家も工場も大好物もゼロからDIY!? 大学准教授YOUが挑む夢:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを、空港で勝手に出迎えアポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~)。今回のテーマは「祝!350回 YOUの夢が発酵・発狂・最&高SP」。最&高だらけの95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

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空港を飛び出し、日本全国の市町村で面白YOUを捜索する「出張YOU」! 今回の出張先は、人口約18万6,000人の市に約5,501人(2021年4月1日時点)のYOUが暮らす山梨県甲府市。富士山や名将・武田信玄ゆかりの地として知られ、鳥もつ煮や甲州ワイン、最近では「桔梗信玄ソフト+」や「青い富士山カレー」もバズっている。

じつは湯村温泉郷は穴場温泉地としても知られ、太宰治など多くの文豪にも愛された。2027年にはリニア中央新幹線が開通予定で、さらに熱くなりそうだ。

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YOUを求め、甲府の中心街から車で約20分の下帯那町を捜索していると、地元の方から有力情報が。

さっそくYOUの自宅を訪れ、話を聞くことに。アメリカ出身のデイビッドさん(57歳)が来日したのは28年前。東京の高校で英語を教えていたが、自然豊かな甲府に惹かれて12年前に土地を購入。東京~甲府を行き来し、10年かけて手造りの家を完成させたんだって!

中国出身の妻・年年(ネンネン)さん(31歳)との間には、3カ月の赤ちゃんも。「子どもを育てるのにも田舎に住むのがいいと思った」という持論どおり、日当たりは良く、空気も水もきれいで、山梨県は最高だという。そんなYOUの田舎ライフを見たいとお願いすると、快諾してくれたので密着決定!

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まず案内されたのは、自宅横の工事中の建物。2階に上がると吹き抜けから1階を見下ろせる造りになっているが、ここはいったい...? デイビッドさんによると、「ビールを造る工場。ここで(クラフト)ビールを造る」という。その理由はビールが好きだから。2年前にボロボロの空き家を購入し、ノンストップで内装を続けてきたデイビッドさんだが、やることだらけで終わりが見えない。それでも、順調なら今秋にオープンできるという。

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それにしても、なぜデイビッドさんはビール造りを思いついたのか?

じつは父親もモノづくりが大好きで、かつてDIYで家を造った経験者だった。デイビッドさんは大人になって英語教師として来日したが、憧れの父と同じように、甲府にマイホームを建てて夫婦で移住することに。

しかし、いざ移住してみると町はある問題を抱えていた。それは「ここは田舎だから、若い人たちが出て行っちゃう」という深刻な過疎化問題。下帯那町は少子高齢化が進み、人口289人中、20歳以下の若者はわずか14人...。この厳しい現実を目の当たりにし、「人口は下がってるんですけど、私ががんばります!」と、デイビッドさんが閃いたのがクラフトビール造りだった。もしデイビッドさんのクラフトビールが人気になれば、この地域にまた若い人たちが来やすくなると考えたのだ。

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工事中のビール工場は、2階は飲食スペースにして、お客さんは手造りビールを飲みながら、吹き抜けの1階でビールを造る様子も見られるという設計だ。ここで若者を集客し、地域の活性化につなげることがデイビッドさんの夢なのだ。

その夢のために、平日は県立大学で准教授として週5日授業を行いつつ、授業の合間や休日は子育てしながら工場造り。本当に忙しい毎日だが、すべては町のため。「(工場を造るのは)簡単なことではないんですけど、挑戦するからこそ強くなれると思う」と、語った。

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すると、誰かがデイビッドさんを訪ねてきた。それは「マブダチのヤスさん」。いつも内装の手伝いに来てくれるそうで、中に入ると手際よく作業のフォローを始めた。そんなヤスさんの本職は造園・造林だが、かつては土木建築の経験者という強者だ。仲良くなったきっかけは、焼き鳥屋や居酒屋で偶然何度か隣の席になったことだそうで、やっぱり酒(笑)。

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作業を進めるうちに、2人目のマブダチ・ノリちゃんも到着! こうして手伝ってくれる仲間がいることに、「すごい助かってる、嬉しい」と、感謝を口にするデイビッドさん。クラフトビールを造りたいという夢を、ヤスさんも「楽しみにしてます」と激励してくれている。

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その頃、年年さんは自宅の畑で、大根やトマトなど11種類の野菜作りに精を出していた。近所の人とも仲良くなって、ここでの暮らしが楽しいという。そこへ現れたのは、噂のご近所さん。最高にフレンドリーで、年年さんのヘチマと物々交換しに持ってきたおいしい採れたてイチジクを、スタッフにまでふるまってくださった♡

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そんな久保田さんによれば、近所の乳幼児はデイビッドさんちのエイミちゃん1人。子どもがいない町にとって、エイミちゃんはかけがえのないアイドルだ。

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温かい交流の後にデイビッドさんが向かったのは、年年さんのとは違う自身の畑。育てているものは...ビールの匂いがかぐわしい緑鮮やかなホップ! これに麦汁を加えることでビールができるのだ。ホップを混ぜ合わせて味や匂いを造ることが、クラフトビールの特徴を生み出すという重要な行程。だからこそ原料にもこだわり、ホップから手造りをすることにしたのだ。

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夜になって作業を終えると、「毎日力を出し切ると、仕事が終わったら冷たいビール飲みたいな」という気持ちになるという。最近のお気に入り・奥多摩のクラフトビールで一杯やりながら、至福のひとときを過ごすデイビッドさん。疲れを癒やしながらも、「これからはもっとがんばる。赤ちゃんのため奥さんのため、町の将来のために。この夢があるから私は負けない、諦めない!」と気合いを入れ、「みんなが僕のビールを飲んでこう言うんだ"最高にウマいな! もう一杯!"って」と、夢を描いたところで1日は終わり。ここで密着も終了。

工場も新作ビールも、今秋には完成予定ということで楽しみだ。デイビッドさん、おいしいビールを期待しています~!

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