秘境駅をホテル化、「グランスタ東京」が新たな展開...JR東日本のいまを取材:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)。4月16日(金)の放送では、新型コロナウイルスの影響で収入が半減したJR東日本を取材。
乗客数に頼らないユニークな戦略で巻き返しを図る姿を伝える。

閑古鳥が鳴く駅ナカ施設 挽回の方法は...

2020年8月、東京駅にリニューアルオープンした商業施設「グランスタ東京」には、多くの人が詰めかけた。新幹線を活用し、朝とれた鮮魚を出す寿司店や、フルーツを丸ごと使ったサンドイッチの店「メルヘン」にも行列ができていた。

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ところが、今年3月に訪れると、昼時にもかかわらず人通りはまばら。新型コロナの流行とともに、日本最大規模である駅ナカ施設の客数は一気に激減した。この施設の仕掛け人、JR東日本クロスステーション・新井裕之さんは「年始あたりから一番悪い状況に。新幹線も在来線も3割くらいの状態になってしまった」と嘆く。

挽回を図るためにとった策は、「グランスタを地方に運ぶ」という発想。朝、新幹線に「グランスタ東京」の出来たて商品をのせ、東京駅から仙台駅(宮城県)まで約3時間かけて運ぶ。これまた、新幹線という強力な輸送手段を活用した作戦だ。「メルヘン」のサンドイッチや築地の玉子焼き専門店「松露」の玉子サンド、東京限定のお菓子など、販売商品は62種・3600個。

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JR東日本クロスステーション・菅原啓充さんは「新幹線の高速性が一番のポイント。東京の"できたて"は、今まではそこでしか食べられなかった。新幹線を使って東北でも東京のできたてを」と意気込みを語る。催しが始まる前から行列が...。
そして、お昼の12時にスタート。果たしてその売れ行きは。

アイヌ創作料理の店も「お試し」で開業できる駅ビル

新型コロナは、通勤通学の足でもある鉄道をも直撃した。移動が制限され、出張族や観光客の利用も激減。JR東日本・深澤祐二社長は「最終赤字としては4500億円を予想している。JR発足して34年経ってまさに初めての赤字」と話す。しかし、その顔は意外にも晴れやか。今後は、「鉄道の利用は100%戻らない」ことを前提としたビジネスモデルを構築していく。
「我々が目指しているのは『鉄道会社じゃない鉄道会社』。鉄道会社がこんなことやるの?と思われるくらいの鉄道会社を目指していきたい」。

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駅を、切符を売る場所からビジネスを生む場所に。そんな深澤社長の考えは、JR新大久保駅(東京・新宿区)の駅ビルにもあらわれている。案内人の松下奈緒が訪れたのは、一見するとただのフードコート。しかし、カレー店などとともに、あまり見かけないアイヌ創作料理の店もある。「食に関するあらゆる実験をやっていきたいと思って作った施設」と話すのは、JR東日本・山手線プロジェクトの服部暁文さん。

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店はすべて、期間限定で、店員も初めて店を出す人ばかり。冷蔵庫やコンロ、オーブンなどの厨房設備はJR東日本で用意するため、開業資金もいらず"お試し"で店を作ることができるのだ。

無人駅がホテルのフロントに 地域活性化に貢献

さらにJR東日本の変わった戦略は続く。2月、JR青梅線・白丸駅(東京・奥多摩町)で、空き家になっている家をホテルにし、地域の活性化を図る試みが進んでいた。事業名は「沿線まるごとホテル」。無人駅にホテルのフロントを置き、お客さんがチェックインすると、地域住民が周辺を案内。接客や運営も担当する。

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JR東日本・地域活性化プロジェクトリーダーの会田均さんは「地域の人たちと一緒にお客さんをおもてなしし、地域にもお金が落ちるような仕組みで潤ってもらう。コロナ禍をみんなで乗り切っていきたい」と意欲をみせる。

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過疎化と高齢化が進む同地の空き家を使い、新たな雇用を生み出したい...そんな思いを抱え、会田さんは奔走する。果たして、会田さんが考える"特別な旅"とは? お客さんの反応はいかに?

JR東日本の新たな挑戦を、今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送。
どうぞお見逃しなく!

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