高橋由伸「個人の力が強くないと生き残っていけない...」話題の教育法で50年目の大改革! 文武両道の名門「桐蔭学園」の秘密

公開: 更新: テレ東プラス

歴史や校風、卒業生のネットワークまで、名門校の知られざる姿を通してその秘密に迫る「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週月曜夜10時)。MCに登坂淳一角谷暁子(テレビ東京アナウンサー)、解説におおたとしまさを迎え、「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回の名門校は、神奈川の雄「桐蔭学園」。スタジオゲストに卒業生の椿鬼奴を迎え、その秘密に迫る。

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神奈川県横浜市にある市が尾駅からバスで10分ほど。敷地面積は東京ディズニーシーと肩を並べるほど広く、敷地内にはバスターミナルも。現在は中高合わせて約4500人の生徒が通っており、2020年は東大5人、京大2人、早稲田62人、慶應72人という進学実績を誇る。

卒業生はゲストの椿鬼奴をはじめ、俳優の織田裕二さんやデーモン閣下、医師でコメンテーターの西川史子先生など。政財界やスポーツ界にも多くの人材を輩出している。さらに昨年、桐蔭の名を全国に轟かせたのが「全国高校ラグビー大会」2連覇の実績。日本代表・松島幸太朗選手を生んだ名門部でもある。

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読売ジャイアンツ18代監督・高橋由伸さんも桐蔭のOB。高校1、2年の時、甲子園に出場した高橋さんにとって、桐蔭での生活は「人生の中で1番のターニングポイント」。寮での共同生活を通し、自立心が身についたという。

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桐蔭学園高等学校の開校は、前回の東京オリンピックが開かれた1964年。当初は男子校で、2年後には中学校も開設した。開校から7年、野球部が夏の「全国高等学校野球選手権大会」で優勝。スポーツの名門として全国に名を轟かせた。バブル絶頂期に東大合格者ランキングでベスト10入りを果たすと毎年名を連ね、1992年には麻布・開成に次ぐ114人の合格者を輩出した。

女子部が導入されたのは1981年。その学業スタイルは全国でも珍しく、中1〜高2まで男女別々に学び、高3から「男女併学」にするというもの。この制度は上手くいき、おおたは「おそらく、男女関係なく大学別の対策をするための効率化で、予備校的な機能がある」と解説した。

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桐蔭から東大に進み、現在「和太鼓グループ彩-sai-」を主催する葛西啓之さんは、「文武両道とはいえ、勉強組と体育会組に分かれているわけではなく、ラグビー部で東大に行ったクラスメイトもいる。誰もが東大を目指して当たり前の空気が流れていて、全力で部活をやっている人ほど成績も良い。「勉強でもスポーツでも、各種目のトップランナーが他の学校と比べて圧倒的に多い。自分以外のあらゆる価値観や考え方を、毎日洪水のように浴びる。若いうちに多様な価値観を身につけられる」と、マンモス校だからこそ得られる貴重な経験を語った。

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2014年に創立50周年を迎えた桐蔭は大きく動き出す。「今までの50年は、大学入試に視点を置いた学びを展開してきた。しかし、これからの時代に求められるのは、大学に入り社会に出て活躍できる学び」と岡田校長。2018年、高3だけの併学ではなく、男女完全共学化に踏み切った。それによってある変化が。男女別学の頃は文化祭準備となると担任が必死に発破をかけていたが、共学になってからは帰らせるのが大変なほど生徒が楽しんでいるという。

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男女共学化の他に桐蔭が導入したのは「アクティブ・ラーニング型授業」。生徒が受け身ではなく、自ら学ぶように設計された新しい学習指導方法だ。教師が教える時間を減らし、生徒自ら課題に取り組み、考え、プレゼンする時間に充てている。記憶型教育から思考型教育へ。現在多くの名門校で採用され、成果を上げている。

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中3の教室をのぞいてみると、和歌の作者が男性か女性かを考える面白い授業が行われていた。生徒たちは自由に意見を交換し、プレゼンしたところで、ようやく先生が解説。国語担当の一蝶亮先生は「教科書で教えていることから世界を広げてあげる。答えを教えてしまった方が楽ですが、"どれだけ教え込むことを減らすか"というのが教員にとってのテーマ」とコメント。岡田校長先生は「アクティブ・ラーニング型授業の時は、誰かが発言したら必ず拍手をするようにしている。それは承認の印で、他者のどんな意見でも承認するのが基本的な姿勢。人の話を傾聴し、相手を承認する。それがアクティブ・ラーニングのキーワード」と語る。

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このアクティブ・ラーニングこそ、「社会に出てから必要な力を養う」と高橋さん。「野球も、言われたことを聞いてばかりいる選手は伸びない。言われたことを自分なりに解釈し、応用する選手は伸びている。一般社会でも、個人の力が強くないと強い組織にならない。意識を高く持たせる上で、自分で考えて意見を述べるのは大事なこと」と熱く語った。

最後に岡田校長先生は、「生徒は十人十色でそれぞれの色がある。それがモザイクのようになっているのが私の理想。2024年度は、学園の共学化が完全に完成する年。それまでに桐蔭の多様性・協働性をベースとした学びを完成させたい」と締めくくった。

番組では他にも、OBである元プロ野球選手・G.G.佐藤さんや漫画家・やくみつるさんのコメント、授業風景、日本の教育の変遷、生卒業式の様子など、盛りだくさんの内容でお届けする。

この放送は、「ネットもテレ東」で期間限定配信中です!

4月26日(月)夜10時放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)は、ゲストに片岡安祐美を迎えて、「長崎の小さな離島で起きた奇跡」を特別編でお送りする。その高校とは県立大崎高校。3年前までは、部員わずか5人で廃部寸前だった。そんな弱小野球部が、去年の九州地区大会で奇跡を起こす。強豪の私学を次々と破り、初の王者に。選抜甲子園の夢を勝ち取った。大崎高校には、甲子園を目指さなければならない理由があった。

島は過疎化が進み、学校は次々と廃校に。そこで小さな島の運命を一人の監督に託したのだ。指揮するのは、これまで甲子園に春夏6回の出場経験を持つ名将・清水央彦監督。野球部にとって厳しい練習が始まった。実は、清水監督にはある過去が。不祥事を起こし野球の指導から遠ざかっていたのだ。だが、島は清水監督にすべてをかけた...。

どうぞお楽しみに!

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