交渉するしかない。

レースまであと5時間、スタッフがケイトさんを入口で待ってみたが姿が見えない。見逃した可能性もあるので競馬場の中へ入って探し始めたが、いや~とにかくものスゴい人人人...。10万人はエグい。

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立ち見席にもスタンド席にもケイトさんは見つからぬまま、レース開始まであと40分。続いてレース前のパドックへ探しに行くと、さらに群衆で密だ。するとそこへ、トリップトゥパリスが凛々しく登場!

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そしてパドックを見守る群衆の中に、奇跡的にケイトさんを発見することができた!!

レース開始までわずか22分、約10万人の中から再会できた奇跡に感激し、かけ寄って声をかけたものの...、ケイトさんは良い席を確保するためにダッシュで観覧席へ移動中だった。一緒に行っていいかと聞くと了解してもらえたので、強引だけど密着決定!

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猛ダッシュで階段を駆け上がり、10分前に4階の観覧席についたケイトさん。しかし、馬は入場済みなのに、人が多すぎて馬場なんてまったく見えない。

レース開始まで8分と迫ったところに、JRA広報の方がケイトさんに声をかけてくれた。ご厚意で、関係者席にケイトさんを特別に招待してくださることになったのだ! レース開始まであと4分。エレベーターを待ちきれず、ケイトさんはまたも階段で4階から8階へ猛ダッシュ。わずか1分前だが、なんとか記念すべき初出走に間に合った! ケイトさんは何度もお礼を伝え、運命の出走の瞬間を見つめ始めた。

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アイルランドの小さな牧場で、産まれた瞬間から、2歳でイギリスの馬主に引き渡すまで、懸命に世話をしてきたケイトさん。「一流の血統じゃないし、強い馬になるとは誰も思っていなかった。でも優しくて人の言うことをよく聞く子だったの。だから私はきっと良い馬になるって信じてたの」と、胸の内を明かしてくれた。

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18頭のゲートインが完了し、いよいよ夢をのせたわが子の出走だ! トリップトゥパリスは後半から追い上げる「差し馬」タイプだそうなので、特に後半の展開に期待が高まる。いよいよ最終コーナーにさしかかると、予定どおりぐんぐん追い上げてきた。

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全力疾走を続けるトリップトゥパリス! その結果は...、18頭中14着。だが、強豪の中でよくがんばった! ケイトさんは「あの子は夢と希望を与えてくれた馬。結果は残念だったけど、こんなステキなレースに出たあの子を誇りに思う」と、馬場に拍手を送り続けた。ケイトさん、密着はここまでですが、これからもずっとステキな馬を育ててくださいね!

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